南スーダン コレラ拡大の恐れ、既に18人死亡 【プレスリリース】
[15/06/24]
提供元:PRTIMES
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拡大食い止める対応が急務
[画像1: http://prtimes.jp/i/5176/508/resize/d5176-508-762731-0.jpg ]
※本信はユニセフ本部の発信情報を元に、日本ユニセフ協会が作成・配信しています。
※原文はhttp://www.unicef.org/media/media_82352.html でご覧いただけます。
【2015年6月23日 ジュバ(南スーダン)/ナイロビ(ケニア)発】
コレラ流行の兆しが見え始めている南スーダンで、5歳未満児2人を含む18人がコレラによって死亡しました。今回、最初にコレラの症例が報告されたのは5月27日、首都ジュバにある市民保護区の中でした。その後、市民保護区内と中央エクアトリア州の村々では、コレラの疑いのある症例が170件確認されています。
ユニセフ(国連児童基金)とWHO(世界保健機関)は、同国保健省主導のもと、直ちに保健資材の提供やコレラワクチンの供給、衛生環境の改善といった予防活動などの拡大防止策を開始しました。
「コレラ拡大を食い止めるために今行動しなければ、最大で5,000人の5歳未満児がコレラによって命を落とす恐れがあります。コレラのように簡単に予防できるはずの病気で多くの幼い命が失われるのは、とても悲しく残念なことです」とユニセフ・南スーダン事務所代表のジョナサン・ヴェイチは話しました。
コレラの疑いがある症例の15%は5歳未満児です。コレラは幼い子どもたちがかかると特に危険で、ひどい下痢や嘔吐によって、あっという間に重度の脱水症状を引き起こします。ユニセフは経口補水療法を提供する場所を設置し、保健ケアのできる人材を訓練する支援を実施しています。また、医薬品や石けん、防護用具、病院用のテントなどを含むコレラ治療用資材を、南スーダン全土に配布しました。さらにユニセフは、コレラの危険が高い地域に安全な飲料水を提供する役割も担っています。
ジュバの市民保護区では、およそ3万人の国内避難民が、経口コレラワクチンを接種できる見込みです。手洗いや食べ物の安全な取り扱いなど、衛生管理の促進も進められています。これから11月までの雨期は感染拡大のリスクが高まる季節であるため、コレラ拡大を食い止める支援に緊急の資金が必要とされています。
[画像2: http://prtimes.jp/i/5176/508/resize/d5176-508-751811-1.jpg ]
南スーダンでは、2009年から2013年まで、コレラの感染例は確認されていません。しかし、2013年12月に紛争が始まった結果、何十万人もの人々が家を追われ、安全な水や衛生的な環境が得られないこともある混み合ったキャンプや避難所に逃れざるを得なくなりました。2014年5月のコレラ流行では、ユニセフやWHOも加わった政府のコレラ対策本部によって流行が抑え込まれるまでに、167人が命を落としました。
緊急の保健支援に加え、感染者の早期発見や地域住民間での予防意識の向上が伴えば、死者数は減らすことができるはずです。ユニセフは13のラジオ局を通じて、どのようにコレラを予防し、発見し、治療するのかといった情報を流すとともに、特に危険の高いコミュニティでは、専門スタッフが1軒1軒戸別訪問し、命を守る大切な情報を届けています。
ユニセフは、南スーダンでの今後6カ月の緊急コレラ対応に460万米ドルの資金が必要であるとしています。
「ユニセフはコミュニティや保健施設とともに、これ以上コレラによって命が奪われることがないよう活動していますが、そのための資金は、底をつきつつあります」(ヴェイチ代表)
* * *
■南スーダン概況
2011年の独立後も政情不安が続いていた南スーダンでは、2013年12月15日、武力衝突が発生。その後も続く紛争により、子どもたちは自宅や学校、生まれ育ったコミュニティを追われ、暴力や栄養不良、病気の危険に晒されている。
国内避難を続ける子どもは80万人以上。国外で避難生活を送る子どもは34万4,000人以上。
子ども1万3,000人以上が、武力衝突を引き起こしている両陣営に徴用されているとみられる。
武装勢力と政府との間の和平協定により、今年1月から段階的に子どもの解放が進み、1,757人が解放された。
ユニセフは、解放された子どもたちの家族の居場所を追跡し、再会を進める支援のほか、子どもたちに食糧や避難場所、衣類の提供のほか、基礎的な保健ケア、カウンセリング、心のケアを実施している。
紛争の長期化により、推定22万9,000人以上の子どもが重度の急性栄養不良に陥っている。
戦闘地域にある学校の70%は機能しておらず、子ども40万人が教育を受けられていない。
[表: http://prtimes.jp/data/corp/5176/table/508_1.jpg ]
* * *
■ユニセフについて
ユニセフ(UNICEF:国際連合児童基金)は、すべての子どもの権利と健やかな成長を促進するために活動する国連機関です。現在190の国と地域※で、多くのパートナーと協力し、その理念を様々な形で具体的な行動に移しています。特に、最も困難な立場にある子どもたちへの支援に重点を置きながら、世界中のあらゆる場所で、すべての子どもたちのために活動しています。(www.unicef.org)
※ユニセフ国内委員会(ユニセフ協会)が活動する36の国と地域を含みます
※ユニセフの活動資金は、すべて個人や企業・団体からの募金や各国政府からの任意拠出金で支えられています
■日本ユニセフ協会について
公益財団法人 日本ユニセフ協会は、先進工業国36の国と地域にあるユニセフ国内委員会のひとつで、日本国内において民間として唯一ユニセフを代表する組織として、ユニセフ活動の広報、募金活動、政策提言(アドボカシー)を担っています。 (www.unicef.or.jp)
[画像1: http://prtimes.jp/i/5176/508/resize/d5176-508-762731-0.jpg ]
※本信はユニセフ本部の発信情報を元に、日本ユニセフ協会が作成・配信しています。
※原文はhttp://www.unicef.org/media/media_82352.html でご覧いただけます。
【2015年6月23日 ジュバ(南スーダン)/ナイロビ(ケニア)発】
コレラ流行の兆しが見え始めている南スーダンで、5歳未満児2人を含む18人がコレラによって死亡しました。今回、最初にコレラの症例が報告されたのは5月27日、首都ジュバにある市民保護区の中でした。その後、市民保護区内と中央エクアトリア州の村々では、コレラの疑いのある症例が170件確認されています。
ユニセフ(国連児童基金)とWHO(世界保健機関)は、同国保健省主導のもと、直ちに保健資材の提供やコレラワクチンの供給、衛生環境の改善といった予防活動などの拡大防止策を開始しました。
「コレラ拡大を食い止めるために今行動しなければ、最大で5,000人の5歳未満児がコレラによって命を落とす恐れがあります。コレラのように簡単に予防できるはずの病気で多くの幼い命が失われるのは、とても悲しく残念なことです」とユニセフ・南スーダン事務所代表のジョナサン・ヴェイチは話しました。
コレラの疑いがある症例の15%は5歳未満児です。コレラは幼い子どもたちがかかると特に危険で、ひどい下痢や嘔吐によって、あっという間に重度の脱水症状を引き起こします。ユニセフは経口補水療法を提供する場所を設置し、保健ケアのできる人材を訓練する支援を実施しています。また、医薬品や石けん、防護用具、病院用のテントなどを含むコレラ治療用資材を、南スーダン全土に配布しました。さらにユニセフは、コレラの危険が高い地域に安全な飲料水を提供する役割も担っています。
ジュバの市民保護区では、およそ3万人の国内避難民が、経口コレラワクチンを接種できる見込みです。手洗いや食べ物の安全な取り扱いなど、衛生管理の促進も進められています。これから11月までの雨期は感染拡大のリスクが高まる季節であるため、コレラ拡大を食い止める支援に緊急の資金が必要とされています。
[画像2: http://prtimes.jp/i/5176/508/resize/d5176-508-751811-1.jpg ]
南スーダンでは、2009年から2013年まで、コレラの感染例は確認されていません。しかし、2013年12月に紛争が始まった結果、何十万人もの人々が家を追われ、安全な水や衛生的な環境が得られないこともある混み合ったキャンプや避難所に逃れざるを得なくなりました。2014年5月のコレラ流行では、ユニセフやWHOも加わった政府のコレラ対策本部によって流行が抑え込まれるまでに、167人が命を落としました。
緊急の保健支援に加え、感染者の早期発見や地域住民間での予防意識の向上が伴えば、死者数は減らすことができるはずです。ユニセフは13のラジオ局を通じて、どのようにコレラを予防し、発見し、治療するのかといった情報を流すとともに、特に危険の高いコミュニティでは、専門スタッフが1軒1軒戸別訪問し、命を守る大切な情報を届けています。
ユニセフは、南スーダンでの今後6カ月の緊急コレラ対応に460万米ドルの資金が必要であるとしています。
「ユニセフはコミュニティや保健施設とともに、これ以上コレラによって命が奪われることがないよう活動していますが、そのための資金は、底をつきつつあります」(ヴェイチ代表)
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■南スーダン概況
2011年の独立後も政情不安が続いていた南スーダンでは、2013年12月15日、武力衝突が発生。その後も続く紛争により、子どもたちは自宅や学校、生まれ育ったコミュニティを追われ、暴力や栄養不良、病気の危険に晒されている。
国内避難を続ける子どもは80万人以上。国外で避難生活を送る子どもは34万4,000人以上。
子ども1万3,000人以上が、武力衝突を引き起こしている両陣営に徴用されているとみられる。
武装勢力と政府との間の和平協定により、今年1月から段階的に子どもの解放が進み、1,757人が解放された。
ユニセフは、解放された子どもたちの家族の居場所を追跡し、再会を進める支援のほか、子どもたちに食糧や避難場所、衣類の提供のほか、基礎的な保健ケア、カウンセリング、心のケアを実施している。
紛争の長期化により、推定22万9,000人以上の子どもが重度の急性栄養不良に陥っている。
戦闘地域にある学校の70%は機能しておらず、子ども40万人が教育を受けられていない。
[表: http://prtimes.jp/data/corp/5176/table/508_1.jpg ]
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■ユニセフについて
ユニセフ(UNICEF:国際連合児童基金)は、すべての子どもの権利と健やかな成長を促進するために活動する国連機関です。現在190の国と地域※で、多くのパートナーと協力し、その理念を様々な形で具体的な行動に移しています。特に、最も困難な立場にある子どもたちへの支援に重点を置きながら、世界中のあらゆる場所で、すべての子どもたちのために活動しています。(www.unicef.org)
※ユニセフ国内委員会(ユニセフ協会)が活動する36の国と地域を含みます
※ユニセフの活動資金は、すべて個人や企業・団体からの募金や各国政府からの任意拠出金で支えられています
■日本ユニセフ協会について
公益財団法人 日本ユニセフ協会は、先進工業国36の国と地域にあるユニセフ国内委員会のひとつで、日本国内において民間として唯一ユニセフを代表する組織として、ユニセフ活動の広報、募金活動、政策提言(アドボカシー)を担っています。 (www.unicef.or.jp)