ヘビー級最強王者ウラディミール、豪腕ピーターを迎え撃つ!…世界プロボクシングをWOWOWで放送!
[10/09/10]
提供元:PRTIMES
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IBF・WBO世界ヘビー級タイトルマッチ(9月13日(月)よる8時よりWOWOWで放送)
ウラディミール・クリチコ vs サミュエル・ピーター
日本時間9月12日(日)、ボクシング ヘビー級注目の一戦、ウラディミール・クリチコ(ウクライナ)vs サミュエル・ピーター(ナイジェリア)の試合がドイツ、フランクフルトにある5万人収容のコメルツバンク・アレーナで行われる。
当初、クリチコはアテネ・オリンピックの金メダリストでIBF1位のアレクサンデル・ポベトキン(ロシア)と対戦するはずだったが、ポベトキン側が挑戦を回避。そのためピーターにチャンスがまわってきたという経緯がある。ヘビー級を代表する大砲同士の対決は、意外なかたちで陽の目を見ることとなった。
この両者、5年前の05年9月、アメリカ、ニュージャージー州アトランティックシティのボードウォークホールで一度拳を交えている。再戦を占う前に初戦をおさらいしておく必要があるだろう。
両者の初戦はピーターの持つNABF北米タイトルと空位のNABO北米タイトルがかかった試合だったが、それ以上に世界先陣争いの意味合いが強かった。当時、クリチコはWBA11位、IBF4位、WBO2位。5度守ったWBOタイトルをコリー・サンダース(南アフリカ)に奪われ、さらにレイモン・ブリュースター(アメリカ)とのWBO王座決定戦でもTKO負け。これが再起3戦目だった。
一方のピーターは当時、WBA4位、WBC3位、IBF5位、WBO3位にランクされ、デビューから24戦全勝(21KO)だった。その勢いの差が5対2(ピーター有利)というオッズになって表れていた。
クリチコが左ジャブでポイントを重ねるなか、5回に波瀾が訪れた。クリチコがバランスを崩したところにピーターの右が決まり、元王者が2度、キャンバスに崩れ落ちたのだ。しかし中盤以降、クリチコは再びペースを取り戻して着々と加点。2度目のヤマは10回のこと。ピーターの連打でクリチコがまたもダウンを喫したのである。しかし、ここも耐えたクリチコは最終12回、左フックをヒットしてタフなピーターを大きくぐらつかせた――というスリリングな内容だった。採点は三者とも114対111でクリチコを支持していた。
興味深いのは、以後の両者の足跡である。クリチコが7ヵ月後に王座復帰を果たして以来4年半も頂点に君臨し続けているのに対し、07年にWBC王座を獲得したピーターは2年前、クリチコ兄弟の兄ビタリ・クリチコに王座を明け渡している。今回のクリチコとピーターの再戦は、二重の因縁ファイトといっていいだろう。
ともにヘビー級を代表する強打者だが、戦闘スタイルは大きく異なる。長身でリーチにも恵まれたクリチコは、左ジャブで相手をコントロールしておいて長距離から右ストレートを打ち込むスタイルを確立している。対する寸胴体型のピーターは相手に重圧をかけて接近、中近距離で左右のフックを叩きつける好戦的なタイプだ。こうしてみると、5年前の初戦はそれぞれの持ち味が出た試合といえるだろう。
34歳になったクリチコに対し、試合の5日前に30歳の誕生日を迎えるピーターに若さのアドバンテージはあるが、これが総合的な優劣に大きな影響を与えるとは思えない。むしろ世界戦で9連勝(8KO)中のクリチコの充実度をより高く評価すべきであろう。3月のエディ・チャンバース(アメリカ)戦では最終12回にKOするなど、スタミナそのものとペース配分にも成長のあとが感じられる。
ピーターも4連続KO中と勢いを回復しているが、3、2、4、2と短いラウンドが続いている点が少々気になる。
クリチコは5年前に苦しめられたピーターの右に注意しながら慎重に左を突くことだろう。この左に挑戦者の反応が遅れるようだと、クリチコの右ストレートが狙い撃ちされる可能性は高まる。ピーターはスタートから思い切った先制攻撃でクリチコの動揺を誘いたいところ。クリチコ有利は不動だが、スリリングな攻防の末のKO決着は間違いない。
この試合の模様は、9月13日(月)よる8時よりWOWOWで放送する。
Written by ボクシングライター原功
ウラディミール・クリチコ vs サミュエル・ピーター
日本時間9月12日(日)、ボクシング ヘビー級注目の一戦、ウラディミール・クリチコ(ウクライナ)vs サミュエル・ピーター(ナイジェリア)の試合がドイツ、フランクフルトにある5万人収容のコメルツバンク・アレーナで行われる。
当初、クリチコはアテネ・オリンピックの金メダリストでIBF1位のアレクサンデル・ポベトキン(ロシア)と対戦するはずだったが、ポベトキン側が挑戦を回避。そのためピーターにチャンスがまわってきたという経緯がある。ヘビー級を代表する大砲同士の対決は、意外なかたちで陽の目を見ることとなった。
この両者、5年前の05年9月、アメリカ、ニュージャージー州アトランティックシティのボードウォークホールで一度拳を交えている。再戦を占う前に初戦をおさらいしておく必要があるだろう。
両者の初戦はピーターの持つNABF北米タイトルと空位のNABO北米タイトルがかかった試合だったが、それ以上に世界先陣争いの意味合いが強かった。当時、クリチコはWBA11位、IBF4位、WBO2位。5度守ったWBOタイトルをコリー・サンダース(南アフリカ)に奪われ、さらにレイモン・ブリュースター(アメリカ)とのWBO王座決定戦でもTKO負け。これが再起3戦目だった。
一方のピーターは当時、WBA4位、WBC3位、IBF5位、WBO3位にランクされ、デビューから24戦全勝(21KO)だった。その勢いの差が5対2(ピーター有利)というオッズになって表れていた。
クリチコが左ジャブでポイントを重ねるなか、5回に波瀾が訪れた。クリチコがバランスを崩したところにピーターの右が決まり、元王者が2度、キャンバスに崩れ落ちたのだ。しかし中盤以降、クリチコは再びペースを取り戻して着々と加点。2度目のヤマは10回のこと。ピーターの連打でクリチコがまたもダウンを喫したのである。しかし、ここも耐えたクリチコは最終12回、左フックをヒットしてタフなピーターを大きくぐらつかせた――というスリリングな内容だった。採点は三者とも114対111でクリチコを支持していた。
興味深いのは、以後の両者の足跡である。クリチコが7ヵ月後に王座復帰を果たして以来4年半も頂点に君臨し続けているのに対し、07年にWBC王座を獲得したピーターは2年前、クリチコ兄弟の兄ビタリ・クリチコに王座を明け渡している。今回のクリチコとピーターの再戦は、二重の因縁ファイトといっていいだろう。
ともにヘビー級を代表する強打者だが、戦闘スタイルは大きく異なる。長身でリーチにも恵まれたクリチコは、左ジャブで相手をコントロールしておいて長距離から右ストレートを打ち込むスタイルを確立している。対する寸胴体型のピーターは相手に重圧をかけて接近、中近距離で左右のフックを叩きつける好戦的なタイプだ。こうしてみると、5年前の初戦はそれぞれの持ち味が出た試合といえるだろう。
34歳になったクリチコに対し、試合の5日前に30歳の誕生日を迎えるピーターに若さのアドバンテージはあるが、これが総合的な優劣に大きな影響を与えるとは思えない。むしろ世界戦で9連勝(8KO)中のクリチコの充実度をより高く評価すべきであろう。3月のエディ・チャンバース(アメリカ)戦では最終12回にKOするなど、スタミナそのものとペース配分にも成長のあとが感じられる。
ピーターも4連続KO中と勢いを回復しているが、3、2、4、2と短いラウンドが続いている点が少々気になる。
クリチコは5年前に苦しめられたピーターの右に注意しながら慎重に左を突くことだろう。この左に挑戦者の反応が遅れるようだと、クリチコの右ストレートが狙い撃ちされる可能性は高まる。ピーターはスタートから思い切った先制攻撃でクリチコの動揺を誘いたいところ。クリチコ有利は不動だが、スリリングな攻防の末のKO決着は間違いない。
この試合の模様は、9月13日(月)よる8時よりWOWOWで放送する。
Written by ボクシングライター原功