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今年9月、18年間の宝塚人生に区切りをつけて退団した水夏希。男役トップとして雪組を引っ張ってきた水が、宝塚時代のこと、今後のことを語った模様をWOWOWで放送。




 インタビューが行われたのは10月末。撮影場所に現れた水は、退団会見の際の「(宝塚を振り返って)1ミリも悔いはない」という言葉を裏付けるように、明るい表情だった。
「卒業から2ヵ月弱たったところですけど、あっという間ですね。“心にポッカリと穴が”みたいな感覚はまったくありません(笑)。宝塚時代はとにかく忙しくて、1日が24時間じゃ足りないとずっと思っていたんですが、今はほどほど。改めて振り返ると“宝塚の人って大変だなー”と思います(笑)」
 一定の距離とユーモアをもって語れるのは、完走した人の特権だ。
「さよなら公演の感動は、特にないんですよ。というのは、私は毎公演、これが千秋楽という気持ちでやってきましたから。ですから、いよいよその時が来た、とは思いましたけど、想像以上に普通でいられました。最終日の劇場入りの時、劇場の前にドーンとファンの方が集まってくださり、花のアーチをつくって迎えてくださった時は“うわ、何これ? すごい!!”と驚きましたが」
 宝塚音楽学校時代の成績もよく、早くから目立つ存在だったが、18年という長い在団期間は、決して平穏だったわけではない。組替えをとにかく多く経験した。最初は、厳しいことで有名な月組。
「よく注意されました。でも当たり前なんです。最下級生なのに居眠りしていたり(笑)、ラインダンスでもとにかく毎日どこかしら間違えてましたから」
 本人はそう謙遜するが、その月組時代、新人公演で主役に大抜擢された。それも、憧れの天海祐希と同じ役で。
「自信がなくて困っている時に“何がわからないかもわからないんだよね”と理解してくださったのが天海さん。やる前にもたくさんのアドバイスをいただいてありがたかったんですけど、第一部が終わった途端、“メモとペン持ってきて”って。そのあとダーッと(ダメ出しを受けた)。その時は“まだ二部があるのに?”と思ったんですけど、自分が上級生になるとわかるんですよね。うるさいと思われても、終わってすぐのテンションで言うことが、すごく大切なんです」
 役をもらうたび、水は着実に実績を残してきた。それを支えたのは、そうした意識の高さと、変化に対して柔軟な明るい姿勢だろう。『ベルサイユのばら』『怪傑ゾロ』など代表作について語る水の言葉と表情から、そのことがたっぷりと伝わってくる。
 この模様はWOWOWで、11月26日(金)16:10から「宝塚プルミエール 水夏希スペシャル」にて放送する。
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