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20年の時を超え、ジャズの至宝が日本に刻んだ「誠実」と「継承」の記録。ジャズ・アット・リンカーン・センター・オーケストラ with ウィントン・マルサリス 公演レポート到着




2026年3月19日から22日にかけて、現代ジャズの良心を守り、その真髄を世界に伝え続けるウィントン・マルサリス率いる「ジャズ・アット・リンカーン・センター・オーケストラ(JLCO)」の来日ツアーが開催された。
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3/19 東京国際フォーラム ホールA公演
[画像2: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/41063/847/41063-847-87f564521a19f4c66d0c15ce14c8b409-2000x1333.jpg?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
3/20 すみだトリフォニーホール 大ホール公演

JLCOとしては約20年ぶり、そして創設者であるウィントンが芸術監督としてフルタイムで率いる最後から2番目のシーズンという、歴史的転換点の中で迎えた今回の日本ツアー。東京・大阪の全4公演はチケット発売後すぐに完売となり開幕前から異例の熱気に包まれた。

ウィントンは今回の来日に際し、「日本が長年にわたる揺るぎない支援を続けてくれたことに対し、深く感謝をしています。日本のジャズへの愛と献身は、この音楽を永遠に変えました」と語り、日本文化と聴衆への深い敬意を表明していた。その言葉通り、ステージでは一切の妥協を排し、音楽に対してどこまでも「誠実」であろうとする、ジャズの本質が展開された。
今回の歴史的なステージについて、長年ジャズを見つめ続けてきた音楽ジャーナリスト・小川隆夫氏より、以下の寄稿が寄せられた。

一糸乱れぬ完璧なサウンドと普遍的な楽しさ      小川隆夫(音楽ジャーナリスト)

約20年ぶりに日本で観たジャズ・アット・リンカーン・センター・オーケストラ・ウィズ・ウィントン・マルサリスのステージは、予想を超えて圧巻の内容だった(3月19日、「東京国際ホール」ホールA)。初日のコンサートにもかかわらず、一糸乱れぬ完璧なサウンドのもと、オーケストラは各人のソロをバランスよく配した演奏を繰り広げた。

ウィントンがソロを吹いたのは最初と最後の曲だけである。彼は終始オーケストラの一員に徹し、自分のことよりもサウンド全体に細心の注意を払い、完璧な音楽の提供に心を砕いていた。それでいてリーダーシップを遺憾なく発揮し、紛れもなくメンバーのメンターであることを示していた。
[画像3: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/41063/847/41063-847-0baaf0f1958076ef2d2604705de7bc9c-2000x1332.jpg?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
3/21 サントリーホール 大ホール公演

全員がソロイストとして優れた技量と音楽性を持ち合わせている。結成以来、若いメンバーを中心としたオーケストラを、ウィントン・マルサリスは手塩にかけて世界最高峰の水準にまで育て上げてきた。この夜に披露されたのは新旧の楽曲である。メンバーのオリジナルや、埋もれた名作曲家の作品も含め、重厚にして軽快なアレンジがジャズの魅力を存分に伝えていた。
これまでジャズはさまざまな形で花開いてきた。流行の先端をいく演奏も魅力的だが、伝統を大切にすることで、この音楽の素晴らしさを世界に発信してきた。それがジャズ・アット・リンカーン・センター・オーケストラである。そのことを改めて実感させてくれたのがこの夜だった。
7人編成のバンドがニューオーリンズ・ジャズを聴かせたアンコールまで含め、超満員の聴衆で埋め尽くされたこの夜のコンサートは、ジャズが世代や時代を超えて普遍的なものであることを、その楽しさと面白さ、そしてスリル満点の演奏によって伝えていた。

世代を超えた共演、角野隼斗との対話

3月21日(サントリーホール)と22日(フェスティバルホール)には、ゲストとしてピアニストの角野隼斗が登場。ニューヨークを拠点に活動し、ウィントンとも交流のあった角野の参加は、今回のツアーに特別な彩りを添えた。
角野は以前、「ウィントンと同じステージに立てることはこの上ない光栄。音楽を通しての対話を心から楽しみにしています」と語っていたが、実際のステージでは、クラシックの素養とジャズのスウィング感が見事に融合。アンコールの『BUDDY BOLDEN’S BLUES』では、ニューオーリンズ・スタイルの小編成に角野が加わり、世代も国境も超えて響き合う「ジャズという体験」を会場全体に届けてくれた。

芸術監督・ウィントン・マルサリスがジャズ・アット・リンカーン・センター・オーケストラの一員として日本で最後に残したメッセージは、単なる懐古ではなく、若き才能達への「継承」そのものであった。この4日間の感動は、日本のジャズ史に刻まれる新たな伝説となった。
[画像4: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/41063/847/41063-847-ef05776c75d19246f14f0be663512dec-2000x1332.jpg?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
3/22 フェスティバルホール公演


The Jazz at Lincoln Center Orchestra with Wynton Marsalis on Japan Tour 2026
Photo by Gilberto Tadday/Jazz at Lincoln Center

■Japan Tour 2026 セットリスト一覧

2026年3月19日(木)東京国際フォーラム ホールA
SET I:
1.VITORIA SUITE: Mvt. XII, Mendizorrotza Swing
2.BEARDEN (THE BLOCK)
3.TWO-THREE’S ADVENTURE
4.JOE’S CONCERTO: Mvt. IV
5.FAR EAST SUITE: Mvt. IX, Ad Lib on Nippon
SET II:
6.WAVE THE WHEAT SUITE: Part I, Bump, Set, Spike
7.THE MAID WITH THE FLACCID HAIR
8.UNEMBEZA
9.YES SIR, THAT'S MY BABY
10.TIMELESSNESS

2026年3月20日(金・祝)すみだトリフォニーホール
SET I:
1.VITORIA SUITE: Mvt. XII, Mendizorrotza Swing
2.BEARDEN (THE BLOCK)
3.TWO-THREE’S ADVENTURE
4.JOE’S CONCERTO: Mvt. IV
5.FAR EAST SUITE: Mvt. IX, Ad Lib on Nippon
SET II:
6.WAVE THE WHEAT SUITE: Part I, Bump, Set, Spike
7.TOM CAT BLUES (Wynton and Dan)
8.UNEMBEZA
9.YES SIR, THAT'S MY BABY
10.TIMELESSNESS

2026年3月21日(土)サントリーホール 大ホール
SET I:
1.FOUR IN ONE
2.LIGHT BLUE
3.TWO-THREE’S ADVENTURE
4.FAR EAST SUITE: Mvt. IX, Ad Lib on Nippon
SET II:
5.JINGLES (with Hayato Sumino)
6.REVERIE (with Hayato Sumino)
7.TEMPERANCE (with Hayato Sumino)
8.UNEMBEZA
9.YES SIR, THAT'S MY BABY
10.VITORIA SUITE: Mvt. XII, Mendizorrotza Swing
E: BUDDY BOLDEN’S BLUES (New Orleans group with Hayato Sumino & Dan)

2026年3月22日(日)フェスティバルホール
SET I:
1.FOUR IN ONE
2.LIGHT BLUE
3.TWO-THREE’S ADVENTURE
4.FAR EAST SUITE: Mvt. IX, Ad Lib on Nippon
SET II:
5.JINGLES (with Hayato Sumino)
6.REVERIE (with Hayato Sumino)
7.TEMPERANCE (with Hayato Sumino)
8.UNEMBEZA
9.YES SIR, THAT'S MY BABY
10.VITORIA SUITE: Mvt. XII, Mendizorrotza Swing
E: BUDDY BOLDEN’S BLUES (New Orleans group with Hayato Sumino & Dan)
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