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4万人のボランティアが力を結集、イエメンでの新たなコレラ症例数が3分の1低下【プレスリリース】

崩壊寸前の保健および水と衛生施設の再構築急務




[画像: https://prtimes.jp/i/5176/995/resize/d5176-995-886591-0.jpg ]

【2017年8月28日 アンマン(ヨルダン)/ サヌア(イエメン)発】
イエメンの人々は、かつてないほどの、そしてほぼ人の手によって生み出された人道危機に見舞われ続けています。この困難の中、イエメンの一般の人々が、急性水様性下痢症とコレラに、日々勇敢に立ち向かい、その成果が見えてきています。

国際NGOや国連機関の協力のもと、地域の人々の前代未聞の働きが功を成し、毎週報告される新たな症例数は6月末の数から3分の1減少しました。

保健および水と衛生分野で働く人々は、過去10カ月以上給料が支払われていないにもかかわらず、今年4月以降55万件以上にのぼっている感染疑いと2,000件以上の死亡を記録した世界最悪のコレラの流行を止めるべく、休むことなく働き続けています。コレラが疑われる症例数の半数以上は子どもです。

病人を治療し、水と衛生のシステムを改善するための、大規模な共同努力が、病気の拡大を遅らせる手助けとなったのです。

「私たちの病院を訪れる圧倒的な数の患者に対応することは困難でした。患者の多くは深刻な状態にありました」と、アデン市にあるアル・サダカ病院の副マネージャーでコレラ治療センター長のナフラ・アリシ医師(Dr. Nahla Arishi)は語りました。「病院は混雑し、ベッドも必須医薬品も不足しています。しかし、ベッドが足りないからといって、病院の扉を閉めて子どもたちを受け入れないということはできません。私は医師であり母親でもあります」

現在、コレラへの認識を高める啓発キャンペーンを全国的で展開しています。4万人以上のボランティアたちを動員し、イエメンの全世帯の約80%を占める270万家族の家を1件1件訪問するのです。このキャンペーンを通して、1,250万人近くの人々が、水の消毒、手洗い、衛生や食の安全に関する情報を得ました。子どもと若者25万人が、経口補水塩(ORS)を供与され、治療が受けられるようになりました。

「私が訪問した家庭の子どもたちの多くはか細く弱っていました」とこのキャンペーンで働く地域保健ボランティアのムトハブ・アルブレイク・サレム(Muthab Alburaik Salem)さんは述べました。「厳しい状況にあるコミュニティがこれ以上苦しまずに済むように、正しい認識を伝えることは大変重要です。私は自分の子どもたちが病気に罹ることを恐れています。ですから、私が働く地域のすべての子どもたちを、もし自分の子どもだったら、と考えながら扱っています」と自身も2人の子の母親であるムトハブさんは言いました。

これらの成果にも関わらず、コレラとの闘いはまだまだ終わりません。暴力が続き、水と衛生システムが崩壊しつつあり、イエメンの保健施設の半数以上が閉鎖され、約1,500万人が安全な水と基本的な保健ケアから切り離されています。この国は依然として、飢饉と隣り合わせにあり、38万5,000人の子どもたちが重度の栄養不良状態にあると推定されます。

これまでの成果を維持するために、国際社会は保健および水と衛生施設の再構築の支援を強化し、今後の流行を予防することに投資すべきです。

しかし、紛争が終わらなければ、もっと多くの子どもたちが命を落とすことになります。ユニセフは、子どもたちの命を守り、彼らが明るい未来の展望をもてるようにするために、すべての紛争当事者に対して、イエメンでの暴力への平和的かつ政治的解決を見出だすよう求めます。

* * *

■ユニセフについて
ユニセフ(UNICEF:国際連合児童基金)は、すべての子どもの権利と健やかな成長を促進するために活動する国連機関です。現在190の国と地域※で、多くのパートナーと協力し、その理念を様々な形で具体的な行動に移しています。特に、最も困難な立場にある子どもたちへの支援に重点を置きながら、世界中のあらゆる場所で、すべての子どもたちのために活動しています。(www.unicef.org)
※ユニセフ国内委員会(ユニセフ協会)が活動する34の国と地域を含みます
※ユニセフの活動資金は、すべて個人や企業・団体からの募金や各国政府からの任意拠出金で支えられています

■日本ユニセフ協会について
公益財団法人 日本ユニセフ協会は、先進工業国34の国と地域にあるユニセフ国内委員会のひとつで、日本国内において民間として唯一ユニセフを代表する組織として、ユニセフ活動の広報、募金活動、政策提言(アドボカシー)を担っています。 (www.unicef.or.jp)
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