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ユニセフHIV/エイズ報告書:若者の新規HIV感染者年間25万人 -1時間に約30人、その3分の2は女子【プレスリリース】

対策の中心に女性を、ユニセフ訴え




[画像1: https://prtimes.jp/i/5176/1187/resize/d5176-1187-261321-0.jpg ]

【2018年7月25日 アムステルダム /ニューヨーク 発】
ユニセフ(国連児童基金)は、新たな報告書「子どものHIV/エイズ対策の中心にいる女性たち(原題:Women: at the heart of the HIV response for children)」を発表し、2017年には1時間ごとに約30人(年間25万人)の15歳〜19歳の若者が新たにHIVに感染し、その3分の2を女子が占めていることを指摘しました。

「これは保健の危機であると同時にユニセフの危機でもあります」とユニセフ事務局長ヘンリエッタ・フォアは述べました。「ほとんどの国では、女性と女の子は、情報やサービスを得ることができず、また安全でない性交渉を断る力を持っていません。HIVは最も弱い立場にあり、疎外された人々の間で広がり、その危機の中心に置かれているのは10代の女の子です」

[画像2: https://prtimes.jp/i/5176/1187/resize/d5176-1187-890638-1.jpg ]

報告書は、世界で続いているエイズの流行とその影響を受ける最も弱い立場にある人々に関する、驚くべき統計を提供しています。昨年、13万人の19歳以下の子どもと若者がエイズ関連で死亡し、同時に1時間に約50人という割合に相当する43万人が新たに感染しました。

今週アムステルダムで開催された国際エイズ会議で発表されたこの報告書は、エイズの流行の負担を負わされ続けているのは若者で、彼らに支援を届けることができないことで、過去20年に世界がエイズの流行に取り組み達成した前進を減速させることになると指摘しています。報告書は、以下の点についても述べています。

300万人いる0歳〜19歳のHIV感染者のうち、青少年(10歳〜19歳)が約3分の2を占める。
2010年以降、おとなも含めたあらゆる年齢別グループでエイズ関連の死亡者数が減少しているのにも関わらず、15歳〜19歳の若者グループだけは死亡者数が減っていない。
2017年にHIVと共に生きる15歳〜19歳の若者の数は約120万人で、その5人に3人は女の子。女の子の間で感染が拡大している理由として、年上の男性を相手に含めた若年齢での性交渉、強制された性交渉、性交渉に関して交渉する力不足、貧困、秘密を厳守するカウンセリングおよび検査が受けられないことが挙げられる。


「私たちは、女の子と女性が性交渉で稼がなくてもいいように、経済的に十分安定させる必要があります。彼女たちが確実に、HIVがどのように伝染し、どのように感染を防げるかに関する正しい情報を得られるようにしなければなりません」とユニセフ親善大使のアンジェリーク・キジョーさんは、報告書に寄せたエッセイの中で語ります。「もちろん、彼女たちが健康に生きるために必要なサービスや医薬品を得られるようにしなければなりません。そして何よりも、女の子たちと女性たちをエンパワーすることに注力しなければなりません。多くの場合、教育がその最適な方法です」

[画像3: https://prtimes.jp/i/5176/1187/resize/d5176-1187-831931-2.jpg ]

ユニセフはエイズの流行を防ぐために、UNAIDSなどのパートナー団体と協力し、いくつかのイニシアティブを開始しています。例えば:


「若者のエイズを撲滅するための『All In』(All In to End Adolescent AIDS “ALL IN”)」は、世界でHIVと共に生きる若者の数が最も多い25カ国の若者を支援することを目標にしています。
「母子感染ゼロ、新規感染ゼロ、エイズ・ゼロ(Start Free, Stay Free, AIDS Free)」は、2020年までに若者と若い女性のエイズ新規感染者の数を10万人未満に削減することを目標とした枠組みです。
「HIV感染予防2020年ロードマップ(The HIV Prevention 2020 Road Map)」は、刑罰法規や適切なサービスの不足などの構造的な障壁に重点を置き、またコミュニティの果たす役割を明確にすることで、HIV感染予防を迅速に実施するための行動計画です。


報告書は、これらのイニシアティブが、それ以前のものも含めて、母子感染の予防に顕著な成果を導いたとしています。2010年〜2017年の間に、0歳〜4歳の新規感染者数は3分の1減少しました。現在HIVと共に生きる妊婦の5人に4人は、彼女たちの健康状態を保ち、また赤ちゃんが感染する危険を軽減するための治療を受けています。

例えば、長い間エイズ危機の中心であったアフリカ南部地域で、ボツワナと南アフリカにおける母子感染率は5%まで下がり、HIVに感染している女性の90%以上が有効なHIV治療を受けています。ジンバブエ、マラウイ、およびザンビアの妊婦の100%近くが、自身のHIV感染の有無を知っています。

エイズの流行により最も影響を受けるのは、感染者の数としても患者の世話を主に担うものとしても女性であり、エイズ撲滅の闘いの中心にこれからも位置づけられるべきなのです」とフォアは言います。「この闘いは、まだまだ続くのですから」

■補足説明:
この報告書はエイズとの闘いにおける女性の貢献に焦点を当てた17本のエッセイを掲載しています。エッセイの著者には、元モザンビークと南アフリカの大統領夫人グラサ・マシェル、ユニセフ親善大使で歌手のアンジェリーク・キジョー、政治・企業・国連のリーダー、そしてHIVと共に生きる若いHIV/エイズ活動家を含みます。

* * *

■本信はユニセフ本部が発信した情報をもとに、日本ユニセフ協会が編集・翻訳したものです。
本信の原文および関連する報告書は、 下のURLでご覧いただけます
https://www.unicef.org/press-releases/every-three-minutes-teenage-girl-infected-hiv-unicef

■ 本信に関連する報告書(英文)は、下記からからダウンロードいただけます。
https://data.unicef.org/wp-content/uploads/2018/07/Women-at-the-heart-of-the-HIV-response-for-children-report.pdf

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■ユニセフについて
ユニセフ(UNICEF:国際連合児童基金)は、すべての子どもの権利と健やかな成長を促進するために活動する国連機関です。現在190の国と地域※で、多くのパートナーと協力し、その理念を様々な形で具体的な行動に移しています。特に、最も困難な立場にある子どもたちへの支援に重点を置きながら、世界中のあらゆる場所で、すべての子どもたちのために活動しています。( www.unicef.org )
※ユニセフ国内委員会(ユニセフ協会)が活動する34の国と地域を含みます
※ユニセフの活動資金は、すべて個人や企業・団体からの募金や各国政府からの任意拠出金で支えられています

■日本ユニセフ協会について
公益財団法人 日本ユニセフ協会は、先進工業国34の国と地域にあるユニセフ国内委員会のひとつで、日本国内において民間として唯一ユニセフを代表する組織として、ユニセフ活動の広報、募金活動、政策提言(アドボカシー)を担っています。( www.unicef.or.jp )
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