「音楽劇 ヴォイツェク」の白井晃がWOWOW主催「勝手に演劇大賞2013」で2冠達成。「自分でも達成感のあった作品を視聴者の皆さんに選んでもらえてうれしい」
[14/02/01]
提供元:PRTIMES
提供元:PRTIMES
チケット入手困難な話題のステージを放送しているWOWOWが、視聴者からの投票で2013年の演劇界で輝いていた人・作品を表彰する「勝手に演劇大賞2013」。今回は、作品賞に「音楽劇 ヴォイツェク」(赤坂ACTシアターほか)、演出家賞に同作の白井晃が選ばれた。2013年は計6本もの舞台に出演・演出し、演劇界を代表する存在となった白井に、受賞の感想を聞いた。
「正直、この賞の存在は知らなかったんですが(笑)、思い入れの深い作品なので、選んでいただいてうれしいです。しかも、WOWOWと言えば年間30本以上のステージを放送していて、本当に演劇が好きな人たちが観るチャンネル。その主催である賞に投票していただいたのは、とても光栄なことです」
「音楽劇 ヴォイツェク」は19世紀のドイツの作家ゲオルク・ビューヒナーが遺した未完の戯曲がベース。それを世界的な音楽家、三宅純による楽曲で構成した点に、白井の才覚が光った。
「兵士のヴォイツェクが愛する妻を殺し破滅に向かっていく複雑な物語ですが、どうしたら現代の日本のお客さんに感銘してもらえるかを考えました。脚本の赤堀雅秋さんが物語に大きな仕掛けを作ってくれましたし、三宅純さんの曲を生バンドで上演できたこともうれしかった。僕は、もともと演劇と音楽の結びつきに興味があって、それをずっと追求してきたんですが、今回は自分でも納得できるものになりました」
現実と幻想の区別がつかなくなるヴォイツェクを山本耕史が、圧倒的な歌唱力で熱演。10年来の付き合いがある山本と白井にとって、ひとつの到達点になった。
「山本くんを中心にした舞台をというところから出発して、結果的に彼の代表作になったと思います。上演中は『いい舞台だなあ。耕史いいね、妻役のマイコちゃんもいいね』と自分で満足しながら見ていたので、実は、評価が全然気にならなかった。『暗い話だ』と言われても『いいでしょ、暗い話で』と答えていたし、『殺人事件なんてどうして興味があるの?』と聞かれても『ほっといて。追い込まれた人間の姿がいいの。』だって、好きなものは好きなんだから(笑)。ヴォイツェクが置かれたような状況で人間の渇望がむきだしになっていく様を、純化された形で表現できたんじゃないでしょうか」
また、2013年は長塚圭史演出の「マクベス」(Bunkamuraシアターコクーン)にも俳優として参加。同作はWOWOWライブで2/15(土)夜8:30に「マクベス 長塚圭史×堤真一」として放送される。
「2013年は、僕も『オセロ』(世田谷パブリックシアターほか)を演出して、シェイクスピアに初めてまともに取り組んだんです。その後、同じシェイクスピアの『マクベス』に出ることになったのには、なにか運命を感じました。長塚圭史くんの独自の解釈が面白いし、舞台の構造も斬新なので、ぜひ放送でじっくり見てみてください」
なお、「勝手に演劇大賞2013」の男優賞には小栗旬が、女優賞には宮沢りえが選ばれた。
受賞コメントや投票コメントはオフィシャルHPで。
http://www.wowow.co.jp/stage/engeki/
<WOWOWライブ 2月のステージラインナップ>
2/1(土)夜9:00
三谷幸喜×劇団東京ヴォードヴィルショー「その場しのぎの男たち」
2/15(土)夜8:30
マクベス 長塚圭史×堤真一
2/22(土)夜8:30
ヴェニスの商人蜷川幸雄×市川猿之助
2/15(土)午後5:30
舞台「今ひとたびの修羅」堤真一×宮沢りえ×いのうえひでのり
その他、最新情報はオフィシャルHPでチェック
http://www.wowow.co.jp/stage/