地方企業の組織開発や組織マネジメント、人材育成に 高度な専門性を持つ「ふるさと副業」人材が活躍
[24/02/01]
提供元:PRTIMES
提供元:PRTIMES
[画像1: https://prtimes.jp/i/11414/2391/resize/d11414-2391-70fbb1ee917b3d5a7a19-1.png ]
株式会社リクルート(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:北村 吉弘、以下リクルート)が提供するサービス『サンカク』では、副業という新しい働き方を推進し、企業の事業成長に必要な人材獲得を支援しています。
働く個人の価値観の多様化や人手不足などの理由で組織開発や組織マネジメントのニーズが高まっている中、『サンカク』においては人事に関する高い専門知識を有する副業人材と企業のマッチングが進んでいます。『サンカク』の事業データから見る人事関連職種のニーズについて、副業人材を採用した企業事例と共にご紹介します。
Executive Summary
■日本の労働市場における重要テーマは「全ての人を生かす」
■副業マッチングサービス「ふるさと副業」においても人事関連職種の案件が増加
■副業人材を受け入れるメリット
――通常採用できない、高い専門性を持つ外部人材の知見を取り入れられる
■人事専門職以外の副業人材も、組織づくり・人材育成に貢献
■地方の中小企業の組織課題解決に「副業人材」が活躍している事例
――中長期の人材採用を見据え、人事制度を構築したい(株式会社 平和電機)
――「相談しやすい人」を置き、社員の成長を促進させたい(有限会社シンプル)
解説者:株式会社リクルート 『サンカク』グループ責任者 古賀 敏幹(こが としき)
[画像2: https://prtimes.jp/i/11414/2391/resize/d11414-2391-5cfd0d07fb0b1b2284ba-2.jpg ]
働く個人の価値観の多様化、人材採用難などを背景に、組織開発や組織マネジメントの必要性が高まっています。しかしながら、中小企業などでは人事専任担当者を置く余裕がなく、社長自ら手がけているケースや総務が兼務しているケースが多数。そこで、組織マネジメントの向上や人事評価制度のアップデートに取り組む即戦力として「副業人材」の協力を得る企業が出てきました。
都市部の企業で新たな人事制度や組織づくり、人材育成の手法を学び、実践している方々が「ふるさと副業」(※)で知見・経験を生かすことで、地方企業が「人的資本経営」「パーパス経営」に取り組むきっかけとなる事例が生まれています。
都市部の企業の手法や成功例を、地方の中小企業の課題やニーズに合わせた形で取り入れることで効果が期待できると考えます。人事・組織づくりの専門ノウハウを必要としている中小企業や地方企業では、積極的に副業人材を迎えることを検討してみてもいいのではないでしょうか。
※ふるさと副業:リクルートが運営する、会社を越えて外部の企業に参画できる『サンカク』のサービスの一つ。もっとスキルを磨きたいと考えている社会人が、副業や兼業、あるいはインターンシップというカタチで、今いる会社以外の場で可能性を広げることができる。
日本の労働市場における重要テーマは「全ての人を生かす」
人的資本経営や人材不足など、日本の労働市場を取り巻くさまざまな課題に対する重要テーマは「全ての人を生かす」ことです。一つの軸だけで「優秀な人とそうでない人」といったように評価するのではなく、多様な軸を持って個々の可能性を見いだしていくことが重要です。
誰にでも、その人ならではの強みや持ち味があります。それらをそのままの状態にしておくのではなく、その人の強みが最も生きるであろう職場と仕事を提供し、成長を促すような働きかけを行うことで、一人ひとりの価値が最大限発揮されて企業成長につながります。
現代のミドルマネジャーの役割は、「管理」から個とチームの「エンパワーメント」へ。ミドルマネジメントの在り方を再定義し、全ての人から強みを引き出して生かすマネジメントが求められています。
「ふるさと副業」においても人事関連職種の案件が増加
「ふるさと副業」においても、人事関連の案件が増加傾向にあります。人事関連案件は、2022年10月時点では副業案件数全体の5.0%でしたが、2023年10月時点では15.0%に伸びており、人事への取り組みの強化、人事スペシャリストへのニーズの高まりが見てとれます。
[画像3: https://prtimes.jp/i/11414/2391/resize/d11414-2391-0423ae1505a77979982c-3.png ]
副業人材を受け入れるメリット――通常採用できない、高い専門性を持つ外部人材の知見を取り入れられる
企業が副業人材を受け入れるメリットとしては下記のポイントが挙げられます。
●正社員としての雇用が難しい、専門性が高い人に参加してもらえる
●必要なタイミング・期間に、専門ノウハウを活用できる
●外部の視点や発想を取り入れることで組織活性化、イノベーション創出につながる
特に地方企業にとっては、専門性の高い人材を地元で採用することが難しくても、リモートワークにより都市部で活躍している人材に働いてもらうことが可能となります。
人事専門職以外の副業人材も、組織づくり・人材育成に貢献
副業者側に目を向けると、副業をする主な理由・目的は、「本業以外の時間を有効活用したい」「経験・スキルを生かして貢献したい」が多くを占めます。
このほか、「本業ではできない経験を副業で積みたい」という方もいらっしゃいます。組織開発や人材育成というテーマに関しては、必ずしも人事専門職だけでなく、チームビルディングやチームマネジメントを手がけてきたさまざまな職種の方の経験が生かされることもあります。
あるIT企業では、エンジニアの成長を促進する仕組みを整備するため、「ふるさと副業」を通じて副業人材を募集。選考の末に選ばれたのは人事スペシャリストではなく、インターネット企業の開発現場でマネジメントを経験した方でした。エンジニア組織が抱える課題を理解しており、「人材育成」への関心・意欲が高い方が選ばれたのです。
別の企業では、人材サービス企業で法人向け採用コンサルティングを行っている方が「企業側の立場で人事の経験を積みたい」と考え、副業で人事業務に就いた事例もあります。
地方の中小企業の組織課題解決に「副業人材」が活躍している事例
人事・組織課題の解決を図るため、副業人材を迎えた2社の事例をご紹介します。
抱えていた課題、副業人材の働き方、副業人材受け入れ効果についてお聞きしました。
【事例-1】中長期の人材採用を見据え、人事制度を構築したい
株式会社 平和電機(愛知県一宮市/事業内容:工業用ヒーターの設計・製造・販売)
代表取締役 大澤 孝佳さん
―― どのような課題があり、副業人材を募集したのでしょうか。
中長期的に若い人材を採用していくために、人事評価制度の整備が必要であると考えました。また、原材料の仕入れ価格が高騰している中、利益を確保するためには原価管理の重要性も高まっていました。
利益を高める仕組みを作り、人事評価制度に基づいて報酬として還元できるようにするためにも、人事制度構築と原価管理体制の強化が急務となっていたのです。それを担える方を正社員として採用することは難しく、コストもかかるため、副業人材を募集しました。
―― どのような副業人材を迎え、どのように協業していますか。
東京在住の人事の専門家を1名、原価管理については東京・愛知在住の方2名をお迎えしました。
当初お伝えしたのは「私の中で整理できていないことを整理していただきたい」ということです。まずはこちらから必要なデータをお渡ししたところ、現状分析の上、まずは3カ月間の目標・計画を作成してくださいました。週1回程度メールでやりとりして課題を出し合い、解決策のご提案をいただきながら運用しています。
人事制度構築をお任せしているのは大手企業で経験を積んでこられた方なのですが、当社の規模や社風にマッチする形で検討いただいています。
―― 副業人材を受け入れてみての変化、効果をお聞かせください。
通常業務以外にも、付加価値を生み出す取り組みをしていかなければならないため、他社さんでの実績を持つ方にアドバイスをいただきながら伴走してもらえるのはいい仕組みだと実感しています。
一つひとつの課題を見ていく中で、新規事業についても検討を始めました。一緒に考えてくれる人がいるのは非常に心強いですね。
【事例-2】「相談しやすい人」を置き、社員の成長を促進させたい
有限会社シンプル(大阪府大阪市西区/事業内容:広告・セールスプロモーションツールの製作)
代表取締役 好多 英次さん
―― どのような課題があり、副業人材を募集したのでしょうか。
数年前、社員が7〜8人規模になった頃にマネジメント体制を整える必要があると感じました。しかし私は社員への接し方に戸惑う部分があり、社員とコミュニケーションを取れるマネジメント人材を探したのです。
そこで知人に入社してもらったのですが、うまくいかず、組織に混乱を招いてしまいました。ちょうど新卒・20代・30代の新人を3人採用し、育てていこうとした矢先のことです。
若い社員の成長を促進したくても、新たな社員採用にトラウマを抱えてしまい、コンサルタントに依頼するにも抵抗感がある。悩んでいたとき、「ふるさと副業」という手段があることを知りました。
―― どのような副業人材を迎え、どのように協業していますか。
10名ほどの候補者と面談し、「私自身が接しやすく、社員が話しやすい」ことを基準に検討した結果、Kさんという方をお迎えしました。九州在住の人材紹介会社にお勤めの方です。最初はWEBのみの面談が中心でしたが、夏前に私が九州に赴き6時間ほどお話ししました。「聞き上手」でありながら、言うべきことははっきり言ってくださる方です。
稼働後は、社員と月1回・1時間〜1時間半、オンラインで個別面談を実施。また、月1回の全体会議では、世の中のトレンドを教えていただくほか、会社として取り組むべきテーマを取り上げてワークをしています。
社員が個別に相談することもあり、その内容は私に共有されることもあれば、Kさんの中でとどめておくことも。月2回しか社員と接していなくても、社員をよく理解してくださっていますね。「評価者」ではない分、客観的に見ていただいており、「もし私が評価するなら……」というアドバイスが非常に参考になります。
―― 副業人材を受け入れてみての変化、効果をお聞かせください。
目標としたのは、「社員が自ら考えて動けるようになること」でした。その点で、社員に成長が見られます。もちろんさまざまな要因があると思いますが、社員が迷ったときに気軽に相談できる存在があることで、アドバイスを得て、そこから自分で考えることが促進されていると思います。
▼リクルートについて
https://www.recruit.co.jp/
▼本件に関するお問い合わせ先
https://www.recruit.co.jp/support/form/