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高橋ひとみ:女優として見出してくれた、寺山修司への思いを語る。




[画像: http://prtimes.jp/i/1355/2967/resize/d1355-2967-937755-1.jpg ]

WOWOWでは、30年も寺山修司作作品のアングラ演劇にこだわり、“暗黒の宝塚”とも呼ばれる小劇団「月蝕歌劇団」に完全密着したオリジナルドキュメンタリー番組「ノンフィクションW 暗黒のアイドル、寺山修司の彼方へ。〜『月蝕歌劇団』30年の挑戦〜」を11月21日午後1時より放送する。

本番組のナレーションを担当するのは、女優の高橋ひとみ。彼女は17歳の時に友人と寺山修司演出の舞台オーディションに合格し、舞台「青ひげ公の城」で女優デビューを果たすなど、晩年の寺山に深く関わってきた人物。「月蝕歌劇団」を主宰する高取英とも旧知の仲であり、番組中でも寺山、高取と3人で撮った懐かしい写真が映し出されている。「『月蝕歌劇団』には、ずいぶん前に一度だけ出させていただいたきりなので、私がナレーションをしていいのかしらと思いましたが。それでもお話をいただいた時は光栄でした」と切り出した高橋は、寺山のアングラ芝居に情熱を傾けるアイドル風の少女たちの姿に「30年前がよみがえったような懐かしい感じがしました」と感慨深い様子を見せる。
1983年にこの世を去った寺山修司。それから三十数年という時を経てなお若者たちが寺山イズムを受け継いでいることについて「若い人は寺山さんの演劇をどう思っているのか知りたいですね。『難しくないですか?』と聞いてみたい」と語る高橋。「私自身、難しいなと思っていて、寺山さんに聞いたことがあったんです。そうしたら、分かろうとするから難しいんだよと言われて。だから感覚で分かればいいのかなとは思っているんですけどね。ただ、毎年のようにあちこちの舞台で、寺山さんの芝居が演じられ続けていることは、すごいことだと思いますね」と付け加える。
「寺山修司の秘蔵っ子」と呼ばれた高橋は、亡くなるまでの数年間を寺山とともに過ごしてきた。「私は(寺山の劇団)天井桟敷に所属していたわけではなかったですし、映画にもちょこっと出ただけでしたから、寺山さんの作品を語るとか、そういう立場ではありません。ただ亡くなるまでのおよそ3年間はずっとそばにいました。私自身は遊んでいるような感じでしたけどね」と振り返る高橋。
寺山が遺(のこ)した言葉で印象に残っているのは「うまくなるな」だったという。「パルコの初舞台の初日の時にスクラップブックを作ってくれたんです。そこには新しい詩と、稽古風景の写真と、コシノジュンコさんがデザインした衣装のコピーがあって。そこには『これから高橋ひとみが女優としてやっていくための五カ条』という言葉が書いてあった」という。なお、「うまくなるな」以外の言葉としては「体を常に鍛えろ」「いいライバルを見つけろ」「本を読むこと」「いいものを見ろ」とあったという。
そんな寺山は「親以上の存在」だったという。「寺山さんは私が21歳の時に亡くなりました。たった3年間なのに、その後の三十年間よりも濃い時間を過ごしました。(同じく寺山に見出された)三上博史君ともよく話すんですけど、寺山さんの歳を(寺山が亡くなった47歳を)超えちゃったねと。あんな大人にはなれないなと思いますね。もし寺山さんが長生きして、私が大人になるまでそばにいてくれたらどうなったかなと思いますけど。女子校育ちで、男の子と付き合ったこともなかった私が、いきなりアングラという世界に入ったんですが、そんな多感な時期に、スポンジのようにいろんなことを吸収しました。今があるのは寺山さんのおかげ。寺山さんが山田太一先生に推薦してくれたことで、(高橋の出世作となったドラマ)『ふぞろいの林檎たち』に出ることになった。結局、寺山さんはドラマを観ることはなかったですが、あんなに見返りのない無償の愛をいただけるなんてないなと思います」と語った。
今、改めて思う寺山作品の魅力とは、「別世界に連れて行ってくれること。それから、これだという答えが無いこと、だから、繰り返し上演され続けているのではないかと思います。受けて自身が、感じたこと、好きか嫌いかでいいのだと思います」

「WOWOWオリジナルドキュメンタリー ノンフィクションW 暗黒のアイドル、寺山修司の彼方へ。〜「月蝕歌劇団」30年の挑戦〜」は、11月21日(土)午後1:00より、また、高橋ひとみが出演する、「ドラマW 山のトムさん」は12月26日(土)夜9:00より、WOWOWプライムにて放送。
WOWOWオリジナルドキュメンタリー
http://www.wowow.co.jp/documentary/original/
ドラマW 山のトムさん
http://www.wowow.co.jp/dramaw/tom/

また、本番組に連動した企画として、高橋ひとみや寺山修司氏の生誕80年記念本のアートディレクションを担当した増田セバスチャン、来月上演される「寺山修司生誕80年 音楽劇 レミング―世界の涯まで連れてって―」に出演する溝端淳平と柄本時生が、“寺山修司作品への思い”を語った独自ウェブコンテンツをアップ。
是非、こちらもご覧ください。
http://st.wowow.co.jp/special/detail/217
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