WOWOW:「ジャポニスム2018」で開催された、野村万作・萬斎・裕基×杉本博司『ディヴァイン・ダンス 三番叟』を放送
[18/12/30]
提供元:PRTIMES
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野村万作、萬斎、裕基が守り続ける伝統…「三番叟」パリ公演が野村家三代にもたらしたもの
[画像: https://prtimes.jp/i/1355/4731/resize/d1355-4731-663920-0.jpg ]
WOWOWでは、2018年9月、狂言の第一線で活躍する野村万作、萬斎、裕基の野村家三代によって演じられ、そして多くの観客を魅了したフランス・パリでの公演「三番叟(さんばそう)」の模様をお届けする。
日仏友好160年にあたる2018年、フランス・パリを中心に開催されている「ジャポニスム2018:響きあう魂」は、日本の古典から現代まで多様な芸術と文化を通じて"世界にまだ知られていない日本文化の魅力"の数々を紹介。その中で今回上演された「三番叟」は、日本の伝統芸能の中でも最も古い形式を持つ「神の舞」といわれているが、野村家の修行の過程でも重要な演目であり、継承の道筋で大変大切にしている演目となっている。その演目の構成・美術を、日本を代表する現代美術作家・杉本博司氏が担当。伝統芸能と現代美術が合わさることによって“拡張した古典”が具現化された舞台となった。今年の11月には、その公演の裏側に迫ったWOWOWオリジナルドキュメンタリー ノンフィクションW「野村家三代 パリに舞う ~万作・萬斎・裕基、未来へ」が放送されたが、その中で、野村家の3人がそれぞれの「三番叟」についての思いを語っている。
番組内のインタビューで萬斎は、「自分が狂言をやろうと思ったきっかけが『三番叟』だった」と明かしている。「父の『三番叟』が本当にカッコ良かった。若い頃はエレキギターを弾いている方がカッコいいと思っていたし、そういうものが世界中の多くの人たちに知ってもらえるものだと思っていた。マイケル・ジャクソンがカッコいいと思っていた。でも父の『三番叟』は本当にカッコ良かった。『三番叟』をやればマイケルのところまでいけるんじゃないかと思った」と振り返る。
万作も「喜びありや わがこの所より 外へはやらじとぞ思ふ」という「三番叟」の一節を挙げながら、「喜びというものを他にはやらないぞと。観客、舞台一面にしあわせをまき散らすわけです。そうやって囃子の演奏を待っている時にいつも“気韻生動”という言葉を思い出すんです。いきいきとエネルギーをぶつけてやろうということが、座っている時に脳裏に走る言葉なんです」とこの演目に向き合う思いを明かす。また、「烏飛び」という「三番叟」の舞の型について、「そこはきっと、萬斎が一番高く飛ぶんじゃないでしょうか。わたしも若い頃は高く飛ぼうと思っていましたが、今は、にじみ出てくる幸福感や喜びを伝えたい」と付け加える。
野村家は江戸時代から約300年続く狂言一家。万作から息子の萬斎へ、さらにその息子の裕基へとその芸は世代を超えて継承されている。萬斎は「伝統は常にアップデートするから伝統なんであって。それがないと止まってしまう」と語ると、「ある種のフォルムというか、美しさ、緩急、そういったものを必死に息子に教えています。やはり芸のDNAを転写するわけですから。そこで上手く転写がおこらないと、非常にストレスになる。そういう意味で父(万作)もそういう思いだったんだろうなと思いますね。息子も型にはまる苦しみもあるでしょうし」と思いを馳せる。
一方の裕基もこの「三番叟」という演目について「やはり祖父も父も得意としていますし。自分もそれに続いていく必要があるんじゃないかと思います。自分がいちばん大事にすべきであろう演目ですし、これからうまくなっていかねばならぬ演目だと思います」と感じているという。
そんな並々ならぬ思いで向き合ったパリ公演であったが、舞台は大盛況。フランスの観客からも「未知の体験をし、わたしは幸福で満たされた」「年を重ねた万作の踊りは優しく力強く。私達に多くのものを与えてくれた。彼の繊細さや息づかいを感じ、とても人間的な存在であるかと思えば、神のように見える瞬間もあった」「世代を超えて伝承したものに それぞれの世代がタッチを加えていることに感動した」など絶賛の声が相次いだ。
公演を終えた萬斎は「裕基のこれからの狂言人生の中で大きな事件だったんじゃないかなと。大人の狂言師になる段階で、これだけの大役を与えていただいた。その中で、責任感、やる気など、いろんな意味で意識して。本当の狂言師になるために、ものすごい勢いで吸収していくと思います。そして僕自身も、まだまだ自分でも伸びている気がしています」とコメント。万作も「裕基の『三番叟』を観て感じたのは、やはり野村家の『三番叟』だなということ。つまり僕の『三番叟』の先生は父親ですが、その父親が伝えたものが間接的に裕基まで伝わっているなと思いますね」。
このように親子三代によって披露された三者三様の「三番叟」。親から子へ、子から孫へと日本の伝統がどのように次世代へと継承されていったのか。この舞台は、そんな野村家の歴史の瞬間を目撃できる注目の公演となっている。
野村万作・萬斎・裕基×杉本博司『ディヴァイン・ダンス 三番叟』〜ジャポニスム2018 in パリ
2019年1月1日(火・祝)午前10:00 [WOWOWプライム]
平成30年度(第73回)文化庁芸術祭 テレビドキュメンタリー部門 優秀賞
WOWOWオリジナルドキュメンタリー
「ノンフィクションW 野村家三代 パリに舞う 〜万作・萬斎・裕基、未来へ」
1月1日(火・祝)午前8:30 [WOWOWプライム]※再放送
[画像: https://prtimes.jp/i/1355/4731/resize/d1355-4731-663920-0.jpg ]
WOWOWでは、2018年9月、狂言の第一線で活躍する野村万作、萬斎、裕基の野村家三代によって演じられ、そして多くの観客を魅了したフランス・パリでの公演「三番叟(さんばそう)」の模様をお届けする。
日仏友好160年にあたる2018年、フランス・パリを中心に開催されている「ジャポニスム2018:響きあう魂」は、日本の古典から現代まで多様な芸術と文化を通じて"世界にまだ知られていない日本文化の魅力"の数々を紹介。その中で今回上演された「三番叟」は、日本の伝統芸能の中でも最も古い形式を持つ「神の舞」といわれているが、野村家の修行の過程でも重要な演目であり、継承の道筋で大変大切にしている演目となっている。その演目の構成・美術を、日本を代表する現代美術作家・杉本博司氏が担当。伝統芸能と現代美術が合わさることによって“拡張した古典”が具現化された舞台となった。今年の11月には、その公演の裏側に迫ったWOWOWオリジナルドキュメンタリー ノンフィクションW「野村家三代 パリに舞う ~万作・萬斎・裕基、未来へ」が放送されたが、その中で、野村家の3人がそれぞれの「三番叟」についての思いを語っている。
番組内のインタビューで萬斎は、「自分が狂言をやろうと思ったきっかけが『三番叟』だった」と明かしている。「父の『三番叟』が本当にカッコ良かった。若い頃はエレキギターを弾いている方がカッコいいと思っていたし、そういうものが世界中の多くの人たちに知ってもらえるものだと思っていた。マイケル・ジャクソンがカッコいいと思っていた。でも父の『三番叟』は本当にカッコ良かった。『三番叟』をやればマイケルのところまでいけるんじゃないかと思った」と振り返る。
万作も「喜びありや わがこの所より 外へはやらじとぞ思ふ」という「三番叟」の一節を挙げながら、「喜びというものを他にはやらないぞと。観客、舞台一面にしあわせをまき散らすわけです。そうやって囃子の演奏を待っている時にいつも“気韻生動”という言葉を思い出すんです。いきいきとエネルギーをぶつけてやろうということが、座っている時に脳裏に走る言葉なんです」とこの演目に向き合う思いを明かす。また、「烏飛び」という「三番叟」の舞の型について、「そこはきっと、萬斎が一番高く飛ぶんじゃないでしょうか。わたしも若い頃は高く飛ぼうと思っていましたが、今は、にじみ出てくる幸福感や喜びを伝えたい」と付け加える。
野村家は江戸時代から約300年続く狂言一家。万作から息子の萬斎へ、さらにその息子の裕基へとその芸は世代を超えて継承されている。萬斎は「伝統は常にアップデートするから伝統なんであって。それがないと止まってしまう」と語ると、「ある種のフォルムというか、美しさ、緩急、そういったものを必死に息子に教えています。やはり芸のDNAを転写するわけですから。そこで上手く転写がおこらないと、非常にストレスになる。そういう意味で父(万作)もそういう思いだったんだろうなと思いますね。息子も型にはまる苦しみもあるでしょうし」と思いを馳せる。
一方の裕基もこの「三番叟」という演目について「やはり祖父も父も得意としていますし。自分もそれに続いていく必要があるんじゃないかと思います。自分がいちばん大事にすべきであろう演目ですし、これからうまくなっていかねばならぬ演目だと思います」と感じているという。
そんな並々ならぬ思いで向き合ったパリ公演であったが、舞台は大盛況。フランスの観客からも「未知の体験をし、わたしは幸福で満たされた」「年を重ねた万作の踊りは優しく力強く。私達に多くのものを与えてくれた。彼の繊細さや息づかいを感じ、とても人間的な存在であるかと思えば、神のように見える瞬間もあった」「世代を超えて伝承したものに それぞれの世代がタッチを加えていることに感動した」など絶賛の声が相次いだ。
公演を終えた萬斎は「裕基のこれからの狂言人生の中で大きな事件だったんじゃないかなと。大人の狂言師になる段階で、これだけの大役を与えていただいた。その中で、責任感、やる気など、いろんな意味で意識して。本当の狂言師になるために、ものすごい勢いで吸収していくと思います。そして僕自身も、まだまだ自分でも伸びている気がしています」とコメント。万作も「裕基の『三番叟』を観て感じたのは、やはり野村家の『三番叟』だなということ。つまり僕の『三番叟』の先生は父親ですが、その父親が伝えたものが間接的に裕基まで伝わっているなと思いますね」。
このように親子三代によって披露された三者三様の「三番叟」。親から子へ、子から孫へと日本の伝統がどのように次世代へと継承されていったのか。この舞台は、そんな野村家の歴史の瞬間を目撃できる注目の公演となっている。
野村万作・萬斎・裕基×杉本博司『ディヴァイン・ダンス 三番叟』〜ジャポニスム2018 in パリ
2019年1月1日(火・祝)午前10:00 [WOWOWプライム]
平成30年度(第73回)文化庁芸術祭 テレビドキュメンタリー部門 優秀賞
WOWOWオリジナルドキュメンタリー
「ノンフィクションW 野村家三代 パリに舞う 〜万作・萬斎・裕基、未来へ」
1月1日(火・祝)午前8:30 [WOWOWプライム]※再放送