自治体で「脳の健康状態を見える化する機器」の実証実験を実施 〜愛媛県松前町のフレイルチェック事業応募者2.7倍増に貢献〜
[23/10/31]
提供元:PRTIMES
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パナソニック ホールディングス株式会社 プロダクト解析センター(以下、プロダクト解析センター)は、一般社団法人ブレインインパクト(京都府京都市、理事長:山川義徳)の監修のもとで開発した脳の健康状態を見える化する「推定BHQ」計測器の実証実験を、松前町(愛媛県松前町、町長:岡本靖)で実施しました。松前町の「フレイルチェック事業」は在住高齢者を対象に心身の生活機能をチェックする取組みで、2023年度新たに追加したフレイルチェック項目「脳の健康測定」に「推定BHQ」計測器が導入されました。その結果、2022年度と比較してフレイルチェック事業応募者数が2.7倍に増加しました。
【導入効果】
■「脳の健康測定」導入後にフレイルチェック事業の応募者が74名から199名に増加
2023年9月26日〜28日実施で松前町在住の65歳以上の高齢者を対象に、フレイルチェック事業が計画されました。松前町ではフレイルチェック事業応募者増加に向けて、町民向け広報(回覧板など)へのチラシ挿入やアクセスしやすい場所に会場を変更した他、2023年度初めて、フレイルチェック項目に「推定BHQ」計測器による「脳の健康測定」を追加しました。その結果、2022年度実績で74名の応募者であったところ、2023年度は199名の応募があり、2022年比2.7倍増となりました(図1)。町民へ配布したチラシイメージを図2に示しています。
[画像1: https://prtimes.jp/i/3442/5423/resize/d3442-5423-481fead3fcc5dc52feee-7.png ]
[画像2: https://prtimes.jp/i/3442/5423/resize/d3442-5423-6a2a60400078fda960f3-8.jpg ]
なお、当日は体調不良等のキャンセルで、199名の応募者の内、170名がフレイルチェックに参加しました。参加者の平均年齢は76歳でした。
【参加者アンケート】
参加者170人のうち166人に回答いただきました。
■参加動機は、「脳の健康測定がしてみたかった」が最多
参加動機を尋ねたところ、「脳の健康測定がしてみたかった」が最多であり、「推定BHQ」計測器の導入が、応募者の増加に寄与したことが示唆されました(図3)。
■脳の機能低下の自覚や脳の健康計測への興味が主な理由
脳の健康測定がしてみたかった理由を尋ねたところ、「もの忘れなど、脳の機能低下が気になっているから」が最多で、回答者の53%が選択し、「脳や体の不調がきっかけではなく脳の健康測定に興味があったから」を50%が選択しました(図4)。このことから、自身の脳の機能低下の懸念や、2022年度までのチェック項目には含まれない脳の健康測定への興味が、脳の健康測定を受けることの動機付けになったと考えられます。
[画像3: https://prtimes.jp/i/3442/5423/resize/d3442-5423-b19b937b67ebd2d3cc89-9.png ]
[画像4: https://prtimes.jp/i/3442/5423/resize/d3442-5423-47e1b79ff5ed26c2db5b-10.png ]
■参加者の9割以上が、脳の健康計測、改善に係る情報提供を重要視
「脳の健康状態が数値で確認できること」、「脳の健康向上に有効な方法を知ること」が、参加者個人にとって重要であるかをアンケートで尋ねたところ、どちらも90%以上が「重要だと思う」と回答しました(図5)。
[画像5: https://prtimes.jp/i/3442/5423/resize/d3442-5423-eba7757120ede9df198f-11.png ]
今回のフレイルチェックでは70代中心に参加しましたが、大半の人が脳の健康の見える化や脳の健康改善を重要視していることがわかりました。
【今後の展開】
プロダクト解析センターは、今後もBHQ推定技術の開発とBHQ改善施策のご提案を通して、人々の脳の健康状態を向上し、ウェルビーイングなくらしの実現に貢献します。
<ご参考>
◇「推定BHQ」計測器の紹介
プロダクト解析センターが開発した顔画像から脳の健康状態を推定する「推定BHQ」計測器は、モニターに映し出された喜怒哀楽の表情を参加者にまねてもらい、その表情・感情の変化からBHQを推定します(図6)。BHQはMRI計測による脳画像データから算出される指標ですが、本機器では、短時間で簡易にBHQの可視化体験を提供します。
[画像6: https://prtimes.jp/i/3442/5423/resize/d3442-5423-e20359af061171134335-12.png ]
◇パナソニック ホールディングス株式会社 プロダクト解析センターについて
(https://holdings.panasonic/jp/corporate/pac.html)
今回開発した顔の表情による「推定BHQ」計測器について、スマホアプリなどでの簡易な計測の実現を行っていくと共に、企業や自治体などを対象に社員や住民の脳の健康管理に用いていただけるよう、商用化を行うことも検討しています。
◇一般社団法人ブレインインパクトについて(https://www.bi-lab.org/)
脳の健康管理指標BHQに関連する各種取り組みについての国際標準化活動を推進すると共に、脳情報のデータベースを公的共用リソースとして提供しています。今回の研究成果を活用し、脳科学研究の振興及び研究成果の社会への還元をより一層進めていく予定です。
◇愛媛県松前町について(https://www.town.masaki.ehime.jp/)
交通の利便性が高く、豊かな水資源とバランスの取れた産業に恵まれ、大型の交流拠点施設が立地するなど、町内で「衣・食・住」が完結できる町、「ライフタウン」として非常に恵まれた町です。より良い町にするため、誇れるライフタウンの実現を目指し、まちづくりに全力で取り組んでいます。