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issue+design、「地域しあわせラボ」ローカル・ハッピネス第5号発表。人はしあわせを求めて移り住むのか?

地域課題をデザインの持つ美と共感の力で解決するissue+designは、株式会社博報堂、慶應義塾大学システムデザイン・マネジメント研究科(前野隆司研究科委員長/教授)らと共同で、地域の幸福度を測定するオリジナル調査「地域しあわせ風土調査」を、全国15,000人を対象に実施いたしました。その調査結果を報告するリサーチレポート「ローカル・ハッピネス」第5号を発行いたしました。

┃人が移住先に求めるものとは┃

第5号のテーマは「人はしあわせを求めて移り住むのか」。現在の日本社会において、地方都市圏から大都市圏への人口流出が進んでいることが、深刻な地域の人口減少につながっています。今号では、著名人が高知や福岡といった地方都市に移住し活躍を続けるケースが多くみられることから、日本人の移住意向について地域別に調査し、移住希望先となる地域に求められることをまとめました。


・男性より女性が、年配より若い人が、地方より都心の人が「移住したい」。
・移住ポテンシャルランキング第二位に、しあわせ風土ランキング第一位の「沖縄」がランクイン。
・「経済面の充実」と「地域住民のしあわせ風スコア」が高いほど、移住ポテンシャルが高いことが明らかに。

今回の調査結果を踏まえ、人口減少を抑制し大都市圏への人口流出を防ぐために、いま地域が早急にやらなければならないことがいくつか見えてきました。一つは、地域環境・インフラを確実に充実させることです。今回の調査では、 男女とも、全年代を通して「公共交通インフラ」「飲食・買い物店舗」「地価・家賃」が、移住先に求める条件として上位にあがりました。住む、移動する、食べる、買う。こうした生活の基本条件を整えることが、移住先として選ばれ、地域住民がしあわせに暮らすために重要です。その上で、もう一つは、地域の魅力をしっかりと発信していくことです。移住集客力としあわせ風スコアの相関が見られましたが、しあわせ風スコアが高いものの、移住集客力が低い地域(九州勢や石川・岩手・山梨など)は、地域住民のしあわせ度が高い要因となっているそれぞれの魅力をしっかりと伝えていくことで、移住希望者が増える可能性が高いです。

『地域しあわせラボ』では、今後人口減少が急激に進む日本、地域における住民のしあわせの本質と構造を調査・研究し、今回の「地域しあわせ風土調査」をベースに、全国の自治体向けに、住民の幸福度を最大化しするために必要なまちづくりや地域ビジョン・総合計画づくりを支援する調査・研究・コンサルティングサービスを提供してまいります。


|地域しあわせ風土調査」調査概要|

調査地域:全国47都道府県
調査時期:2014年2月28日〜3月10日
調査方法:インターネット調査
調査対象者:20歳から64歳までの男女、現在の地域に3年以上お住まいの社会人
サンプル数:15,000*各都道府県300サンプル(北海道のみ道東・道央・道南・道北各300)、
男女各150名、20-34歳・35-49歳・50-64歳各100名


┃お問い合わせ┃
issue+design「地域しあわせラボ」運営事務局 担当:筧、白木、岡本、川合、小菅
TEL:03-6441-7752E-Mail:info@issueplusdesign.jp HP:http://issueplusdesign.jp
【参考資料1】
4人に1人が「移住したい」。男性よりも女性が、中高年よりも若者が、地方よりも都心の人が、移住の意向が高い。

人は現在暮らしている地域から離れたいという気持ちがどの程度あるのでしょうか?調査対象者全体では25.9% と4 人に1人移住の意向があるようです。7.2%の方が1−2年以内とかなり近い将来に移住する気持ちを持っています。

男性よりも女性が、中高年よりも若者の移住意向が高い傾向です。地域別にみると東京圏(東京・神奈川・千葉・埼玉)住民の約3 割を占めるなど、都心暮らしの人がやや移住意向が強い傾向が見られます。
【参考資料2】
移住したい人の4分の1が、東京圏への移住を希望。「若い女性が職を求めて東京へ集まる」現況を示す結果に。

人はどこへ移り住みたいのでしょうか?調査対象者全体では、4分の1は東京圏(東京・神奈川・埼玉・千葉)への移住を希望しています。東京圏への移住意向は男性より女性が、中高年(35-64 歳)より若者(20-34 歳)が高い傾向です。若い女性が職を求めて東京に集まる現在の状況があらわれています。

また、14.3% で関西圏が続きます。こちらは男女差はみられません。特筆すべきは3番目に沖縄が登場することです。やはり南国・沖縄への憧れは大きいようです。若者より中高年の数値が高い事も特徴的です。
【参考資料3】
「現在暮らしている住民がしあわせであること」が、移住集客のカギに。

都道府県別のしあわせ風土・風スコアと移住集客力の関係性をあらわした散布図が以下のとおりです。左下から右上への相関関係がみられます。風スコア、すなわち現在暮らしている住民がしあわせである地域ほど、他の地域からの移住者を集められる力が強い、ということになります。

左上の風スコアが低いものの集客力が高いエリアには、神奈川・千葉・埼玉・大阪・愛知と大都市圏の自治体が並びます。幸福度以上に雇用などの経済面が集客力に寄与していると思われます。右下のしあわせ風土・風スコアが高いものの、移住集客力が低いゾーンに位置する都道府県(鹿児島、熊本、宮崎、長崎、大分と九州勢+石川・岩手・山梨)は地域の魅力を情報発信することで集客力を高められる可能性があります。
【参考資料4】
移住希望者は「安心・安全に暮らせ、受け入れられる地域」を求めている。

人はどんな地域に移住することを希望するのでしょうか?しあわせ風土スコアを算出する際に用いる10 の項目ごとに、移住希望地に求める割合をあらわしたものが以下のグラフです。最も多くの人が求める条件が「身の危険を感じず、安全に暮らせる地域性、風土」、「食べ物や住まいには困らない地域性、風土」、「よそもの、若者、マイノリティなど多様な人を受け入れる地域性、風土」と続きます。安全・安心に暮らせ、受け入れられる地域を求めているようです。
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