【矢野経済研究所プレスリリース】非住宅木造市場に関する調査を実施(2020年)〜2019年度の国内非住宅木造市場規模は前年度比10.5%増の7,129億円、2017年度に次いで2番目に大きい市場規模〜
[21/03/15]
提供元:DreamNews
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株式会社矢野経済研究所(代表取締役社長:水越孝)は、国内非住宅木造市場を調査し、市場規模、セグメント別動向、将来展望を明らかにいたしました。
1.市場概況
2019年度の国内非住宅木造市場規模(新築+増改築)は、床面積ベースで4,284千平方メートル(前年度比103.0%)、工事費予定額ベースで7,129億円(同110.5%)となった。
床面積ベースで微増となった理由は、一件当たりの床面積の拡大が挙げられる。建築用途をみると、老人福祉施設、幼児施設(幼稚園/保育園)、事務所、店舗などが多いほか、倉庫、商業施設、ホテルなどの建築用途にも拡がりをみせている。木材関連企業の社屋建替えやオフィスビルの木造化など、これまでRC造(鉄筋コンクリート造)で建築されていた建物の木造化が進んでいる。非住宅木造の大規模建築物(3,000平方メートル以上)の棟数増加も市場拡大に寄与したものと考える。
工事費予定額ベースでは2010年度以降、2017年度に次いで2番目に大きい市場規模となった。この背景には耐火木質部材を活用した大型物件の増加や労務費の高騰による工事単価の上昇があるものとみる。新型コロナウイルス感染拡大の影響は、2019年度末(2020年2月以降)に計画していた一部案件に計画の中断・見送りや着工の延期などはあったが、市場全体への影響は軽微であったと考える。
2.注目トピック〜「脱炭素社会」の実現に向けて木造の機運が高まる
木材利用は国連の持続可能な開発目標(SDGs; Sustainable Development Goals)の達成などに貢献するとの観点から、木材・建築業界にとどまらず、業界の垣根を超えて木材利用の連携が広く進められるなど、SDGsが木材需要の拡大の契機となっている。
実際に産・学・金連携のプラットフォーム「ウッドソリューション・ネットワーク」、全国の44経済同友会、42都道府県知事、CLT(Cross Laminated Timber)材で地方創生を実現する首長連合に参加する48市町村長で構成される「木材利用推進全国会議」、森林・林業・木材・建設業界の企業・団体で設立された「森林を活かす都市の木造化推進協議会」、日本建設業連合会建築本部での木造・木質化ワーキングチームの設置や、林野庁による「木材活用大型建築等に係るロードマップ」のとりまとめなど、木材にかかわる取組みが活発化している。
森林を活かす都市の木造化推進協議会では、公共建築物等木材利用促進法の対象を民間の建築物にも広げるべきとの方針が示された。2021年に民間建築物の木造推進に向けて議員立法による法改正が予想されるなど、非住宅木造市場拡大に向けた動きが注目される。
3.将来展望
2020年度の国内非住宅木造市場規模(新築+増改築)は、床面積ベースで3,970千平方メートル(前年度比92.7%)、工事費予定額ベースで6,340億円(同88.9%)の見込みである。
2020年度は新型コロナウイルス感染拡大による緊急事態宣言の発令によって、営業活動が制限されたことで工期の短い小規模建築物の着工に影響があったことや、コロナ禍によって飲食系店舗での計画中止や延期などがあった。また、経済状況の先行き不透明感等を背景に、製造業においては設備投資を抑制する動きもあり、木造を含む工場全般の着工にも影響があったとみられる。
大規模建築物(3,000平方メートル以上)の着工動向は非住宅木造市場全体に大きく影響する。2021年度は2020年度に新型コロナウイルス感染拡大の影響によって着工計画が先送りとなった大型物件などの需要のずれ込みによって一時的に数%程度の増加が期待される。
2021年度以降の市場規模は、これまでと同水準で推移し、2023年度は床面積ベースで4,250千平方メートル(2019年度比99.2%)、工事費予定額ベースで6,993億円(同98.1%)を予測する。
※掲載されている情報は、発表日現在の情報です。その後予告なしに変更されることがございますので、あらかじめご了承ください。
https://www.yano.co.jp/press-release/show/press_id/2669
調査要綱
1.調査期間: 2020年11月〜2021年1月
2.調査対象: 非住宅分野の木造構造建築物に取り組む事業者(建設事業者、 集成材メーカー、建材メーカー、構造材(プレカット)メーカー等)
3.調査方法: 当社専門研究員による直接面談、電話・email等によるヒアリングおよび 各種文献、公開情報等の収集・分析等※独立行政法人統計センターによる国土交通省「建築着工統計」のオーダーメード集計データを基に矢野経済研究所推計。なお、2010〜2019年度の実績データは統計法に基づいて、独立行政法人統計センターから「建築着工統計」(国土交通省)のオーダーメード集計により提供を受けた統計成果物を基にしており、国土交通省が作成・公表している統計等とは異なる。
4.発刊日:2021年02月26日
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株式会社矢野経済研究所 マーケティング本部 広報チーム
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1.市場概況
2019年度の国内非住宅木造市場規模(新築+増改築)は、床面積ベースで4,284千平方メートル(前年度比103.0%)、工事費予定額ベースで7,129億円(同110.5%)となった。
床面積ベースで微増となった理由は、一件当たりの床面積の拡大が挙げられる。建築用途をみると、老人福祉施設、幼児施設(幼稚園/保育園)、事務所、店舗などが多いほか、倉庫、商業施設、ホテルなどの建築用途にも拡がりをみせている。木材関連企業の社屋建替えやオフィスビルの木造化など、これまでRC造(鉄筋コンクリート造)で建築されていた建物の木造化が進んでいる。非住宅木造の大規模建築物(3,000平方メートル以上)の棟数増加も市場拡大に寄与したものと考える。
工事費予定額ベースでは2010年度以降、2017年度に次いで2番目に大きい市場規模となった。この背景には耐火木質部材を活用した大型物件の増加や労務費の高騰による工事単価の上昇があるものとみる。新型コロナウイルス感染拡大の影響は、2019年度末(2020年2月以降)に計画していた一部案件に計画の中断・見送りや着工の延期などはあったが、市場全体への影響は軽微であったと考える。
2.注目トピック〜「脱炭素社会」の実現に向けて木造の機運が高まる
木材利用は国連の持続可能な開発目標(SDGs; Sustainable Development Goals)の達成などに貢献するとの観点から、木材・建築業界にとどまらず、業界の垣根を超えて木材利用の連携が広く進められるなど、SDGsが木材需要の拡大の契機となっている。
実際に産・学・金連携のプラットフォーム「ウッドソリューション・ネットワーク」、全国の44経済同友会、42都道府県知事、CLT(Cross Laminated Timber)材で地方創生を実現する首長連合に参加する48市町村長で構成される「木材利用推進全国会議」、森林・林業・木材・建設業界の企業・団体で設立された「森林を活かす都市の木造化推進協議会」、日本建設業連合会建築本部での木造・木質化ワーキングチームの設置や、林野庁による「木材活用大型建築等に係るロードマップ」のとりまとめなど、木材にかかわる取組みが活発化している。
森林を活かす都市の木造化推進協議会では、公共建築物等木材利用促進法の対象を民間の建築物にも広げるべきとの方針が示された。2021年に民間建築物の木造推進に向けて議員立法による法改正が予想されるなど、非住宅木造市場拡大に向けた動きが注目される。
3.将来展望
2020年度の国内非住宅木造市場規模(新築+増改築)は、床面積ベースで3,970千平方メートル(前年度比92.7%)、工事費予定額ベースで6,340億円(同88.9%)の見込みである。
2020年度は新型コロナウイルス感染拡大による緊急事態宣言の発令によって、営業活動が制限されたことで工期の短い小規模建築物の着工に影響があったことや、コロナ禍によって飲食系店舗での計画中止や延期などがあった。また、経済状況の先行き不透明感等を背景に、製造業においては設備投資を抑制する動きもあり、木造を含む工場全般の着工にも影響があったとみられる。
大規模建築物(3,000平方メートル以上)の着工動向は非住宅木造市場全体に大きく影響する。2021年度は2020年度に新型コロナウイルス感染拡大の影響によって着工計画が先送りとなった大型物件などの需要のずれ込みによって一時的に数%程度の増加が期待される。
2021年度以降の市場規模は、これまでと同水準で推移し、2023年度は床面積ベースで4,250千平方メートル(2019年度比99.2%)、工事費予定額ベースで6,993億円(同98.1%)を予測する。
※掲載されている情報は、発表日現在の情報です。その後予告なしに変更されることがございますので、あらかじめご了承ください。
https://www.yano.co.jp/press-release/show/press_id/2669
調査要綱
1.調査期間: 2020年11月〜2021年1月
2.調査対象: 非住宅分野の木造構造建築物に取り組む事業者(建設事業者、 集成材メーカー、建材メーカー、構造材(プレカット)メーカー等)
3.調査方法: 当社専門研究員による直接面談、電話・email等によるヒアリングおよび 各種文献、公開情報等の収集・分析等※独立行政法人統計センターによる国土交通省「建築着工統計」のオーダーメード集計データを基に矢野経済研究所推計。なお、2010〜2019年度の実績データは統計法に基づいて、独立行政法人統計センターから「建築着工統計」(国土交通省)のオーダーメード集計により提供を受けた統計成果物を基にしており、国土交通省が作成・公表している統計等とは異なる。
4.発刊日:2021年02月26日
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