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【矢野経済研究所プレスリリース】ワーケーション市場に関する調査を実施(2020年)〜2020年度の国内ワーケーション市場規模を699億円と予測〜

株式会社矢野経済研究所(代表取締役社長:水越孝)は、国内のワーケーション市場を調査し、市場を形成するステークホルダー(地方自治体・各種団体・参入企業等)の取組み状況や今後の意向などを明らかにいたしました。ここでは、ワーケーション市場規模予測について、公表いたします。

1.市場概況

ワーケーション(workation)とは、仕事(work)と休暇(vacation)を組み合わせた造語である。ワーケーション市場は、これまでテレワークに場所の裁量が認められる人や、いわゆるノマドワーカー(オフィスではなく喫茶店やコワーキングスペースなどさまざまな場所で働く人)と呼ばれる人たちで形成されていたごく一部の市場であった。しかし2020年のコロナ禍を契機に、一気に多くの企業でテレワークが普及し、ニーズが拡大した市場といえる。2020年度の国内ワーケーション市場規模を699億円と予測する。

ワーケーションを受け入れる地方自治体・団体やワーケーション関連サービスを提供する事業者、ワーケーションを実施する企業は急速に増えており、さまざまな取組みが窺える。それに伴い、サービスを享受する働き手も拡大している。しかしながら、雇用者である企業の制度が対応できておらず、市場基盤が整っていない状況であることは否めない。

2.注目トピック〜多種多様な業界から注目されるワーケーション市場

近年、ワーケーションが国内各地で様々な関心を集めている。というのも、原義は「職場から離れた休暇を過ごす環境でテレワークを行う」であったにもかかわらず、有給休暇取得や地方創生を促進するといった、日本の社会課題を解決するツールとして独自の発展をしているからである。よってワーケーション市場は、多種多様な業界から事業拡大のチャンスを窺われている注目のマーケットであるといえる。

ワーケーション市場は、これまでテレワークに場所の裁量が認められる人や、いわゆるノマドワーカーと呼ばれる人たちで形成されていたごく一部の市場であった。しかし2020年のコロナ禍を契機に、一気にテレワークが普及し、ニーズが拡大した市場といえる。今後もテレワークの拡大は、ダイバーシティや働き方改革の一環として進む見込みであり、より柔軟な働き方としてテレワークに場所の制限を設けない可能性は大いにある。

さらに国は、ワーケーションがもつ都市部から地方へ人の流れを創出するポテンシャルを評価する。2020年のコロナ禍を契機に、分散化への期待が高まり、国はワーケーションの普及に意欲を示し、予算を拡充している。

3.将来展望

現状、ワーケーション市場を牽引しているのは、自主的に実践している働き手「個人」である。この状況は大変危うい。というのも、彼らの多くは暗黙の了解のうちに実践していると推察されるからである。テレワークが一挙に拡大した2020年、多くの企業では新型コロナウイルス感染症の蔓延を防止するため、在宅勤務に限ってテレワークを導入している。以前よりテレワークが可能でかつ場所の制限がなかった企業でさえも、このコロナ禍を受けて在宅に制限する場合が目立つ。それにもかかわらず、多くの働き手がワーケーションを実践していることが窺われる。ワーケーション市場が拡大していくためには、まずワーケーション制度の整備が不可欠である。

コロナ禍を契機にテレワークを採用した多くの企業では、コロナ禍が収束した後も、在宅勤務とオフィス勤務のハイブリッド型の働き方を続けていくと推測する。そして在宅勤務かオフィス勤務かを続けているうちに、自ずと「オフィスで働くことを選んでいる」フェーズに、つまり、働く場所を選ぶ自由に至る。このフェーズにおいて、企業がオフィスか自宅かの二択ではなく、第三、第四の選択肢を認めるかどうかが、ワーケーション市場にとっての岐路となる。ある程度まで企業理解が進むことを前提とすると、2020年度から2025年度までの年平均成長率は約40%で推移し、2025年度の国内ワーケーション市場規模は3,622億円になると予測する。

※掲載されている情報は、発表日現在の情報です。その後予告なしに変更されることがございますので、あらかじめご了承ください。
https://www.yano.co.jp/press-release/show/press_id/2677

調査要綱
1.調査期間: 2020年10月〜2021年2月
2.調査対象: ワーケーションを推進する地方自治体、ワーケーション関連サービス参入企業、ワーケーションを実施する企業
3.調査方法: 当社専門研究員による直接面談、法人アンケート調査、ならびに文献調査併用
4.発刊日:2021年02月26日

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株式会社矢野経済研究所 マーケティング本部 広報チーム
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