【矢野経済研究所プレスリリース】ゴルフ用品市場に関する調査を実施(2024年)〜2023年の国内ゴルフ用品市場はコロナ禍前の2019年の市場規模との比較では2019年比116.4%と未だ高水準を維持〜
[24/09/27]
提供元:DreamNews
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株式会社矢野経済研究所(代表取締役:水越孝)は、国内のゴルフ用品市場を調査し、製品セグメント別の動向、参入企業動向、将来展望を明らかにした。
1.市場概況
2023年の国内ゴルフ用品市場規模(メーカー売上高ベース)は、前年を僅かながら下回る前年比99.8%の3,087億2,000万円での着地となった。
2020年のゴルフ用品市場は、新型コロナウイルス感染拡大の影響で2,314億2,000万円(前年比87.2%)と大きく減少したものの、その後コロナ禍で屋外型アクティビティとしてゴルフに注目が集まったことで、市場は2021年2,760億円(同119.3%)、2022年は3,092億円(同112.0%)と3千億円を越えるまでに成長を遂げた。
2023年のゴルフ用品市場は前年比99.8%と減少に転じたものの、2019年の同市場規模2,653億3,000万円と比較すると、2019年比116.4%と金額規模においては未だ高水準を維持し、商品カテゴリー別に見ても二桁台のプラスを維持するカテゴリーが多い。2023年のゴルフ用品市場は、「コロナバブル」のピークを越えてマイナスに転じ始めた “起点の年” ながら、その “余韻” は様々な形でまだ影響を市場に与え続けていると表現することが出来る。
【画像 https://www.dreamnews.jp/?action_Image=1&p=0000305660&id=bodyimage1】
2.注目トピック〜「コロナバブル」のピークを越えて変化するゴルフ用品メーカー売上高予測〜
本調査におけるメーカー売上高ベースのゴルフ用品市場規模はゴルフ用品メーカー各社からの売上高調査の積算値を最大の根拠として算出している。別表の通り、2024年市場規模予測値は殆どのカテゴリーにおいて「数量減、金額プラスないし横ばい」の予測値となっているが、それはメーカー各社が2024年の売上高を「数量減、金額プラスないし横ばい」にて計画している、ということである。
つまり「数量は前年比マイナスであっても単価上昇を実現することで金額は維持しよう」という販売計画を策定しているということに他ならない。コロナ禍以前(2019年以前)の各社提出予測値は「数量、金額共に前年比二桁レベルのプラスを計画している」というところが多かった。そうしたプラス成長の根拠を尋ねても「市場環境はさておき、当社の予算がそのように策定されているのでそれに基づき回答した」といった回答や、「今回提出した数字が当社の “やらねばならぬ” 数字なので、何とか頑張ってその数字の達成を目指したい」というある種の根性論、中には「回答した数字の達成可能性は低いが、当社予算以下の数字を提出すると上司から怒られるので予算通りの数字を提出せざるを得ない」といったような回答も少なくなかったのが実情である。
そうした時代には「予測値をマイナスで回答する」などということは考えられなかったが、これもコロナ禍による市場環境の変化の影響と言えるだろう。
コロナ禍以降、ゴルフ用品小売企業を含めた産業従事者から聞かれるのは、ゴルフクラブ市場における「吊るしクラブの過度な依存からの脱却」を模索する声である。「吊るしクラブ」とは所謂完成品クラブのことであり、ゴルフクラブ市場では長らく「先の需要を見越してゴルフクラブを生産、それを取引先である小売店に納品する」ビジネスモデルが標準的であった。
しかしながら、ゴルフクラブ生産リードタイムが過去と比較して改善されていないこと、小売市場におけるフィッティング販売が標準化しつつあること、それに伴い所謂「カスタムスペック」「特注品」と言われるゴルフクラブの販売構成比が上昇していること、それらによりクラブヘッドやシャフト、更にはクラブ用グリップの商品点数が過去と比べて増加していることもあって、これまでの「吊るしクラブ」を中心としたビジネスモデルの限界が露呈し始めているのである。
3.将来展望
2024年の国内ゴルフ用品市場規模(メーカー売上高ベース)を前年比100.8%の3,112億5,000万円と予測する。商品カテゴリー別にみると、「数量減、金額プラスないし横ばい」のカテゴリーが多い。ゴルフ用品も円安による原材料高騰の影響を受けており、また過去の製品よりも優れた機能を有する新製品を開発するためのコストも上昇している。そうした諸々の事情を勘案すると、商品単価上昇(値上げ)による市場規模の高止まりは違和感のない予測と言える。
「コロナバブル」とその後に発生した反動減(余剰在庫の増加)を経験したゴルフ用品業界従事者が、余剰在庫を発生させない需給バランスの取れたビジネスモデルを模索した上での予測値であると考える。
※掲載されている情報は、発表日現在の情報です。その後予告なしに変更されることがございますので、あらかじめご了承ください。
https://www.yano.co.jp/press-release/show/press_id/3624
調査要綱
1.調査期間: 2024年5月〜8月
2.調査対象: ゴルフ関連企業(ゴルフ用品メーカー、卸売業者、小売企業、ゴルフ場、ゴルフ練習場、ゴルフスクール、ゴルフ関連団体)
3.調査方法: 当社専門研究員による直接面談(オンライン含む)、ゴルフ用品の売上高・出荷量調査
4.発刊日: 2024年08月28日
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株式会社矢野経済研究所 マーケティング本部 広報チーム
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1.市場概況
2023年の国内ゴルフ用品市場規模(メーカー売上高ベース)は、前年を僅かながら下回る前年比99.8%の3,087億2,000万円での着地となった。
2020年のゴルフ用品市場は、新型コロナウイルス感染拡大の影響で2,314億2,000万円(前年比87.2%)と大きく減少したものの、その後コロナ禍で屋外型アクティビティとしてゴルフに注目が集まったことで、市場は2021年2,760億円(同119.3%)、2022年は3,092億円(同112.0%)と3千億円を越えるまでに成長を遂げた。
2023年のゴルフ用品市場は前年比99.8%と減少に転じたものの、2019年の同市場規模2,653億3,000万円と比較すると、2019年比116.4%と金額規模においては未だ高水準を維持し、商品カテゴリー別に見ても二桁台のプラスを維持するカテゴリーが多い。2023年のゴルフ用品市場は、「コロナバブル」のピークを越えてマイナスに転じ始めた “起点の年” ながら、その “余韻” は様々な形でまだ影響を市場に与え続けていると表現することが出来る。
【画像 https://www.dreamnews.jp/?action_Image=1&p=0000305660&id=bodyimage1】
2.注目トピック〜「コロナバブル」のピークを越えて変化するゴルフ用品メーカー売上高予測〜
本調査におけるメーカー売上高ベースのゴルフ用品市場規模はゴルフ用品メーカー各社からの売上高調査の積算値を最大の根拠として算出している。別表の通り、2024年市場規模予測値は殆どのカテゴリーにおいて「数量減、金額プラスないし横ばい」の予測値となっているが、それはメーカー各社が2024年の売上高を「数量減、金額プラスないし横ばい」にて計画している、ということである。
つまり「数量は前年比マイナスであっても単価上昇を実現することで金額は維持しよう」という販売計画を策定しているということに他ならない。コロナ禍以前(2019年以前)の各社提出予測値は「数量、金額共に前年比二桁レベルのプラスを計画している」というところが多かった。そうしたプラス成長の根拠を尋ねても「市場環境はさておき、当社の予算がそのように策定されているのでそれに基づき回答した」といった回答や、「今回提出した数字が当社の “やらねばならぬ” 数字なので、何とか頑張ってその数字の達成を目指したい」というある種の根性論、中には「回答した数字の達成可能性は低いが、当社予算以下の数字を提出すると上司から怒られるので予算通りの数字を提出せざるを得ない」といったような回答も少なくなかったのが実情である。
そうした時代には「予測値をマイナスで回答する」などということは考えられなかったが、これもコロナ禍による市場環境の変化の影響と言えるだろう。
コロナ禍以降、ゴルフ用品小売企業を含めた産業従事者から聞かれるのは、ゴルフクラブ市場における「吊るしクラブの過度な依存からの脱却」を模索する声である。「吊るしクラブ」とは所謂完成品クラブのことであり、ゴルフクラブ市場では長らく「先の需要を見越してゴルフクラブを生産、それを取引先である小売店に納品する」ビジネスモデルが標準的であった。
しかしながら、ゴルフクラブ生産リードタイムが過去と比較して改善されていないこと、小売市場におけるフィッティング販売が標準化しつつあること、それに伴い所謂「カスタムスペック」「特注品」と言われるゴルフクラブの販売構成比が上昇していること、それらによりクラブヘッドやシャフト、更にはクラブ用グリップの商品点数が過去と比べて増加していることもあって、これまでの「吊るしクラブ」を中心としたビジネスモデルの限界が露呈し始めているのである。
3.将来展望
2024年の国内ゴルフ用品市場規模(メーカー売上高ベース)を前年比100.8%の3,112億5,000万円と予測する。商品カテゴリー別にみると、「数量減、金額プラスないし横ばい」のカテゴリーが多い。ゴルフ用品も円安による原材料高騰の影響を受けており、また過去の製品よりも優れた機能を有する新製品を開発するためのコストも上昇している。そうした諸々の事情を勘案すると、商品単価上昇(値上げ)による市場規模の高止まりは違和感のない予測と言える。
「コロナバブル」とその後に発生した反動減(余剰在庫の増加)を経験したゴルフ用品業界従事者が、余剰在庫を発生させない需給バランスの取れたビジネスモデルを模索した上での予測値であると考える。
※掲載されている情報は、発表日現在の情報です。その後予告なしに変更されることがございますので、あらかじめご了承ください。
https://www.yano.co.jp/press-release/show/press_id/3624
調査要綱
1.調査期間: 2024年5月〜8月
2.調査対象: ゴルフ関連企業(ゴルフ用品メーカー、卸売業者、小売企業、ゴルフ場、ゴルフ練習場、ゴルフスクール、ゴルフ関連団体)
3.調査方法: 当社専門研究員による直接面談(オンライン含む)、ゴルフ用品の売上高・出荷量調査
4.発刊日: 2024年08月28日
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株式会社矢野経済研究所 マーケティング本部 広報チーム
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