【大分高専】大分高専生の特別研究が『Electronics』誌に掲載〜コンパクトかつ、より高電圧発生が可能なパルスパワー電源を実現〜
大分工業高等専門学校(大分県大分市 校長:山口 利幸 以下「大分高専」)電気電子情報工学専攻1年の財前昌平君(電気電子工学科 上野崇寿研究室在籍)が、特別研究において上野崇寿准教授の指導の下、新たな発想に基づくパルスパワー電源を開発しました。本研究成果は、学術雑誌Electronics(出版社MDPI、ジャーナルインパクトファクター 3.576、 サイトスコアー5.0)に掲載され、本装置によって新たなパルスパワー分野の構築が期待されます。
[資料: https://files.value-press.com/czMjYXJ0aWNsZSM4MDM5NCMzMjgzNzUjODAzOTRfa2FkRlpQU3lRdC5qcGc.jpg ]
◆研究成果の要点
・半導体スイッチを直列接続し、20kVを出力できる小型のパルスパワー電源を開発した。
・電源装置を複数個用いることで、マイクロ秒オーダでのパルス幅制御を実現した。
◆研究内容
この研究では、半導体を直列に接続しスナバ回路と電圧分圧抵抗を使用して高電圧スイッチングを実現しました。パルストランスフォーマーと充電回路を組み合わせ、10 kVの出力電圧で安定的に動作できるようにしました。動作周波数増加に伴う半導体の温度上昇は充電回路とコンデンサ容量により解決し、高周波数での動作が可能です。さらに、半導体の直列段数に増やすことで、20 kVの出力電圧を達成。2つの半導体回路を組み合わせ、パルス幅が5 μsから30 μsまで任意に変更可能なパルス電源を実現しました。
The Development of a Compact Pulsed Power Supply with Semiconductor Series Connection
半導体直列接続を用いたコンパクトパルスパワー電源の開発
Zaizen, S.; Asami, K.; Furukawa, T.; Hatta, T.; Nakamura, T.; Sakugawa, T.; Ueno, T.
Electronics, MDPI 2023, 12(21), 4541
以下のURLより閲覧できます。
https://doi.org/10.3390/electronics12214541
[資料: https://files.value-press.com/czMjYXJ0aWNsZSM4MDM5NCMzMjgzNzUjODAzOTRfSENkdU1Qc093QS5qcGc.jpg ]
◆学生のコメント
これまでの努力が国際ジャーナルの論文掲載という形で実を結ぶことができ大変うれしい限りです。これまで幾度も実験においても論文の作成においても試行錯誤を繰り返し、実験が上手くいかないことも文章がまとまらないこともたくさんありました。途中挫けかけることも何度かありましたが、そのたびに先生や先輩が助けてくださり何とかここまでたどり着くことができました。特に上野崇寿先生には感謝してもしきれないほど何度も助けてくださいました。無事にアクセプトされたときは大変うれしく、自分の研究が世界的に認められたというこれまでにない大きな達成感が得られました。
私は今年から始動した九州大学工学部・九州沖縄9高専連携教育プログラムの第一期生です。来年は九州大学の研究室にてパワー半導体デバイスの研究に取り組みます。今年培った研究の知識やノウハウを存分に活かし、来年の研究では今回の業績に負けないくらい大きな成果を出していけるように励みたいです。
◆指導教員のコメント
5年生から研究を始めて、短い期間にも関わらず、多くの研究実績を積み上げ、その成果を発表するに至ったことは大変素晴らしいと感じています。九州大学工学部・九州沖縄9高専連携教育プログラムの学生でもあるので、来年から九州大学での研究を進めるとのこと、これからも更なる飛躍を期待しています。
新しい環境での研究活動は、ますます大きな可能性を秘めていると思います。是非とも、そこでの活動も精力的に進め、学問の発展に貢献して貰えればと願っています。
◆用語解説
パルスパワー:通常、パルスパワーは非常に急激なエネルギー放射や生成に使用されます。パルスパワーシステムは、プラズマやビーム生成といった特定のアプリケーションや実験で使用され、高エネルギーを瞬間的に生成する際に重要な役割を果たします。
半導体素子:電子の伝導特性を利用した電子部品で、通常はシリコンなどの半導体材料から作られ、電気信号を制御する役割を果たします。
スナバ回路:高電圧スイッチング回路において、急激な電圧変化やノイズから発生する過渡的な現象を抑制するための回路。これにより、半導体素子の破壊を防ぎ、回路の安定性を確保します。
◆大分工業高等専門学校について
大分工業高等専門学校は、昭和38年に設立された国立の高等教育機関です。機械工学科、電気電子工学科、情報工学科、都市・環境工学科の4つの学科と、平成15年に設置した機械・環境システム工学専攻、電気電子情報工学専攻の2つの専攻科を有しており、これまで本科卒業生・専攻科修了生合わせて約8,200名を輩出してきました。「地域共創テクノセンター」や、本校の技術振興会である「大分高専テクノフォーラム」をはじめとして地域との連携や地域産業への貢献という役割を担いながら、「人間性に溢れ国際感覚を備え、探求心、創造性、表現能力を有する技術者の養成」に取り組んでいます。
[資料: https://files.value-press.com/czMjYXJ0aWNsZSM4MDM5NCMzMjgzNzUjODAzOTRfQUdRV0VLZXd3Ti5KUEc.JPG ]
【学校概要】
学校名:独立行政法人国立高等専門学校機構 大分工業高等専門学校
所在地:大分県大分市大字牧1666番地
校長:山口 利幸
設立:1963年
URL:http://www.oita-ct.ac.jp/
事業内容:高等専門学校・高等教育機関
◆本リリースに関するお問い合わせ先
独立行政法人高等専門学校機構
大分工業高等専門学校
総務課総務係
TEL:097-552-6075(平日8時半から17時)
e-mail:somu@oita-ct.ac.jp
[資料: https://files.value-press.com/czMjYXJ0aWNsZSM4MDM5NCMzMjgzNzUjODAzOTRfa2FkRlpQU3lRdC5qcGc.jpg ]
◆研究成果の要点
・半導体スイッチを直列接続し、20kVを出力できる小型のパルスパワー電源を開発した。
・電源装置を複数個用いることで、マイクロ秒オーダでのパルス幅制御を実現した。
◆研究内容
この研究では、半導体を直列に接続しスナバ回路と電圧分圧抵抗を使用して高電圧スイッチングを実現しました。パルストランスフォーマーと充電回路を組み合わせ、10 kVの出力電圧で安定的に動作できるようにしました。動作周波数増加に伴う半導体の温度上昇は充電回路とコンデンサ容量により解決し、高周波数での動作が可能です。さらに、半導体の直列段数に増やすことで、20 kVの出力電圧を達成。2つの半導体回路を組み合わせ、パルス幅が5 μsから30 μsまで任意に変更可能なパルス電源を実現しました。
The Development of a Compact Pulsed Power Supply with Semiconductor Series Connection
半導体直列接続を用いたコンパクトパルスパワー電源の開発
Zaizen, S.; Asami, K.; Furukawa, T.; Hatta, T.; Nakamura, T.; Sakugawa, T.; Ueno, T.
Electronics, MDPI 2023, 12(21), 4541
以下のURLより閲覧できます。
https://doi.org/10.3390/electronics12214541
[資料: https://files.value-press.com/czMjYXJ0aWNsZSM4MDM5NCMzMjgzNzUjODAzOTRfSENkdU1Qc093QS5qcGc.jpg ]
◆学生のコメント
これまでの努力が国際ジャーナルの論文掲載という形で実を結ぶことができ大変うれしい限りです。これまで幾度も実験においても論文の作成においても試行錯誤を繰り返し、実験が上手くいかないことも文章がまとまらないこともたくさんありました。途中挫けかけることも何度かありましたが、そのたびに先生や先輩が助けてくださり何とかここまでたどり着くことができました。特に上野崇寿先生には感謝してもしきれないほど何度も助けてくださいました。無事にアクセプトされたときは大変うれしく、自分の研究が世界的に認められたというこれまでにない大きな達成感が得られました。
私は今年から始動した九州大学工学部・九州沖縄9高専連携教育プログラムの第一期生です。来年は九州大学の研究室にてパワー半導体デバイスの研究に取り組みます。今年培った研究の知識やノウハウを存分に活かし、来年の研究では今回の業績に負けないくらい大きな成果を出していけるように励みたいです。
◆指導教員のコメント
5年生から研究を始めて、短い期間にも関わらず、多くの研究実績を積み上げ、その成果を発表するに至ったことは大変素晴らしいと感じています。九州大学工学部・九州沖縄9高専連携教育プログラムの学生でもあるので、来年から九州大学での研究を進めるとのこと、これからも更なる飛躍を期待しています。
新しい環境での研究活動は、ますます大きな可能性を秘めていると思います。是非とも、そこでの活動も精力的に進め、学問の発展に貢献して貰えればと願っています。
◆用語解説
パルスパワー:通常、パルスパワーは非常に急激なエネルギー放射や生成に使用されます。パルスパワーシステムは、プラズマやビーム生成といった特定のアプリケーションや実験で使用され、高エネルギーを瞬間的に生成する際に重要な役割を果たします。
半導体素子:電子の伝導特性を利用した電子部品で、通常はシリコンなどの半導体材料から作られ、電気信号を制御する役割を果たします。
スナバ回路:高電圧スイッチング回路において、急激な電圧変化やノイズから発生する過渡的な現象を抑制するための回路。これにより、半導体素子の破壊を防ぎ、回路の安定性を確保します。
◆大分工業高等専門学校について
大分工業高等専門学校は、昭和38年に設立された国立の高等教育機関です。機械工学科、電気電子工学科、情報工学科、都市・環境工学科の4つの学科と、平成15年に設置した機械・環境システム工学専攻、電気電子情報工学専攻の2つの専攻科を有しており、これまで本科卒業生・専攻科修了生合わせて約8,200名を輩出してきました。「地域共創テクノセンター」や、本校の技術振興会である「大分高専テクノフォーラム」をはじめとして地域との連携や地域産業への貢献という役割を担いながら、「人間性に溢れ国際感覚を備え、探求心、創造性、表現能力を有する技術者の養成」に取り組んでいます。
[資料: https://files.value-press.com/czMjYXJ0aWNsZSM4MDM5NCMzMjgzNzUjODAzOTRfQUdRV0VLZXd3Ti5KUEc.JPG ]
【学校概要】
学校名:独立行政法人国立高等専門学校機構 大分工業高等専門学校
所在地:大分県大分市大字牧1666番地
校長:山口 利幸
設立:1963年
URL:http://www.oita-ct.ac.jp/
事業内容:高等専門学校・高等教育機関
◆本リリースに関するお問い合わせ先
独立行政法人高等専門学校機構
大分工業高等専門学校
総務課総務係
TEL:097-552-6075(平日8時半から17時)
e-mail:somu@oita-ct.ac.jp