マーサー、タレントマネジメントの動向に関する調査結果を発表- Mercer Future of Talent Management Survey
景気が回復に向かう今、アジア太平洋地域の企業はタレントマネジメントの取組みの見直しを検討している
マーサーのタレントマネジメントの動向に関する調査、「Future of Talent Management Survey」によれば、タレントマネジメントが今後さらに重視され、コア人材の獲得競争が激化すると思われることから、景気が回復基調にある今、アジア太平洋地域の企業は、タレントマネジメントの取り組みの見直しを考えていることが分かった。
本調査は、2010年6月〜7月にかけてアジア太平洋諸国で実施した。回答者は主に、様々な産業分野の企業の人事やタレントマネジメントの責任者である。最も回答の多かった分野は、ハイテク/通信機器、製造(耐久財、非耐久財とも)、ヘルスケア関連の小売卸売、金融機関であった。
調査企業の3分の2は、“不況を脱し成長軌道に戻った”(39%)または“不況を脱し成長に備えている段階”(28%)と回答した。全体の4分の1にあたる25%の企業は、不況の影響はさしてなく、“成長軌道をはずれたことはない”と答えており、残り8%の企業は“いまだ景気が悪い”と回答している。
ほとんどの回答者は、景気後退に伴いタレントマネジメントの取組みの修正を考えているが、その内容や実施状況は様々である。取組みの上位には“リーダーシップ育成/開発(87%)”、“一般社員の育成/開発(83%)”、“社員のエンゲージメント(83%)”、“サクセッションプランニング(80%)”が上がっている。“モビリティ(拠点間異動ルール)” の順位は低く、方針の変更が必要とした企業は全体の3分の2以下だった
「世界的不況により、企業は人員計画とタレントマネジメントに関し、かなり大幅な修正を迫られた。現在、企業は更なる見直しを検討しているが、その目的が不況前の状態に戻ることであってはならない」。マーサーの組織・人事変革コンサルティング部門のパートナーであり、タレント・マネジメント・コンサルティングのグローバルリーダーを務めるジェイソン・ジェファイは言う。「なぜならば、事業環境が変化したからである。低成長時代を想定すれば、人材ニーズも以前とは異なる。タレントマネジメントプログラムの見直しは、この新たな現実にあわせる必要がある」
マーサーでタレント・マネジメント・コンサルティングのアジア太平洋地域のリーダーを務めるブレンダ・ウィルソンは「各国では、世界不況から1年も経たぬうちから、多くの企業で、特に最も優れた人材を中心に、人材の確保と定着が話題になっている。アジアのほとんどの地域の企業が、社内の人材パイプラインや保有人材がこれからのニーズに対応できるのかということを、再び懸念している」と指摘する。
タレントマネジメントの優先課題
調査回答企業は、タレントマネジメントの重要性が増すと答えている。半数強(53%)がタレントマネジメントは現時点で既に最も重要な事項と評価し、今後3〜5年のうちに最も重要になると見ている企業も含めると74%にのぼる。さらに、アジア太平洋地域の回答企業はほぼすべて(96%)が今後3〜5年で企業の成功に不可欠であるコア人材の獲得競争が激化すると見ている。43%は多少の激化があるとし、これを上回る53%が相当な激化があると見込んでいる。
コア人材に関する一連の問題への対応能力に対する自信の程を尋ねると、社員の業績と会社業績の連携強化(自信がある‐43%、ある程度自信がある‐48%)、また、ビジネスの成功につながるコア職務やセグメントの特定(自信がある‐36%、ある程度自信がある‐54%)に対する自信が最も高かった。一方、タレントへの投資効果を把握する定量的分析の実施に対する自信が最も低かった(自信がない‐43%、自信がある‐9%)。
今後3〜5年のタレントマネジメント上の優先事項のトップ3に関する質問では、14項目のうち、上位に挙がったのは、リーダー層の入れ替え、リーダーの育成/開発、キータレント/ハイポテンシャル人材の育成だった。
将来のビジネス要件を満たす人材を十分に惹きつけられているか、という質問に対しては、大半の企業(64%)は現行の価値提案にある程度自信がある、と回答した。しかし明確に自信がある、と答えたのは13%に過ぎず、9%は自信がない、と答えている。
タレントマネジメント上の意思決定に対する有効性の評価
本調査では、タレントマネジメント上の意思決定や投資に対する有効性についても調査を行った。人事関連の意思決定や投資が非常に効果的であると回答したのは、アジア太平洋地域では全体のわずか9%であった。約3分の2(61%)が、ある程度効果的である、30%が効果的でないと回答している。
※以下省略: 資料を含む、レポートはこちらからダウンロードできます:
■「これからのタレントマネジメント」 日本調査報告書
■「これからのタレントマネジメント」 アジア太平洋地域調査報告書
http://www.mercer.co.jp/referencecontent.htm?idContent=1409180
資料1:タレントマネジメントの取り組みの見直し
1)見直しは不要
2)修正は必要だが、未確定
3)要修正と確定したが、未実施
4)要修正と確定し、実施済み
■人材の獲得
1)21 %
2)31 %
3)19 %
4)29 %
■育成、開発(一般社員)
1)17 %
2)28 %
3)29 %
4)26 %
■育成、開発(リーダー)
1)13 %
2)25 %
3)32 %
4)30 %
■キャリア開発
1)22 %
2)40 %
3)24 %
4)15 %
■社員のエンゲージメント
1)18 %
2)33 %
3)27 %
4)23 %
■モビリティ(拠点間異動ルール)
1)39 %
2)33 %
3)15 %
4)14 %
■パフォーマンスマネジメント(業績管理)
1)28 %
2)20 %
3)22 %
4)30 %
■報酬
1)21 %
2)32 %
3)25 %
4)23 %
■人材の引きとめ策
1)23 %
2)41 %
3)24 %
4)12 %
■人員計画
1)22 %
2)37 %
3)22 %
4)20 %
■サクセッション・プランニング(後継者育成計画)
1)20 %
2)34 %
3)28 %
4)18 %
■コンピテンシーモデルと運用
1)29 %
2)34 %
3)23 %
4)14 %
注)四捨五入により、一列の合計が100%にならない場合があります
資料2:コア人材の管理問題への対応への自信
1)自信がない
2)ある程度自信がある
3)自信がある
■将来のリーダー人材パイプラインの確立
1)23 %
2)62 %
3)15 %
■リーダー人材の引きとめ
1)14 %
2)70 %
3)16 %
■ハイポテンシャル人材や高度スキル保有人材の引きとめ
1)21 %
2)64 %
3)16 %
■リーダー層の円滑な入れ替え
1)28 %
2)60 %
3)12 %
■ビジネスの成功につながるコア職務やセグメントの特定
1)11 %
2)54 %
3)36 %
■社員業績と会社業績の連携強化
1)9 %
2)48 %
3)43 %
■社員の人員構成(デモグラフィ)変化への対応
1)24 %
2)61 %
3)15 %
■タレントへの投資効果を把握する定量分析の実施
1)43 %
2)48 %
3)9 %
■ビジネスニーズへの対応とキャリア開発目的の異動の両立
1)14 %
2)61 %
3)25 %
■個人の能力開発に関する要望とキャリア開発目的の異動の両立
1)20 %
2)59 %
3)20 %
■役割に応じた適切な人材の継続的配置
1)11 %
2)66 %
3)23 %
■トレーニングや能力開発を具体的な行動の変化や成果につなげること
1)19 %
2)61 %
3)20 %
■タレントマネジメントに関する意思決定をビジネス成果へつなげること
1)19 %
2)60 %
3)21 %
資料3:今後3〜5年におけるタレントマネジメント上の主な優先課題
■リーダー層の入れ替え 32.2%
■人材育成/人材開発 31%
■キータレント/ハイポテンシャル人材の育成 30.5%
■社員のエンゲージメント 24.8%
■サクセッションプランニング(後継者育成計画) 23.3%
■市場競争力のある報酬マネジメント 21.7%
■タレント人材の獲得/外部からの採用 21.1%
■パフォーマンスマネジメント(業績管理) 17%
■望ましくない退職や社員減への対応 13%
■社員の高齢化への対応 12%
■人員計画 11.4%
■キャリア開発 9.5%
■人材育成/人材開発(一般社員) 9.4%
■タレントマネジメントテクノロジー 5.5%
資料4:タレントマネジメントの取り組みの有効性評価
1)プロセスの実施を重視して把握
2)プロセスの結果を重視して把握
■人材の獲得
1)45 %
2)55 %
■育成/人材開発
1)56 %
2)44 %
■キャリア開発
1)63 %
2)37 %
■社員のエンゲージメント
1)44 %
2)56 %
■モビリティ(拠点間異動ルール)
1)57 %
2)43 %
■パフォーマンスマネジメント(業績管理)
1)41 %
2)59 %
■報酬
1)37 %
2)63 %
■人材の引きとめ策
1)46 %
2)54 %
■人員計画
1)53 %
2)47 %
■サクセッション・プランニング(後継者育成計画)
1)54 %
2)46 %
■コンピテンシーモデルと運用
1)61 %
2)39 %
* * *
本件に関するお問い合わせ
マーサー ジャパン株式会社
広報
小原 香恋 Karen Ohara
Tel: 03-5354-1674 pr.japan@mercer.com
本調査は、2010年6月〜7月にかけてアジア太平洋諸国で実施した。回答者は主に、様々な産業分野の企業の人事やタレントマネジメントの責任者である。最も回答の多かった分野は、ハイテク/通信機器、製造(耐久財、非耐久財とも)、ヘルスケア関連の小売卸売、金融機関であった。
調査企業の3分の2は、“不況を脱し成長軌道に戻った”(39%)または“不況を脱し成長に備えている段階”(28%)と回答した。全体の4分の1にあたる25%の企業は、不況の影響はさしてなく、“成長軌道をはずれたことはない”と答えており、残り8%の企業は“いまだ景気が悪い”と回答している。
ほとんどの回答者は、景気後退に伴いタレントマネジメントの取組みの修正を考えているが、その内容や実施状況は様々である。取組みの上位には“リーダーシップ育成/開発(87%)”、“一般社員の育成/開発(83%)”、“社員のエンゲージメント(83%)”、“サクセッションプランニング(80%)”が上がっている。“モビリティ(拠点間異動ルール)” の順位は低く、方針の変更が必要とした企業は全体の3分の2以下だった
「世界的不況により、企業は人員計画とタレントマネジメントに関し、かなり大幅な修正を迫られた。現在、企業は更なる見直しを検討しているが、その目的が不況前の状態に戻ることであってはならない」。マーサーの組織・人事変革コンサルティング部門のパートナーであり、タレント・マネジメント・コンサルティングのグローバルリーダーを務めるジェイソン・ジェファイは言う。「なぜならば、事業環境が変化したからである。低成長時代を想定すれば、人材ニーズも以前とは異なる。タレントマネジメントプログラムの見直しは、この新たな現実にあわせる必要がある」
マーサーでタレント・マネジメント・コンサルティングのアジア太平洋地域のリーダーを務めるブレンダ・ウィルソンは「各国では、世界不況から1年も経たぬうちから、多くの企業で、特に最も優れた人材を中心に、人材の確保と定着が話題になっている。アジアのほとんどの地域の企業が、社内の人材パイプラインや保有人材がこれからのニーズに対応できるのかということを、再び懸念している」と指摘する。
タレントマネジメントの優先課題
調査回答企業は、タレントマネジメントの重要性が増すと答えている。半数強(53%)がタレントマネジメントは現時点で既に最も重要な事項と評価し、今後3〜5年のうちに最も重要になると見ている企業も含めると74%にのぼる。さらに、アジア太平洋地域の回答企業はほぼすべて(96%)が今後3〜5年で企業の成功に不可欠であるコア人材の獲得競争が激化すると見ている。43%は多少の激化があるとし、これを上回る53%が相当な激化があると見込んでいる。
コア人材に関する一連の問題への対応能力に対する自信の程を尋ねると、社員の業績と会社業績の連携強化(自信がある‐43%、ある程度自信がある‐48%)、また、ビジネスの成功につながるコア職務やセグメントの特定(自信がある‐36%、ある程度自信がある‐54%)に対する自信が最も高かった。一方、タレントへの投資効果を把握する定量的分析の実施に対する自信が最も低かった(自信がない‐43%、自信がある‐9%)。
今後3〜5年のタレントマネジメント上の優先事項のトップ3に関する質問では、14項目のうち、上位に挙がったのは、リーダー層の入れ替え、リーダーの育成/開発、キータレント/ハイポテンシャル人材の育成だった。
将来のビジネス要件を満たす人材を十分に惹きつけられているか、という質問に対しては、大半の企業(64%)は現行の価値提案にある程度自信がある、と回答した。しかし明確に自信がある、と答えたのは13%に過ぎず、9%は自信がない、と答えている。
タレントマネジメント上の意思決定に対する有効性の評価
本調査では、タレントマネジメント上の意思決定や投資に対する有効性についても調査を行った。人事関連の意思決定や投資が非常に効果的であると回答したのは、アジア太平洋地域では全体のわずか9%であった。約3分の2(61%)が、ある程度効果的である、30%が効果的でないと回答している。
※以下省略: 資料を含む、レポートはこちらからダウンロードできます:
■「これからのタレントマネジメント」 日本調査報告書
■「これからのタレントマネジメント」 アジア太平洋地域調査報告書
http://www.mercer.co.jp/referencecontent.htm?idContent=1409180
資料1:タレントマネジメントの取り組みの見直し
1)見直しは不要
2)修正は必要だが、未確定
3)要修正と確定したが、未実施
4)要修正と確定し、実施済み
■人材の獲得
1)21 %
2)31 %
3)19 %
4)29 %
■育成、開発(一般社員)
1)17 %
2)28 %
3)29 %
4)26 %
■育成、開発(リーダー)
1)13 %
2)25 %
3)32 %
4)30 %
■キャリア開発
1)22 %
2)40 %
3)24 %
4)15 %
■社員のエンゲージメント
1)18 %
2)33 %
3)27 %
4)23 %
■モビリティ(拠点間異動ルール)
1)39 %
2)33 %
3)15 %
4)14 %
■パフォーマンスマネジメント(業績管理)
1)28 %
2)20 %
3)22 %
4)30 %
■報酬
1)21 %
2)32 %
3)25 %
4)23 %
■人材の引きとめ策
1)23 %
2)41 %
3)24 %
4)12 %
■人員計画
1)22 %
2)37 %
3)22 %
4)20 %
■サクセッション・プランニング(後継者育成計画)
1)20 %
2)34 %
3)28 %
4)18 %
■コンピテンシーモデルと運用
1)29 %
2)34 %
3)23 %
4)14 %
注)四捨五入により、一列の合計が100%にならない場合があります
資料2:コア人材の管理問題への対応への自信
1)自信がない
2)ある程度自信がある
3)自信がある
■将来のリーダー人材パイプラインの確立
1)23 %
2)62 %
3)15 %
■リーダー人材の引きとめ
1)14 %
2)70 %
3)16 %
■ハイポテンシャル人材や高度スキル保有人材の引きとめ
1)21 %
2)64 %
3)16 %
■リーダー層の円滑な入れ替え
1)28 %
2)60 %
3)12 %
■ビジネスの成功につながるコア職務やセグメントの特定
1)11 %
2)54 %
3)36 %
■社員業績と会社業績の連携強化
1)9 %
2)48 %
3)43 %
■社員の人員構成(デモグラフィ)変化への対応
1)24 %
2)61 %
3)15 %
■タレントへの投資効果を把握する定量分析の実施
1)43 %
2)48 %
3)9 %
■ビジネスニーズへの対応とキャリア開発目的の異動の両立
1)14 %
2)61 %
3)25 %
■個人の能力開発に関する要望とキャリア開発目的の異動の両立
1)20 %
2)59 %
3)20 %
■役割に応じた適切な人材の継続的配置
1)11 %
2)66 %
3)23 %
■トレーニングや能力開発を具体的な行動の変化や成果につなげること
1)19 %
2)61 %
3)20 %
■タレントマネジメントに関する意思決定をビジネス成果へつなげること
1)19 %
2)60 %
3)21 %
資料3:今後3〜5年におけるタレントマネジメント上の主な優先課題
■リーダー層の入れ替え 32.2%
■人材育成/人材開発 31%
■キータレント/ハイポテンシャル人材の育成 30.5%
■社員のエンゲージメント 24.8%
■サクセッションプランニング(後継者育成計画) 23.3%
■市場競争力のある報酬マネジメント 21.7%
■タレント人材の獲得/外部からの採用 21.1%
■パフォーマンスマネジメント(業績管理) 17%
■望ましくない退職や社員減への対応 13%
■社員の高齢化への対応 12%
■人員計画 11.4%
■キャリア開発 9.5%
■人材育成/人材開発(一般社員) 9.4%
■タレントマネジメントテクノロジー 5.5%
資料4:タレントマネジメントの取り組みの有効性評価
1)プロセスの実施を重視して把握
2)プロセスの結果を重視して把握
■人材の獲得
1)45 %
2)55 %
■育成/人材開発
1)56 %
2)44 %
■キャリア開発
1)63 %
2)37 %
■社員のエンゲージメント
1)44 %
2)56 %
■モビリティ(拠点間異動ルール)
1)57 %
2)43 %
■パフォーマンスマネジメント(業績管理)
1)41 %
2)59 %
■報酬
1)37 %
2)63 %
■人材の引きとめ策
1)46 %
2)54 %
■人員計画
1)53 %
2)47 %
■サクセッション・プランニング(後継者育成計画)
1)54 %
2)46 %
■コンピテンシーモデルと運用
1)61 %
2)39 %
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小原 香恋 Karen Ohara
Tel: 03-5354-1674 pr.japan@mercer.com