日産自動車、大規模実証実験「ITS-Safety 2010」に参加
[09/01/07]
提供元:NEWS-ON
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2009年1月7日
日産自動車株式会社(本社:東京都中央区銀座 社長:カルロス ゴーン)は7日、交通事故低減を目的としたインフラ協調による安全運転支援システムを開発し、官民合同組織「ITS推進協議会」が実施する大規模公道実証実験「ITS-Safety 2010」に参加する。
この実証実験は、東京都の臨海副都心地区にて1月12日より順次実施され、2月25日からは報道および一般向けに公道実走行公開デモンストレーションが予定されている。
同社は、ITS*1を活用した安全運転支援システムやASV(先進安全自動車)等を開発し、これらの技術を搭載した実験車両4台をこの実証実験のために提供することにより、実用化に向けた効果的なサービスやシステムのあり方について大規模な検証を行うとともに、事故低減への効果について定量的な評価を行う。
なお日産は、2006年より神奈川において「SKY(スカイ)プロジェクト」の一環として、光ビーコンを活用したインフラ協調による安全運転支援システムを開発し、一般市民約2000名が参加する大規模な実証実験を進めてきた。その成果を用いた同社のシステムは、2010年度の実用化に向け現実的なシステムとして、この度の「ITS-Safety 2010」の大規模実証実験に採用された。
日産は、これらクルマ対クルマの交通事故低減のほか、クルマと歩行者との交通事故低減も目的とし、歩行者が所持する携帯電話と車両の間での通信を活用した携帯電話協調歩行者事故低減システム等の開発も行っている。同社は今後も「クルマが人を守る」という「セーフティ・シールド*2」という考え方に基づき、「ぶつからないクルマ」づくりを積極的に推進し、得られる知見を総合的に活用し、あらゆる機会を捉えて安全技術の発展を進めていく。
1. *1 ITS:Intelligent Transportation Systems: 人、道路、車両を情報でつなぐ高度道路交通システム
2. *2 セーフティ・シールド: 日産独自のより高度で積極的な安全に対するコンセプト。その特徴は通常運転から衝突後まで、状況に応じて常に「クルマが人を守る」という考え方にあり、ドライバーの運転を少しでも危険な状況に近づけないようサポートし続けることに主眼を置いている。
今回の大規模実証実験の具体的な内容は下記の通りである。
1.安全運転支援システム(DSSS) への取組み
警察庁とその所管法人である新交通管理システム(UTMS)協会が中心となって進めている「安全運転支援システム(DSSS*3)プロジェクト」において、日産が開発した光ビーコンを活用したインフラ協調による安全運転支援システムが採用された。今回の大規模実証実験においてDSSSで対応する主なシステムは以下の通り。
* 信号見落とし防止支援システム
* 追突防止支援システム
* 一時停止規制見落とし防止支援システム
* 出合い頭衝突防止支援システム
* 右折時衝突防止支援システム
* 右折待ち列情報提供システム
* 車線変更情報提供システム
例えば、出合い頭衝突防止支援システムは、見通しの悪い信号非設置交差点の優先道路を走行するドライバーに対して、脇道車両の存在を光ビーコンによる路車間通信*4で情報を伝達し、ナビゲーションシステムで報知し、注意すべき車両の存在を認知させ、時間的な余裕を持たせることで、安全運転を促すものである。
本プロジェクトにおいて、同社は、神奈川県DSSS検討作業部会をいち早く立ち上げ、2006年から横浜市の複数の事故多発交差点にて、一般市民約2000 名が参加する大規模な実証実験を進めてきた。また、大規模実証実験の完遂のため、同協会内の東京都DSSS検討作業部会光ビーコンサブワーキンググループ長を務めるなど、同システム実用化への牽引役を担っている。
2.先進安全自動車(ASV)への取組み
国土交通省自動車交通局が主催する「第4期ASV*5(Advanced Safety Vehicle:先進安全自動車)プロジェクト」のうち、今回の大規模実証実験においてASVで対応する主なシステムは以下の通り。
* 追突防止システム
* 出合い頭衝突防止システム
* 右折時衝突防止システム
* 左折時衝突防止システム
* 緊急車両情報提供システム
具体的には、車車間通信*6により認識した他車両と、衝突の可能性がある場合に、音声とナビゲーション画面内のアイコンでドライバーへ知らせ、安全運転を促すものである。交差点での出合い頭や右折時においては、車両が一旦停止してから再発進しようとした際に、ドライバーが危険対象となる他車両を見落とす可能性について、注意喚起を行う。
日産は、特に車車間通信を利用した安全運転支援システムの実用化を推進するために、その効果を実証する実験開発を計画、実施する大規模実証実験対応ワーキンググループにおいてグループ長を担い、今回の実験から車車間通信の実用化に向けた技術的なデータの蓄積と課題解決の具体化を進めている。
3.スマートウエイへの取組み
国土交通省道路局が主催する「スマートウエイ*7プロジェクト」のうち、今回の大規模実証実験において対応する主なシステムは以下の通り。
* 前方障害物情報提供システム
* 前方状況情報提供システム
* 合流支援情報提供システム
* 電子標識情報提供システム
例えば、前方障害物情報提供サービスは、急カーブ、トンネル部、登り坂の頂上付近など、前方の見通しが悪く、状況が把握しにくい道路部位で、路側センサーにより渋滞末尾、停止・低速車を検出し、後続の車両に路車間通信で情報を伝達し、ナビゲーションシステムがドライバーに情報提供を行うことで、事前に注意力を高め、減速や車間距離を確保することを促す。
同社は、これまでもスマートウエイ デモ2006、デモ2007などに積極的に参画し、本プロジェクトの実用化に向けた技術的なデータの蓄積と課題解決の具体化を進めている。
1. *3 DSSSはDriving Safety Support Systemsの略。警察庁とその外郭団体である新交通管理システム(UTMS)協会が継続的に推進しているプロジェクトであり、道路とクルマが連携し(路車協調)、センサや路車間通信などの最新のITSテクノロジーを駆使して交通事故の削減を目指すシステム
2. *4 路車間通信: 路側インフラと車両が無線通信機を搭載し、道路状況などの情報を交換する通信システム
3. *5 ASVはAdvanced Safety Vehicleの略。国土交通省自動車交通局が継続的に推進しているプロジェクトであり、日産は、第1期計画(平成3〜7年度)、第2期計画(平成 8〜12年度)および第3期計画(平成13〜17年度)に引き続き、今回の第4期計画(平成18年度〜)にも積極的に参画している。先に発表の「日産 ASV-4」は、この第4期計画に沿って開発した、先進安全自動車である
4. *6 車車間通信: 複数の車両が無線通信機を搭載し、走行中の位置や方向等を互いに送信し合い、情報を交換する通信システム
5. *7 スマートウエイは国土交通省道路局が継続的に推進しているプロジェクトであり、道路とクルマが連携し(路車協調)、センサや路車間通信などの最新のITSテクノロジーを駆使して交通事故や渋滞の削減を目指すシステム
以 上
日産自動車株式会社(本社:東京都中央区銀座 社長:カルロス ゴーン)は7日、交通事故低減を目的としたインフラ協調による安全運転支援システムを開発し、官民合同組織「ITS推進協議会」が実施する大規模公道実証実験「ITS-Safety 2010」に参加する。
この実証実験は、東京都の臨海副都心地区にて1月12日より順次実施され、2月25日からは報道および一般向けに公道実走行公開デモンストレーションが予定されている。
同社は、ITS*1を活用した安全運転支援システムやASV(先進安全自動車)等を開発し、これらの技術を搭載した実験車両4台をこの実証実験のために提供することにより、実用化に向けた効果的なサービスやシステムのあり方について大規模な検証を行うとともに、事故低減への効果について定量的な評価を行う。
なお日産は、2006年より神奈川において「SKY(スカイ)プロジェクト」の一環として、光ビーコンを活用したインフラ協調による安全運転支援システムを開発し、一般市民約2000名が参加する大規模な実証実験を進めてきた。その成果を用いた同社のシステムは、2010年度の実用化に向け現実的なシステムとして、この度の「ITS-Safety 2010」の大規模実証実験に採用された。
日産は、これらクルマ対クルマの交通事故低減のほか、クルマと歩行者との交通事故低減も目的とし、歩行者が所持する携帯電話と車両の間での通信を活用した携帯電話協調歩行者事故低減システム等の開発も行っている。同社は今後も「クルマが人を守る」という「セーフティ・シールド*2」という考え方に基づき、「ぶつからないクルマ」づくりを積極的に推進し、得られる知見を総合的に活用し、あらゆる機会を捉えて安全技術の発展を進めていく。
1. *1 ITS:Intelligent Transportation Systems: 人、道路、車両を情報でつなぐ高度道路交通システム
2. *2 セーフティ・シールド: 日産独自のより高度で積極的な安全に対するコンセプト。その特徴は通常運転から衝突後まで、状況に応じて常に「クルマが人を守る」という考え方にあり、ドライバーの運転を少しでも危険な状況に近づけないようサポートし続けることに主眼を置いている。
今回の大規模実証実験の具体的な内容は下記の通りである。
1.安全運転支援システム(DSSS) への取組み
警察庁とその所管法人である新交通管理システム(UTMS)協会が中心となって進めている「安全運転支援システム(DSSS*3)プロジェクト」において、日産が開発した光ビーコンを活用したインフラ協調による安全運転支援システムが採用された。今回の大規模実証実験においてDSSSで対応する主なシステムは以下の通り。
* 信号見落とし防止支援システム
* 追突防止支援システム
* 一時停止規制見落とし防止支援システム
* 出合い頭衝突防止支援システム
* 右折時衝突防止支援システム
* 右折待ち列情報提供システム
* 車線変更情報提供システム
例えば、出合い頭衝突防止支援システムは、見通しの悪い信号非設置交差点の優先道路を走行するドライバーに対して、脇道車両の存在を光ビーコンによる路車間通信*4で情報を伝達し、ナビゲーションシステムで報知し、注意すべき車両の存在を認知させ、時間的な余裕を持たせることで、安全運転を促すものである。
本プロジェクトにおいて、同社は、神奈川県DSSS検討作業部会をいち早く立ち上げ、2006年から横浜市の複数の事故多発交差点にて、一般市民約2000 名が参加する大規模な実証実験を進めてきた。また、大規模実証実験の完遂のため、同協会内の東京都DSSS検討作業部会光ビーコンサブワーキンググループ長を務めるなど、同システム実用化への牽引役を担っている。
2.先進安全自動車(ASV)への取組み
国土交通省自動車交通局が主催する「第4期ASV*5(Advanced Safety Vehicle:先進安全自動車)プロジェクト」のうち、今回の大規模実証実験においてASVで対応する主なシステムは以下の通り。
* 追突防止システム
* 出合い頭衝突防止システム
* 右折時衝突防止システム
* 左折時衝突防止システム
* 緊急車両情報提供システム
具体的には、車車間通信*6により認識した他車両と、衝突の可能性がある場合に、音声とナビゲーション画面内のアイコンでドライバーへ知らせ、安全運転を促すものである。交差点での出合い頭や右折時においては、車両が一旦停止してから再発進しようとした際に、ドライバーが危険対象となる他車両を見落とす可能性について、注意喚起を行う。
日産は、特に車車間通信を利用した安全運転支援システムの実用化を推進するために、その効果を実証する実験開発を計画、実施する大規模実証実験対応ワーキンググループにおいてグループ長を担い、今回の実験から車車間通信の実用化に向けた技術的なデータの蓄積と課題解決の具体化を進めている。
3.スマートウエイへの取組み
国土交通省道路局が主催する「スマートウエイ*7プロジェクト」のうち、今回の大規模実証実験において対応する主なシステムは以下の通り。
* 前方障害物情報提供システム
* 前方状況情報提供システム
* 合流支援情報提供システム
* 電子標識情報提供システム
例えば、前方障害物情報提供サービスは、急カーブ、トンネル部、登り坂の頂上付近など、前方の見通しが悪く、状況が把握しにくい道路部位で、路側センサーにより渋滞末尾、停止・低速車を検出し、後続の車両に路車間通信で情報を伝達し、ナビゲーションシステムがドライバーに情報提供を行うことで、事前に注意力を高め、減速や車間距離を確保することを促す。
同社は、これまでもスマートウエイ デモ2006、デモ2007などに積極的に参画し、本プロジェクトの実用化に向けた技術的なデータの蓄積と課題解決の具体化を進めている。
1. *3 DSSSはDriving Safety Support Systemsの略。警察庁とその外郭団体である新交通管理システム(UTMS)協会が継続的に推進しているプロジェクトであり、道路とクルマが連携し(路車協調)、センサや路車間通信などの最新のITSテクノロジーを駆使して交通事故の削減を目指すシステム
2. *4 路車間通信: 路側インフラと車両が無線通信機を搭載し、道路状況などの情報を交換する通信システム
3. *5 ASVはAdvanced Safety Vehicleの略。国土交通省自動車交通局が継続的に推進しているプロジェクトであり、日産は、第1期計画(平成3〜7年度)、第2期計画(平成 8〜12年度)および第3期計画(平成13〜17年度)に引き続き、今回の第4期計画(平成18年度〜)にも積極的に参画している。先に発表の「日産 ASV-4」は、この第4期計画に沿って開発した、先進安全自動車である
4. *6 車車間通信: 複数の車両が無線通信機を搭載し、走行中の位置や方向等を互いに送信し合い、情報を交換する通信システム
5. *7 スマートウエイは国土交通省道路局が継続的に推進しているプロジェクトであり、道路とクルマが連携し(路車協調)、センサや路車間通信などの最新のITSテクノロジーを駆使して交通事故や渋滞の削減を目指すシステム
以 上