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中小企業の夏季賞与額はマイナス傾向に 2016年夏季賞与支給の実態調査を実施

株式会社エフアンドエムでは、エフアンドエムクラブ会員企業に対し夏季賞与の支給予定についての実態調査を行いました。


■1. 調査背景
2016年6月7日に一般社団法人日本経済団体連合会が発表した『2016年夏季賞与・一時金 大手企業業種別妥結状況(加重平均)』では、全業種平均927,415円と、前年より3.74%のアップとなりました。特に非製造業の好調が顕著で、前年より15.77%増という大幅なアップです。
大企業のこのような結果を背景に、中小企業総合研究所では中小企業の実態について調査を行いました。


■2. 調査概要
調査期間 :2016年4月1日〜2016年5月31日
調査対象 :エフアンドエムクラブ会員企業
      ※エフアンドエム会員企業とは、
       エフアンドエムが提供する中小企業向け
       管理部門支援サービスに入会している企業
有効回答数:666社
調査エリア:全国

<調査概要>
https://www.atpress.ne.jp/releases/106641/img_106641_1.jpg


■3. 調査結果
<図1:正社員夏季賞与支給予定割合 前期比較>
https://www.atpress.ne.jp/releases/106641/img_106641_2.jpg

調査の結果、2016年夏季賞与の支給を予定している企業割合は83%と前年を2ポイント上回る結果となりました。
パートタイマー等非正規社員への夏季賞与・寸志支給状況についても調査しました。

<図2:パートタイマー等夏季賞与・寸志支給予定割合>
https://www.atpress.ne.jp/releases/106641/img_106641_3.jpg

図2より、パートタイマー等に賞与・寸志を支払う予定がある企業は31%で、2015年年末賞与・寸志支給割合より3ポイント上回る結果となりました。2015年4月1日に改正されたパートタイム労働法で『パートタイム労働者の公正な待遇の確保』が義務付けられたことや、2016年3月より開催されている『同一労働同一賃金の実現に向けた検討会』の動きから、今後パートタイマー等に賞与を支払う割合は増えていくと予想できます。今後もパートタイマー等への賞与・寸志支給状況について、定期的に調査していきます。


次に、正社員の夏季賞与支給額の調査も行いました。なお、2016年については、支給額の『予定』を調査した結果です。

<表1:正社員夏季賞与平均支給額 前年比較>
https://www.atpress.ne.jp/releases/106641/img_106641_4.jpg

2015年は賞与平均支給額200,000円以下の企業割合が最も多かったが、2016年も同様の結果となりました。
表2では、地域・業種別の賞与平均支給額のデータを記載しました。2016年の正社員への夏季賞与平均支給額は、259,133円です。これは2015年夏季賞与平均支給額278,389円と比較すると19,256円減の結果となり、中央値についても2015年の250,000円から2016年は230,000円と20,000円のマイナスとなります。支給割合は増えているものの、増額については、慎重に判断した企業が多かったことが考えられます。

業種別の賞与平均額では、製造業が2015年の291,075円から2016年226,938円と約60,000円大幅なマイナスとなったことが特徴的です。一方で、唯一小売業だけが前年と比べて若干ではありますが、増額となる結果となりました。

地域別でみると、3大経済圏である首都圏、近畿、中部・北陸が前年の平均支給額を下回る結果となりました。なかでも、近畿圏は約50,000円のマイナスとなり、前年よりも業績が厳しい企業や今後の見通しが不透明だと考える企業が増加したと考えられます。

<表2:地域・業種別 正社員2016年夏季賞与平均支給予定額>
https://www.atpress.ne.jp/releases/106641/img_106641_5.jpg
<表3:地域・業種別 正社員2015年夏季賞与平均支給額>
https://www.atpress.ne.jp/releases/106641/img_106641_6.jpg
<表4:地域・業種別 パートタイマー等2016年夏季賞与・寸志平均支給予定額>
https://www.atpress.ne.jp/releases/106641/img_106641_7.jpg


■4. 総評
内閣府が発表する2016年5月の月例報告において、『景気は、このところ弱さもみられるが、緩やかな回復基調が続いている』とありました。今回の調査結果は月例報告とは異なり、中小企業では緩やかではあるが後退していると感じられるものでした。
日本経済の活性化には、中小企業の業績改善や雇用拡大、所得の上昇が不可欠です。中小企業の実態に目を向けた政策の実行に期待が高まります。
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