中学生のネット利用実態を、ピットクルーが公立中学校と共同調査
[09/04/20]
提供元:@Press
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Webコミュニティの有人監視と健全運営サポートを行うピットクルー株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役:小西 直人)は、中央区立日本橋中学校(所在地:東京都、田部井 重雄校長)と共同で同校生徒を対象にしたアンケート調査を実施しました。
今回の調査は、中学生のネット利用実態調査を目的とするもの。公立中学校と民間Web監視会社が共同で中学校全校生徒を対象にネット利用実態を調査するという、類例のない調査となりました。
アンケートの分析結果から、都心部における中学生のネット利用実態が明らかになりました。さらにネットリテラシー教育の効果を考えるとき、学年や性別など生徒の属性を考慮したきめ細かな対応が必要であることが浮き彫りになりました。
■アンケート実施の背景
本年1〜2月、ピットクルーは日本橋中学校から要請を受け、職場体験授業を受け入れました。この際、授業に参加した生徒を対象にネット利用実態を調査したところ、携帯電話所有率やトラブル体験などについて興味深い調査結果が得られました。そこで日本橋中学校全校生徒のネット利用実態を把握し、ネットリテラシー教育に反映させることを目的とし、日本橋中学校と共同でアンケート調査を実施しました。
■アンケートの概要と調査結果サマリー
【調査概要】
調査名 :「中学生のインターネット利用に関する調査」
調査機関 :ピットクルー株式会社
調査対象 :中央区立日本橋中学校325名
調査期間 :2009年2月17日〜2009年3月6日
有効回答者数:324名(男子166名、女子158名)
【調査結果サマリー】
日本橋中学校生徒の携帯電話所有率は80%で、文部科学省が公表した中学2年生の携帯電話所有率全国平均*を大きく上回りました。携帯電話をはじめて所有した時期は、「小学5年生〜中学1年生」が多く、中学3年生よりも中学1年生の方が低学年から携帯電話を所有していることが分かりました。
パソコンや携帯電話のネット利用で「怖い」と思った経験がある生徒は22%に及びました。全学年を通じて男子より女子の方が「怖い」経験をした割合が高く、さらに女子の方が注意意識を強く持ってネットを利用していることが分かりました。
■8割の生徒が携帯電話を所有し、半数が週7日利用
携帯電話所有率は1年生が75%、2年生が81%、3年生が84%で、文部科学省が公表した中学2年生の携帯電話所有率全国平均(45.9%)*を大きく上回りました。情報通信の高度化が著しい都心を生活拠点にしていることが主な理由だと考えられます。男女を比較すると、男子(73%)よりも女子(87%)の方が高い所有率でした。利用頻度に関する質問では、約半数が「週7日利用する」と回答しました。
パソコンの所有形態について尋ねると、「家族共用」という回答が多数ありました。これに対して携帯電話は「自分だけの情報ツール」として高頻度で利用されている実態がうかがえます。
携帯電話をはじめて所有した時期は、「小学校5年生〜中学1年生」が70%を占めています。詳細に見ると、学年が下がるほど所有時期が早まる傾向がありました。男女別にみると、女子の方が早い時期に所有する傾向がありました。
* 文部科学省が2009年2月に公表した「子どもの携帯電話等の利用に関する調査結果」より
■パソコンでは情報検索と動画閲覧、携帯電話ではコミュニティを利用
どのようなサイトを利用しているかジャンルを尋ねると、パソコンからよく利用しているのは「ポータル・検索」であり、40%近い生徒が利用しているとしています。動画閲覧という回答も30%近くありました。
携帯電話からよく利用しているのは「コミュニティ」(30%)でした。男女の回答を比較すると、コミュニティを利用しているのは主に女子で、男子はコミュニティよりもポータル・検索を利用しているという回答が多くありました。男子は情報を求めて検索を動的に活用し、女子は静的にコミュニティスペースを利用する傾向にあるといえます。「男子=動的」「女子=静的」という、古今東西を問わず児童生徒の遊び方にみられる典型的パターンが、ネット利用にも例外なく現れることを示しています。
■5人に1人がネットで「怖い」経験
“インターネットをしていて「怖い」と思ったことはありますか?”という質問では、22%の生徒が「ある」と回答しました。男女を比較すると、男子が15%だったのに対して女子は30%と、大きな差がありました。特に3年生女子は50%が「ある」と回答しています。
どのような事象を「怖い」と思ったか尋ねたところ、「荒らし・誹謗中傷」(26%)が最も多く、次いで「ワンクリック詐欺」(19%)、「意図しないサイトへの遷移」(19%)でした。男女を比較すると、男子は「ワンクリック詐欺」(32%)、女子は「荒らし・誹謗中傷」(32%)が最も多い回答でした。
“インターネットをするときに注意するように心がけていることがありますか”という質問では、女子の63%が何らかの心がけが必要だと感じていると回答しました。男子は同様の回答が40%と、やや低い値でした。
「怖い」経験と同様、ネット利用時に心がけが必要だと感じている生徒は3年生女子が最も多く、3年生女子の実に77%が「必要」だと回答しています。このように顕著な結果が出た背景には、3年生女子が日常的に継続してコミュニティを利用していることが関係していると考えられます。
■<まとめ> きめ細かなネットリテラシー教育が必要
中学生のネット利用実態は、学年や性別によって行動や考え方に大きな違いがあることが分かりました。身体的にも精神的にも大きな成長を遂げる年代であり、ネットリテラシーの形成は日常生活のさまざまな要素に影響を受けると考えられます。したがってネットリテラシー教育を実施する場合は、学年や性別ごとのネット利用実態を注視すべきであり、ときには生徒の特性に応じたプログラム内容の細分化が必要であると考えられます。
中央区立日本橋中学校 田部井 重雄校長のコメント:
今回は企業による調査ということで、生徒は正直に書いてくれたと思います。調査結果をもとに、生徒が携帯電話をより安全に使うための「持たせ方」「使わせ方」を保護者の方々とも考えていきたいと思います。
ピットクルーは今回の調査をもとに、児童生徒が実際に利用しているサイトや、ネットで起きている事象とその被害など、実態に即した実践的ネットリテラシー教育を展開していきます。
ピットクルーはWebサイトの有人監視を中心に、サイトの「健全運営」実現への寄与を企業ビジョンとしてきました。今後はサイトの「健全利用」=児童生徒のネットリテラシー教育にも力を注ぎ、サイト運営者と利用者双方に「安全・安心」を提供する「健全なネット環境作りのサポート会社」を目指して事業領域を広げていく方針です。本年3月には「子どもたちのインターネット利用について考える研究会」( http://www.child-safenet.jp/ )に事務局協力会社として参画するなど、すでに新たな事業領域への取り組みをはじめています。
今回の調査は、中学生のネット利用実態調査を目的とするもの。公立中学校と民間Web監視会社が共同で中学校全校生徒を対象にネット利用実態を調査するという、類例のない調査となりました。
アンケートの分析結果から、都心部における中学生のネット利用実態が明らかになりました。さらにネットリテラシー教育の効果を考えるとき、学年や性別など生徒の属性を考慮したきめ細かな対応が必要であることが浮き彫りになりました。
■アンケート実施の背景
本年1〜2月、ピットクルーは日本橋中学校から要請を受け、職場体験授業を受け入れました。この際、授業に参加した生徒を対象にネット利用実態を調査したところ、携帯電話所有率やトラブル体験などについて興味深い調査結果が得られました。そこで日本橋中学校全校生徒のネット利用実態を把握し、ネットリテラシー教育に反映させることを目的とし、日本橋中学校と共同でアンケート調査を実施しました。
■アンケートの概要と調査結果サマリー
【調査概要】
調査名 :「中学生のインターネット利用に関する調査」
調査機関 :ピットクルー株式会社
調査対象 :中央区立日本橋中学校325名
調査期間 :2009年2月17日〜2009年3月6日
有効回答者数:324名(男子166名、女子158名)
【調査結果サマリー】
日本橋中学校生徒の携帯電話所有率は80%で、文部科学省が公表した中学2年生の携帯電話所有率全国平均*を大きく上回りました。携帯電話をはじめて所有した時期は、「小学5年生〜中学1年生」が多く、中学3年生よりも中学1年生の方が低学年から携帯電話を所有していることが分かりました。
パソコンや携帯電話のネット利用で「怖い」と思った経験がある生徒は22%に及びました。全学年を通じて男子より女子の方が「怖い」経験をした割合が高く、さらに女子の方が注意意識を強く持ってネットを利用していることが分かりました。
■8割の生徒が携帯電話を所有し、半数が週7日利用
携帯電話所有率は1年生が75%、2年生が81%、3年生が84%で、文部科学省が公表した中学2年生の携帯電話所有率全国平均(45.9%)*を大きく上回りました。情報通信の高度化が著しい都心を生活拠点にしていることが主な理由だと考えられます。男女を比較すると、男子(73%)よりも女子(87%)の方が高い所有率でした。利用頻度に関する質問では、約半数が「週7日利用する」と回答しました。
パソコンの所有形態について尋ねると、「家族共用」という回答が多数ありました。これに対して携帯電話は「自分だけの情報ツール」として高頻度で利用されている実態がうかがえます。
携帯電話をはじめて所有した時期は、「小学校5年生〜中学1年生」が70%を占めています。詳細に見ると、学年が下がるほど所有時期が早まる傾向がありました。男女別にみると、女子の方が早い時期に所有する傾向がありました。
* 文部科学省が2009年2月に公表した「子どもの携帯電話等の利用に関する調査結果」より
■パソコンでは情報検索と動画閲覧、携帯電話ではコミュニティを利用
どのようなサイトを利用しているかジャンルを尋ねると、パソコンからよく利用しているのは「ポータル・検索」であり、40%近い生徒が利用しているとしています。動画閲覧という回答も30%近くありました。
携帯電話からよく利用しているのは「コミュニティ」(30%)でした。男女の回答を比較すると、コミュニティを利用しているのは主に女子で、男子はコミュニティよりもポータル・検索を利用しているという回答が多くありました。男子は情報を求めて検索を動的に活用し、女子は静的にコミュニティスペースを利用する傾向にあるといえます。「男子=動的」「女子=静的」という、古今東西を問わず児童生徒の遊び方にみられる典型的パターンが、ネット利用にも例外なく現れることを示しています。
■5人に1人がネットで「怖い」経験
“インターネットをしていて「怖い」と思ったことはありますか?”という質問では、22%の生徒が「ある」と回答しました。男女を比較すると、男子が15%だったのに対して女子は30%と、大きな差がありました。特に3年生女子は50%が「ある」と回答しています。
どのような事象を「怖い」と思ったか尋ねたところ、「荒らし・誹謗中傷」(26%)が最も多く、次いで「ワンクリック詐欺」(19%)、「意図しないサイトへの遷移」(19%)でした。男女を比較すると、男子は「ワンクリック詐欺」(32%)、女子は「荒らし・誹謗中傷」(32%)が最も多い回答でした。
“インターネットをするときに注意するように心がけていることがありますか”という質問では、女子の63%が何らかの心がけが必要だと感じていると回答しました。男子は同様の回答が40%と、やや低い値でした。
「怖い」経験と同様、ネット利用時に心がけが必要だと感じている生徒は3年生女子が最も多く、3年生女子の実に77%が「必要」だと回答しています。このように顕著な結果が出た背景には、3年生女子が日常的に継続してコミュニティを利用していることが関係していると考えられます。
■<まとめ> きめ細かなネットリテラシー教育が必要
中学生のネット利用実態は、学年や性別によって行動や考え方に大きな違いがあることが分かりました。身体的にも精神的にも大きな成長を遂げる年代であり、ネットリテラシーの形成は日常生活のさまざまな要素に影響を受けると考えられます。したがってネットリテラシー教育を実施する場合は、学年や性別ごとのネット利用実態を注視すべきであり、ときには生徒の特性に応じたプログラム内容の細分化が必要であると考えられます。
中央区立日本橋中学校 田部井 重雄校長のコメント:
今回は企業による調査ということで、生徒は正直に書いてくれたと思います。調査結果をもとに、生徒が携帯電話をより安全に使うための「持たせ方」「使わせ方」を保護者の方々とも考えていきたいと思います。
ピットクルーは今回の調査をもとに、児童生徒が実際に利用しているサイトや、ネットで起きている事象とその被害など、実態に即した実践的ネットリテラシー教育を展開していきます。
ピットクルーはWebサイトの有人監視を中心に、サイトの「健全運営」実現への寄与を企業ビジョンとしてきました。今後はサイトの「健全利用」=児童生徒のネットリテラシー教育にも力を注ぎ、サイト運営者と利用者双方に「安全・安心」を提供する「健全なネット環境作りのサポート会社」を目指して事業領域を広げていく方針です。本年3月には「子どもたちのインターネット利用について考える研究会」( http://www.child-safenet.jp/ )に事務局協力会社として参画するなど、すでに新たな事業領域への取り組みをはじめています。