新しい熱可塑CFRP向けプリプレグの開発
[16/09/26]
提供元:@Press
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この度、カジレーネ株式会社は、三菱ガス化学株式会社、国立大学法人 岐阜大学との産学共同研究で、炭素繊維と熱可塑性樹脂繊維が高次元で分散されたコミングルヤーンを開発しました。コミングルヤーンとはテキスタイル加工の後、加熱・圧縮・冷却のプロセスを経ることで炭素繊維強化熱可塑性プラスチックス(CFRTP)となるプリプレグヤーンの一種です。また、コミングルヤーンは繊維状であることから、これまでのCFRTPでは実現が困難であった複雑なテキスタイル加工を用いた成形品の作製が可能となり、炭素繊維と樹脂繊維の高次元での分散によってCFRTPの高サイクル成形を実現します。
開発にあたり、共同研究パートナーである三菱ガス化学株式会社からは低吸水性を特長とするポリアミド樹脂(LEXTER(TM)樹脂)の供給を受け、国立大学法人 岐阜大学には作製方法の技術的サポート、コミングルヤーン及び成形品の特性評価等、研究面でのサポートを受けております。また、専用の糸加工機をグループ企業の株式会社梶製作所で作製することで、エンジニアリング面においても独自のノウハウが注入されております。
【背景】
昨今、鉄より強くアルミより軽い材料である、炭素繊維強化プラスチックス(CFRP)が金属材料に替わる材料として、非常に注目を集めています。中でも成形に化学反応を伴わない熱可塑性樹脂を母材樹脂として用いた、炭素繊維強化熱可塑性プラスチックス(CFRTP)がリサイクル性、二次加工性、高サイクル成形性に優れる点から期待されています。しかし、熱可塑性樹脂の溶融時の粘度が熱硬化性樹脂の硬化前の粘度と比較して非常に高いものが多く、成形時における樹脂含浸が難しいといった課題があります。樹脂含浸が十分でないと、CFRPの強さは発揮されません。この含浸の問題がCFRTPの成形時間の短縮への障壁となっているのが現状です。
また、複合材料先進国の欧州では3次元織物強化や組物強化等のテキスタイルコンポジットの考え方が主流ですが、日本のCFRTP業界においては熱可塑性樹脂の難含浸性の課題から強化形態は平織や綾織、一方向強化のような単純なものが中心となる傾向がみられており、この点においても欧州に遅れをとっている現状があります。
【新技術の概要】
この度新たに開発したコミングルヤーンは、炭素繊維と樹脂繊維が高次元で均一に分散されており、成形時は樹脂繊維が溶融することで母材樹脂となります。また、熱可塑性樹脂であればどのような繊維も使用することができます。炭素繊維は数千〜数万本のフィラメント群から構成されており、混繊糸はこのフィラメント群の内部から樹脂含浸が始まるため、含浸時間の短縮が可能になり、成形時間の短縮が実現できます。編物強化や組物強化CFRTPの成形は、テキスタイル加工後に基材外部より樹脂を含浸させることが難しいですが、コミングルヤーンであれば樹脂を含浸させることが可能となります。また、現在広く使用されている織物強化CFRTPにおいても、コミングル織物では成形時における含浸時間の短縮のみならず、コミングル織物の持つドレープ性に起因した高い賦形性が発揮されます。
また、織物強化基材の様な編物強化基材、組物強化基材と比較してシンプルなテキスタイル加工を対象として、コミングルヤーンの持つテキスタイル加工性は維持しつつ、含浸に特化させた半含浸タイプのコミングルヤーンも併せて開発致しました。
両コミングルヤーンの特長として高い含浸特性とテキスタイル加工性の他にも、繊維状であれば任意の熱可塑性樹脂が使用できる点や、高いVf(炭素繊維体積含有率)コントロール性があります。
<コミングルヤーン(ドライ)外観>
https://www.atpress.ne.jp/releases/112351/img_112351_1.jpg
<半含浸コミングルヤーン外観>
https://www.atpress.ne.jp/releases/112351/img_112351_2.jpg
≪アプリケーション例≫
<織物状プリプレグ>
https://www.atpress.ne.jp/releases/112351/img_112351_3.jpg
<組紐引抜パイプ>
https://www.atpress.ne.jp/releases/112351/img_112351_4.jpg
<半球状成形品>
https://www.atpress.ne.jp/releases/112351/img_112351_5.jpg
【販売方針】
標準材料は炭素繊維12K及び6Kと三菱ガス化学株式会社より低吸水ポリアミド樹脂「LEXTER(TM)/レクスター」の供給を受け、同社による材料面の最適化を実施致しました。また、12K、6K共にドライタイプと半含浸タイプのコミングルヤーンをご用意致しております。当面は糸形態による提供を行い、並行して織、編、組の三大テキスタイル強化をはじめとした、様々なテキスタイル加工を用いたCFRTPの用途開発を行っており、国立大学法人 岐阜大学の指導の下、組紐引抜パイプやCFRTP向けNCF(ノンクリンプファブリック)基材の開発にも成功致しました。また、ポリアミド以外の樹脂によるコミングルヤーンの開発もニーズに合わせて進めて参ります。
尚、当社では9月28日〜30日に東京ビッグサイトにて開催されますN+(エヌプラス)展示会に、コミングルヤーン及びNCF、それらの成形品を出展(U-25 アイティシー株式会社ブース内)し、当材料の訴求を行います。
【会社概要】
会社名 : カジレーネ株式会社
所在地 : 〒929-1215 石川県かほく市高松ノ75番地2
代表者 : 代表取締役社長 梶 政隆
創業 : 1950(昭和25)年11月
事業内容: 合繊長繊維織物製造
URL : http://www.kajigroup.co.jp/index.php
開発にあたり、共同研究パートナーである三菱ガス化学株式会社からは低吸水性を特長とするポリアミド樹脂(LEXTER(TM)樹脂)の供給を受け、国立大学法人 岐阜大学には作製方法の技術的サポート、コミングルヤーン及び成形品の特性評価等、研究面でのサポートを受けております。また、専用の糸加工機をグループ企業の株式会社梶製作所で作製することで、エンジニアリング面においても独自のノウハウが注入されております。
【背景】
昨今、鉄より強くアルミより軽い材料である、炭素繊維強化プラスチックス(CFRP)が金属材料に替わる材料として、非常に注目を集めています。中でも成形に化学反応を伴わない熱可塑性樹脂を母材樹脂として用いた、炭素繊維強化熱可塑性プラスチックス(CFRTP)がリサイクル性、二次加工性、高サイクル成形性に優れる点から期待されています。しかし、熱可塑性樹脂の溶融時の粘度が熱硬化性樹脂の硬化前の粘度と比較して非常に高いものが多く、成形時における樹脂含浸が難しいといった課題があります。樹脂含浸が十分でないと、CFRPの強さは発揮されません。この含浸の問題がCFRTPの成形時間の短縮への障壁となっているのが現状です。
また、複合材料先進国の欧州では3次元織物強化や組物強化等のテキスタイルコンポジットの考え方が主流ですが、日本のCFRTP業界においては熱可塑性樹脂の難含浸性の課題から強化形態は平織や綾織、一方向強化のような単純なものが中心となる傾向がみられており、この点においても欧州に遅れをとっている現状があります。
【新技術の概要】
この度新たに開発したコミングルヤーンは、炭素繊維と樹脂繊維が高次元で均一に分散されており、成形時は樹脂繊維が溶融することで母材樹脂となります。また、熱可塑性樹脂であればどのような繊維も使用することができます。炭素繊維は数千〜数万本のフィラメント群から構成されており、混繊糸はこのフィラメント群の内部から樹脂含浸が始まるため、含浸時間の短縮が可能になり、成形時間の短縮が実現できます。編物強化や組物強化CFRTPの成形は、テキスタイル加工後に基材外部より樹脂を含浸させることが難しいですが、コミングルヤーンであれば樹脂を含浸させることが可能となります。また、現在広く使用されている織物強化CFRTPにおいても、コミングル織物では成形時における含浸時間の短縮のみならず、コミングル織物の持つドレープ性に起因した高い賦形性が発揮されます。
また、織物強化基材の様な編物強化基材、組物強化基材と比較してシンプルなテキスタイル加工を対象として、コミングルヤーンの持つテキスタイル加工性は維持しつつ、含浸に特化させた半含浸タイプのコミングルヤーンも併せて開発致しました。
両コミングルヤーンの特長として高い含浸特性とテキスタイル加工性の他にも、繊維状であれば任意の熱可塑性樹脂が使用できる点や、高いVf(炭素繊維体積含有率)コントロール性があります。
<コミングルヤーン(ドライ)外観>
https://www.atpress.ne.jp/releases/112351/img_112351_1.jpg
<半含浸コミングルヤーン外観>
https://www.atpress.ne.jp/releases/112351/img_112351_2.jpg
≪アプリケーション例≫
<織物状プリプレグ>
https://www.atpress.ne.jp/releases/112351/img_112351_3.jpg
<組紐引抜パイプ>
https://www.atpress.ne.jp/releases/112351/img_112351_4.jpg
<半球状成形品>
https://www.atpress.ne.jp/releases/112351/img_112351_5.jpg
【販売方針】
標準材料は炭素繊維12K及び6Kと三菱ガス化学株式会社より低吸水ポリアミド樹脂「LEXTER(TM)/レクスター」の供給を受け、同社による材料面の最適化を実施致しました。また、12K、6K共にドライタイプと半含浸タイプのコミングルヤーンをご用意致しております。当面は糸形態による提供を行い、並行して織、編、組の三大テキスタイル強化をはじめとした、様々なテキスタイル加工を用いたCFRTPの用途開発を行っており、国立大学法人 岐阜大学の指導の下、組紐引抜パイプやCFRTP向けNCF(ノンクリンプファブリック)基材の開発にも成功致しました。また、ポリアミド以外の樹脂によるコミングルヤーンの開発もニーズに合わせて進めて参ります。
尚、当社では9月28日〜30日に東京ビッグサイトにて開催されますN+(エヌプラス)展示会に、コミングルヤーン及びNCF、それらの成形品を出展(U-25 アイティシー株式会社ブース内)し、当材料の訴求を行います。
【会社概要】
会社名 : カジレーネ株式会社
所在地 : 〒929-1215 石川県かほく市高松ノ75番地2
代表者 : 代表取締役社長 梶 政隆
創業 : 1950(昭和25)年11月
事業内容: 合繊長繊維織物製造
URL : http://www.kajigroup.co.jp/index.php