メガネレンズ 2009年販売動向 国内人口の少子高齢化に伴い、遠近両用累進レンズの動向に注目
[10/07/30]
提供元:@Press
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ジーエフケー・ライフスタイルトラッキング・ジャパン株式会社(所在地:東京都中野区、代表取締役社長:朝比奈 進)は、全国有力眼鏡小売チェーン店(以下、眼鏡チェーン店)の販売実績を基に、2009年のメガネレンズ市場の販売動向(注1)について発表した。
【概要】
・プラスチック単焦点レンズが枚数ベースで市場の78.5%、プラスチック累進レンズは17.1%を占めた。
・プラスチック単焦点レンズの売れ筋屈折率は1.60とより薄型レンズ志向に。
・プラスチック累進レンズの累進設計別枚数構成比は外面79.3%、内面5.3%、両面15.3%となった。
【素材・焦点種類別枚数構成比】
素材別の販売枚数構成比では、軽さを重視したプラスチックレンズが全体の98.3%を占めた。また、プラスチックレンズを焦点種類別に見ると、単焦点レンズ(近視・遠視用)が78.5%、累進レンズ(老視用、境目のないレンズ)が17.1%、二重焦点レンズ(老視用)が2.7%であった(図1)。老視用では、境目のない累進レンズが主流となっていることが明らかである。
図1: 素材、焦点種類別枚数構成比
URL: http://www.atpress.ne.jp/releases/16066/1_1.jpg
【1枚当たり平均価格】
プラスチックレンズの焦点種類別平均価格の推移を見てみると図2のようになった。市場の大勢を占めている単焦点レンズと累進レンズの価格が、それぞれ緩やかに下降している。
ジーエフケー・ライフスタイルトラッキング・ジャパンが実施した消費者調査(注1)の結果から、消費者はメガネ購入店を選ぶ際、「価格の安さ」を最も重視する傾向にあることが判明している。特に、フレームとレンズ一式で価格付けする販売形態への人気が高まり、購入店の決定理由には「定額セット価格が安かった」が最も高く挙げられた。
従来型眼鏡チェーン店でもリーズナブルなセット販売コーナーを設置、拡張する店が増加しており、セット購入形式を選択する消費者の比率が上がっていると思われる。
消費者調査結果から、2009年調査ではメガネ一式平均価格が25,117円であったのに対し、2010年調査では21,138円と約4,000円下がっている。レンズ市場は、消費者の低価格志向の影響を受け、今後も平均価格が下がる傾向にある。
図2: 1枚当たり平均価格推移
URL: http://www.atpress.ne.jp/releases/16066/2_2.jpg
【単焦点プラスチックレンズ 屈折率別枚数構成比】
単焦点プラスチックレンズの屈折率別枚数構成比は、高屈折率(〜1.60)レンズが45.9%と約半数を占め、超高屈折率(1.67)以上のより薄いレンズの割合は25%であった。
消費者調査結果から、レンズ購入時の重視点として、全体の75%が「薄さ、軽さ」を挙げており、消費者は、「価格」に次いで、「より薄く、軽いレンズ」を求めていることが窺える。
単焦点プラスチックレンズ市場は、枚数ベースで市場の8割弱を占めるボリュームゾーンである。小売店は、消費者のニーズに答えていくため、より薄型のレンズを積極的に販売していくものと考えられることから、今後1.60以上の高屈折率レンズ構成比は高まるものと予測される。
図3: 単焦点プラスチックレンズ屈折率別枚数構成比
URL: http://www.atpress.ne.jp/releases/16066/3_3.jpg
【累進プラスチックレンズ 累進設計別枚数構成比】
累進プラスチックレンズのうち、現在最も実売アイテム数が多く、セット販売にも多く組み込まれる外面累進の比率は、枚数ベースで79.3%と圧倒的な構成比となっている。
より広い視野を確保し、ゆれやゆがみを軽減する内面累進レンズは5.3%、最高スペックでカスタムメイドが主流の両面累進レンズは15.3%であった(図4)。
図4: 累進プラスチックレンズ累進設計別枚数構成比
URL: http://www.atpress.ne.jp/releases/16066/4_4.jpg
2009年後半から2010年にかけて、大手レンズメーカーは単焦点プラスチックレンズの新製品発売をしていない中、累進プラスチックレンズを投入し、ラインナップの強化を図っている。ホヤから「ホヤラックス エフディークリアーク」、ニコンエシロールから「プレシオ・アドバンス」、セイコーから「インドアLD」、「パシュートCV」、東海光学から「ベルーナ レゾナスR」が発売された。
国内人口の少子高齢化に伴い、今後、メーカー、小売店双方が注力していく老視用の遠近両用累進レンズの動向がどのように推移するか注目したい。
(注1)GfKレンズデータ:協力眼鏡チェーン店より、アイテム単位で販売実績データを収集及び統計処理し、月次で市場拡大推計した販売動向。レンズデータにおいては、単焦点設計(球面、非球面、両面非球面)、累進タイプ(遠近、中近、近々)、累進設計(外面、内面、両面)、機能(遮光、調光、偏光)、屈折率、コート種類などの商品特性情報を付加しており、細かな市場分析が可能である。
(注2)2010年3月に実施したサンプル数、約5,500名(1年以内に視力矯正用メガネを購入した人)に対するインターネット消費者調査。
≪ジーエフケー・ライフスタイルトラッキング・ジャパンについて≫
ジーエフケー・ライフスタイルトラッキング・ジャパン株式会社は、家電製品などの耐久消費財実売データ、その他総合マーケティングサービスを提供する調査会社、GfKグループの関連会社である。オプティックス製品に特化した市場調査及びサービスを提供するべく、2007年10月にジーエフケー・オプティックス・ジャパン株式会社として設立された。対象とする事業分野の拡大に伴い、ジーエフケー・ライフスタイルトラッキング・ジャパン株式会社に社名を変更し、POSデータ・店舗監査データを基に推計した、市場代表性の高いマーケットデータと関連サービスを提供している。
【概要】
・プラスチック単焦点レンズが枚数ベースで市場の78.5%、プラスチック累進レンズは17.1%を占めた。
・プラスチック単焦点レンズの売れ筋屈折率は1.60とより薄型レンズ志向に。
・プラスチック累進レンズの累進設計別枚数構成比は外面79.3%、内面5.3%、両面15.3%となった。
【素材・焦点種類別枚数構成比】
素材別の販売枚数構成比では、軽さを重視したプラスチックレンズが全体の98.3%を占めた。また、プラスチックレンズを焦点種類別に見ると、単焦点レンズ(近視・遠視用)が78.5%、累進レンズ(老視用、境目のないレンズ)が17.1%、二重焦点レンズ(老視用)が2.7%であった(図1)。老視用では、境目のない累進レンズが主流となっていることが明らかである。
図1: 素材、焦点種類別枚数構成比
URL: http://www.atpress.ne.jp/releases/16066/1_1.jpg
【1枚当たり平均価格】
プラスチックレンズの焦点種類別平均価格の推移を見てみると図2のようになった。市場の大勢を占めている単焦点レンズと累進レンズの価格が、それぞれ緩やかに下降している。
ジーエフケー・ライフスタイルトラッキング・ジャパンが実施した消費者調査(注1)の結果から、消費者はメガネ購入店を選ぶ際、「価格の安さ」を最も重視する傾向にあることが判明している。特に、フレームとレンズ一式で価格付けする販売形態への人気が高まり、購入店の決定理由には「定額セット価格が安かった」が最も高く挙げられた。
従来型眼鏡チェーン店でもリーズナブルなセット販売コーナーを設置、拡張する店が増加しており、セット購入形式を選択する消費者の比率が上がっていると思われる。
消費者調査結果から、2009年調査ではメガネ一式平均価格が25,117円であったのに対し、2010年調査では21,138円と約4,000円下がっている。レンズ市場は、消費者の低価格志向の影響を受け、今後も平均価格が下がる傾向にある。
図2: 1枚当たり平均価格推移
URL: http://www.atpress.ne.jp/releases/16066/2_2.jpg
【単焦点プラスチックレンズ 屈折率別枚数構成比】
単焦点プラスチックレンズの屈折率別枚数構成比は、高屈折率(〜1.60)レンズが45.9%と約半数を占め、超高屈折率(1.67)以上のより薄いレンズの割合は25%であった。
消費者調査結果から、レンズ購入時の重視点として、全体の75%が「薄さ、軽さ」を挙げており、消費者は、「価格」に次いで、「より薄く、軽いレンズ」を求めていることが窺える。
単焦点プラスチックレンズ市場は、枚数ベースで市場の8割弱を占めるボリュームゾーンである。小売店は、消費者のニーズに答えていくため、より薄型のレンズを積極的に販売していくものと考えられることから、今後1.60以上の高屈折率レンズ構成比は高まるものと予測される。
図3: 単焦点プラスチックレンズ屈折率別枚数構成比
URL: http://www.atpress.ne.jp/releases/16066/3_3.jpg
【累進プラスチックレンズ 累進設計別枚数構成比】
累進プラスチックレンズのうち、現在最も実売アイテム数が多く、セット販売にも多く組み込まれる外面累進の比率は、枚数ベースで79.3%と圧倒的な構成比となっている。
より広い視野を確保し、ゆれやゆがみを軽減する内面累進レンズは5.3%、最高スペックでカスタムメイドが主流の両面累進レンズは15.3%であった(図4)。
図4: 累進プラスチックレンズ累進設計別枚数構成比
URL: http://www.atpress.ne.jp/releases/16066/4_4.jpg
2009年後半から2010年にかけて、大手レンズメーカーは単焦点プラスチックレンズの新製品発売をしていない中、累進プラスチックレンズを投入し、ラインナップの強化を図っている。ホヤから「ホヤラックス エフディークリアーク」、ニコンエシロールから「プレシオ・アドバンス」、セイコーから「インドアLD」、「パシュートCV」、東海光学から「ベルーナ レゾナスR」が発売された。
国内人口の少子高齢化に伴い、今後、メーカー、小売店双方が注力していく老視用の遠近両用累進レンズの動向がどのように推移するか注目したい。
(注1)GfKレンズデータ:協力眼鏡チェーン店より、アイテム単位で販売実績データを収集及び統計処理し、月次で市場拡大推計した販売動向。レンズデータにおいては、単焦点設計(球面、非球面、両面非球面)、累進タイプ(遠近、中近、近々)、累進設計(外面、内面、両面)、機能(遮光、調光、偏光)、屈折率、コート種類などの商品特性情報を付加しており、細かな市場分析が可能である。
(注2)2010年3月に実施したサンプル数、約5,500名(1年以内に視力矯正用メガネを購入した人)に対するインターネット消費者調査。
≪ジーエフケー・ライフスタイルトラッキング・ジャパンについて≫
ジーエフケー・ライフスタイルトラッキング・ジャパン株式会社は、家電製品などの耐久消費財実売データ、その他総合マーケティングサービスを提供する調査会社、GfKグループの関連会社である。オプティックス製品に特化した市場調査及びサービスを提供するべく、2007年10月にジーエフケー・オプティックス・ジャパン株式会社として設立された。対象とする事業分野の拡大に伴い、ジーエフケー・ライフスタイルトラッキング・ジャパン株式会社に社名を変更し、POSデータ・店舗監査データを基に推計した、市場代表性の高いマーケットデータと関連サービスを提供している。