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『武智鉄二という藝術 あまりにコンテンポラリーな』発売のお知らせ

株式会社水曜社(所在地:東京都新宿区)は、新刊『武智鉄二という藝術 あまりにコンテンポラリーな』を、2010年12月25日に刊行いたします


■著書内容
 豪放と虚栄、奢侈と零落……。芸術の落とし子「武智鉄二」は自らが時代を体現していた。

 武智鉄二。大正元年大阪梅田生まれ。京都帝国大学に進学し演劇評論家として個人雑誌「劇評」を刊行。実業家であった父の死後、莫大な資産を受け継ぐ。「断絃会」では私財を投入し古典芸能の保護育成に努め、「武智歌舞伎」では中村扇雀、坂東鶴之助の人気が沸騰。“扇鶴(せんかく)時代”とも呼ばれる。ここでは市川雷蔵を世に出すきっかけをつくり、さらには谷崎潤一郎、三島由紀夫らの人脈で現代劇やオペラの世界までその演出は広がる。新しい芸術理論の提唱者・実践者として武智の名は知られるようになるが……。

 後半生はポルノ映画をとり続ける。「黒い雪」は公開と同時に「わいせつ図画公然陳列罪」に問われ裁判となる。「白日夢」は愛染恭子・佐藤慶のホンバンが話題に。そして参議院選挙に自由民主党より出馬、落選。これらの仕事に対する評価は芳しくない。昭和63年7月、武智が生涯を閉じたときの新聞・雑誌の見出しは「ホンバン中にも背広にネクタイ 両極端を歩んだ奇才の死」、「『歌舞伎』から『ハードコア』まで 『革命』に命捧げた鬼才逝く」などであった。
 古典芸能関係者はいかに武智の業績が素晴らしかったかを語り、最後に小声で付け加える。「ポルノ映画さえやらなければ……」と。またポルノ映画関係者は「伝統芸能で鍛えられただけに、どこか違っていましたね」という。本書はこの「水と油」のような二つの世界で丹念な取材を試み、「武智鉄二という芸術」が何処から来て、何処へ向かおうとしていたのかを探る力作である。
 まもなく生誕百年を迎える「妖しい魅力を持つ芸術家」武智鉄二、初の評伝。


■著者について
森 彰英(もり あきひで)
東京都生まれ。東京都立大学(現・首都大学東京)卒。出版社編集者を経て独立。以後フリーとして取材執筆活動を続ける。主著として『イベントプロデューサー列伝』(日経BP社)、『行動する異端 秦豊吉と丸木砂土』(TBSブリタニカ)、『音羽の杜の遺伝子』(リヨン社)など。


■書籍情報
A5判/上製/本文360頁/2,940円(税込) 2010年12月25日発売
詳しい内容はWebサイトをご参照下さい。
URL : http://www.bookdom.net/suiyosha/1400yomim/1450takechi.html
発売: 株式会社水曜社 東京都新宿区1-14-12
URL : http://www.bookdom.net/suiyosha/
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