〜小惑星探査機「はやぶさ2」が採取した小惑星「リュウグウ」の初期分析を開始〜「化学分析チーム 分析開始式」を実施
[21/06/25]
提供元:@Press
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HORIBAグループで分析・サービス事業を担う株式会社堀場テクノサービス(本社:京都市南区、代表取締役社長:千原 啓生、以下、堀場テクノサービス)は、国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構(以下、JAXA)の小惑星探査機「はやぶさ2」が小惑星「リュウグウ(Ryugu)」から採取した砂や石といった試料の初期分析プロジェクトに、化学分析チームの一員として参画しています。化学分析チームが本格的に分析を開始することに伴い、24日、堀場テクノサービスの最先端ラボ「Analytical Solution Plaza(アナリティカル ソリューション プラザ)」で「化学分析チーム 分析開始式」を執り行いました。
リュウグウは太陽系形成初期の情報を保持しており、有機物や水を多く含む小惑星だと考えられています。太陽系と生命の起源や進化の謎を解き明かすため、リュウグウから採取した試料の分析には大きな期待が寄せられています。
画像1: https://www.atpress.ne.jp/releases/264340/LL_img_264340_1.jpg
左から、堀場テクノサービス 沼田、リガク 本間氏、東京理科大学 教授 中井氏、北海道大学 教授 圦本氏、東京理科大学 教授 由井氏、高輝度光科学研究センター 寺田氏、堀場テクノサービス 駒谷
■化学分析チームとは
リュウグウから採取した試料の初期分析は6つのチーム※1で行われます。化学分析チームは、リーダーを務める北海道大学の圦本 尚義(ゆりもと ひさよし)教授を筆頭に、大学、研究機関、企業から総勢約50名で構成されています。リュウグウ試料の化学的な特徴を明らかにするため、試料を構成する元素の種類や比率といった化学組成や元素の同位体※2組成などを分析します。これらの分析により、リュウグウと地球に降り注ぐ隕石の種類との関係を明らかにし、リュウグウの起源と成因を探ります。こうした取り組みを通じてデータや知見を積み重ねていくことにより、太陽系や生命の起源、進化の謎の解明に近づいていくことが期待されています。
■HORIBAの役割
株式会社堀場製作所の蛍光X線分析※3装置を用いて、リュウグウの試料に含まれる元素を非破壊、非接触で分析します。本分析に用いる試料はごく微量であるため、高精度な微量分析を得意とする堀場テクノサービスも参画することとなりました。また、炭素の状態分析や分子構造の違いから鉱物の種類を特定するラマン分光分析※4も行う予定です。
■化学分析チーム 分析開始式概要
日時 :2021年6月24日 11時00分〜11時30分
場所 :株式会社堀場テクノサービス 京都本社 1階
参加者:化学分析チーム
北海道大学 大学院理学研究院 教授 理学博士(化学分析チーム リーダー)
圦本 尚義
東京理科大学 名誉教授 理学博士
中井 泉
東京理科大学 教授 博士(工学)
由井 宏治
公益財団法人 高輝度光科学研究センター
放射光利用研究基盤センター 主幹研究員 博士(理学)
寺田 靖子
株式会社リガク X線機器事業部
SBU WDX 大阪分析センター 博士(理学)
本間 寿
株式会社堀場テクノサービス 分析技術本部 本部長 博士(工学)
駒谷 慎太郎
株式会社堀場テクノサービス 分析技術本部
Analytical Technology Department 部長
沼田 朋子
式次第:
11:00〜11:10 ご挨拶 化学分析チームの役割と意義について(圦本 尚義)
11:10〜11:20 試料引き渡し(圦本 尚義、本間 寿、沼田 朋子)
11:20〜11:30 分析開始 宣言(本間 寿、沼田 朋子)
北海道大学 教授 圦本氏 挨拶要旨
初期分析によって明らかになったことを基に、後に続く研究によって科学(サイエンス)が花開き、太陽系や生命の起源に迫っていくことになります。そのために、初期分析・化学分析チームでは小惑星「リュウグウ」がどういったものなのか、元素の種類や量など化学的な特徴を明らかにして、データベースとして世界の研究者に提供する責任があると考えています。
今後一年をかけて詳細分析をし、その役割を果たしたいと思います。
画像2: https://www.atpress.ne.jp/releases/264340/LL_img_264340_2.jpg
試料の引き渡し 左から、堀場テクノサービス 沼田、北海道大学教授 圦本氏、リガク 本間氏
画像3: https://www.atpress.ne.jp/releases/264340/LL_img_264340_3.jpg
リュウグウの試料を分析する蛍光X線分析装置
画像4: https://www.atpress.ne.jp/releases/264340/LL_img_264340_4.jpg
リュウグウの試料を分析する蛍光X線分析装置
【ご参考:「リュウグウ」初期分析に関わる動き】
はやぶさ2は2014年12月にJAXA種子島宇宙センターから打ち上げられ、2020年12月にリュウグウ試料の入ったカプセルが地球へと送り届けられました。サンプル帰還後は、JAXAでサンプルの初期観察となるキュレーション活動が行われてきました。初期分析チームに6月17日に試料の引き渡しが行われ、今後約1年をかけて分析が行われます。初期分析後は、試料の保管や、分析を行うための国際公募などが行われます。
※1 化学分析チーム、石の物質分析チーム、砂の物質分析チーム、揮発性成分分析チーム、固体有機物分析チーム、可溶性有機物分析チーム
※2 同位体:原子番号が同じで質量数の異なる原子
※3 蛍光X線分析:
X線を物質に照射することにより発生する、元素固有のX線(蛍光X線)を捉えることで、その物質に含まれる元素の種類と量を評価する分析手法
※4 ラマン分光分析:
物質に光を照射し、試料から散乱されるラマン散乱光を検出することで、試料の分子構造同定や物性を評価する分析手法
リュウグウは太陽系形成初期の情報を保持しており、有機物や水を多く含む小惑星だと考えられています。太陽系と生命の起源や進化の謎を解き明かすため、リュウグウから採取した試料の分析には大きな期待が寄せられています。
画像1: https://www.atpress.ne.jp/releases/264340/LL_img_264340_1.jpg
左から、堀場テクノサービス 沼田、リガク 本間氏、東京理科大学 教授 中井氏、北海道大学 教授 圦本氏、東京理科大学 教授 由井氏、高輝度光科学研究センター 寺田氏、堀場テクノサービス 駒谷
■化学分析チームとは
リュウグウから採取した試料の初期分析は6つのチーム※1で行われます。化学分析チームは、リーダーを務める北海道大学の圦本 尚義(ゆりもと ひさよし)教授を筆頭に、大学、研究機関、企業から総勢約50名で構成されています。リュウグウ試料の化学的な特徴を明らかにするため、試料を構成する元素の種類や比率といった化学組成や元素の同位体※2組成などを分析します。これらの分析により、リュウグウと地球に降り注ぐ隕石の種類との関係を明らかにし、リュウグウの起源と成因を探ります。こうした取り組みを通じてデータや知見を積み重ねていくことにより、太陽系や生命の起源、進化の謎の解明に近づいていくことが期待されています。
■HORIBAの役割
株式会社堀場製作所の蛍光X線分析※3装置を用いて、リュウグウの試料に含まれる元素を非破壊、非接触で分析します。本分析に用いる試料はごく微量であるため、高精度な微量分析を得意とする堀場テクノサービスも参画することとなりました。また、炭素の状態分析や分子構造の違いから鉱物の種類を特定するラマン分光分析※4も行う予定です。
■化学分析チーム 分析開始式概要
日時 :2021年6月24日 11時00分〜11時30分
場所 :株式会社堀場テクノサービス 京都本社 1階
参加者:化学分析チーム
北海道大学 大学院理学研究院 教授 理学博士(化学分析チーム リーダー)
圦本 尚義
東京理科大学 名誉教授 理学博士
中井 泉
東京理科大学 教授 博士(工学)
由井 宏治
公益財団法人 高輝度光科学研究センター
放射光利用研究基盤センター 主幹研究員 博士(理学)
寺田 靖子
株式会社リガク X線機器事業部
SBU WDX 大阪分析センター 博士(理学)
本間 寿
株式会社堀場テクノサービス 分析技術本部 本部長 博士(工学)
駒谷 慎太郎
株式会社堀場テクノサービス 分析技術本部
Analytical Technology Department 部長
沼田 朋子
式次第:
11:00〜11:10 ご挨拶 化学分析チームの役割と意義について(圦本 尚義)
11:10〜11:20 試料引き渡し(圦本 尚義、本間 寿、沼田 朋子)
11:20〜11:30 分析開始 宣言(本間 寿、沼田 朋子)
北海道大学 教授 圦本氏 挨拶要旨
初期分析によって明らかになったことを基に、後に続く研究によって科学(サイエンス)が花開き、太陽系や生命の起源に迫っていくことになります。そのために、初期分析・化学分析チームでは小惑星「リュウグウ」がどういったものなのか、元素の種類や量など化学的な特徴を明らかにして、データベースとして世界の研究者に提供する責任があると考えています。
今後一年をかけて詳細分析をし、その役割を果たしたいと思います。
画像2: https://www.atpress.ne.jp/releases/264340/LL_img_264340_2.jpg
試料の引き渡し 左から、堀場テクノサービス 沼田、北海道大学教授 圦本氏、リガク 本間氏
画像3: https://www.atpress.ne.jp/releases/264340/LL_img_264340_3.jpg
リュウグウの試料を分析する蛍光X線分析装置
画像4: https://www.atpress.ne.jp/releases/264340/LL_img_264340_4.jpg
リュウグウの試料を分析する蛍光X線分析装置
【ご参考:「リュウグウ」初期分析に関わる動き】
はやぶさ2は2014年12月にJAXA種子島宇宙センターから打ち上げられ、2020年12月にリュウグウ試料の入ったカプセルが地球へと送り届けられました。サンプル帰還後は、JAXAでサンプルの初期観察となるキュレーション活動が行われてきました。初期分析チームに6月17日に試料の引き渡しが行われ、今後約1年をかけて分析が行われます。初期分析後は、試料の保管や、分析を行うための国際公募などが行われます。
※1 化学分析チーム、石の物質分析チーム、砂の物質分析チーム、揮発性成分分析チーム、固体有機物分析チーム、可溶性有機物分析チーム
※2 同位体:原子番号が同じで質量数の異なる原子
※3 蛍光X線分析:
X線を物質に照射することにより発生する、元素固有のX線(蛍光X線)を捉えることで、その物質に含まれる元素の種類と量を評価する分析手法
※4 ラマン分光分析:
物質に光を照射し、試料から散乱されるラマン散乱光を検出することで、試料の分子構造同定や物性を評価する分析手法