グリシン含有食品により口腔衛生状態が改善する可能性を確認
[21/06/30]
提供元:@Press
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健康食品及び医薬品などを製造・販売する株式会社ファイン(本社:大阪市東淀川区、代表取締役:佐々木 信綱)は、九州歯科大学歯学部口腔保健学科 秋房住郎教授と共同し、口腔内細菌に及ぼすグリシン含有食品(ファイングリシンうるおいナール(R))の影響についての研究を実施しました。研究により、介護保険施設に入所する高齢者を対象に就寝前にファイングリシンうるおいナール(R)を摂取していただくと、口腔衛生状態が改善する可能性が示唆されました。
目的
高齢者の口腔内は不衛生になりがちであり、それに伴い虫歯や誤嚥性肺炎を引き起こすことが知られています。高齢者の口腔ケアは介護者の負担も大きいため、安全かつ簡便な口腔ケア素材が望まれています。アミノ酸の一種であるグリシンは細菌の増殖を抑制することが知られていますが、グリシンを添加した食品が口腔細菌に与える影響については不明な点が多くあります。介護保険施設に入所する高齢者では口腔衛生管理が必要な方が多いことから、グリシン含有食品(ファイングリシンうるおいナール(R))を就寝前に摂取することで口腔衛生状態が変化するか、検証するため介入研究を行いました。
方法
介護保険施設5施設に入所する高齢者49人を対象として、グリシン3gを含有した食品(ファイングリシンうるおいナール(R))を摂取する群(介入群)とプラセボ食品を摂取する群(対照群)を無作為に割り付けました。試験食品は1週間、就寝前に摂取いただきました。介入群と対照群は、介入1か月後にそれぞれ反対の群に再度割り付け、試験食品を摂取いただきました。細菌カウンターにより口腔総細菌数、ADCHECK(R)(スコア1~5)により歯周病原性細菌由来のトリプシン様活性、およびTongue Coat Index(TCI)により舌苔の付着度を測定・評価しました。
画像 : https://newscast.jp/attachments/ntvC1BIlJQ0ZhZ6djRTi.jpg図1 ADCHECK(R)の測定方法
結果
介入前後で、介入群、対照群ともに、総細菌数、ADCHECK(R)スコアに変化は認められませんでした。一方、TCIは、介入群で介入後に有意に低下しました。また、介入後では、介入群は対照群に比べて有意に低下していました。ADCHECK(R)スコアがベースライン時に3以上の方(歯周病原性細菌の活動度の高い人)では、介入群で介入後に有意に低下していましたが、対照群では変化が認められませんでした。一方、ADCHECK(R)スコアがベースライン時に3以上の者においても、介入群、対照群ともに総細菌数に変化は認められませんでした。
これらの結果は、ファイングリシンうるおいナール(R)が舌苔を改善するとともに、病原性細菌の活動のみを低下させるということを示唆しています。
画像 : https://newscast.jp/attachments/0Jv2d7LoMLAxFYsWgST7.jpg表1 介入前後における各変数の変化
画像 : https://newscast.jp/attachments/9zWc1QYTJVFYIdR5mULH.jpg図2 介入前後におけるTongue Coat Indexの差 †: Wilcoxon signed-rank test, ‡: Mann-Whitney test
画像 : https://newscast.jp/attachments/2WZdqvzTRQA4O7pnoLLy.jpg図3 介入前のADCHECK(R)スコアが3以上の者の、介入前後におけるADCHECK(R)スコアの差 †: Wilcoxon signed-rank test, ‡: Mann-Whitney test
結論
介護保険施設に入所する高齢者を対象に就寝前にファイングリシンうるおいナール(R)を摂取させると口腔衛生状態が改善する可能性が示唆されました。ファイングリシンうるおいナール(R)は安全な食品であり、そのまま摂取できる口腔ケア剤として介護者や高齢者の負担を軽減できる可能性があります。
当社について
当社は、国立大学構内に、ファインバイオサイエンス研究所(FBRC(R))を設け、産学連携にて、新素材の開発や解析を進めています。また、自社原料を用いた製品開発を行い、自社工場にて製造しております。今後もお客様によりよい製品をお届けできるよう、製品の研究・開発に積極的に取り組んでまいります。
九州歯科大学について
所在地:〒803-8580福岡県北九州市小倉北区真鶴2-6-1
公立大学法人 九州歯科大学 : https://www.kyu-dent.ac.jp/
ファインの今後の展開
介護分野におけるグリシン含有製品(ファイングリシンうるおいナール(R))の開発に向けて取り組んでまいります。