リスモン調べ 第1回「借金王ランキング」調査実施〜借入にも戦略が必要!借金を上手に運用しているのはどの企業?!〜
[21/09/28]
提供元:@Press
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法人会員向けに与信管理ASPクラウドサービスを提供するリスクモンスター株式会社(本社:東京都中央区、代表取締役社長:藤本太一、以下リスモン)は、第1回「借金王ランキング」調査結果を発表いたしました。
[調査結果]
(1) 上位20社の6割が年商以上の有利子負債を有する!
決算短信記載の有利子負債を基に集計したところ、ランキング1位は「トヨタ自動車」(有利子負債25兆6,596億円)でした。次いで「ソフトバンクグループ」(同18兆5,130億円)が2位、「本田技研工業」(同7兆7,210億円)が3位となり、以下「日本電信電話」(同7兆6,243億円)、「日産自動車」(同7兆4,802億円)、「オリックス」(同7兆419億円)、「ソフトバンク」(同5兆6,926億円)と続きました。
上位20社の業種としては、自動車製造業、物品賃貸業、通信業、各種商品卸売業、電気小売業が3社ずつランクインしました。また、自動車製造業と通信業においては上位7社までに3社ずつランクインしており、有利子負債の多さが目立つ結果となりました。(図表A)
また、上位20社において売上規模と有利子負債を比較したところ、上位20社のうち12社が年商以上の有利子負債を有する結果となりました。上位企業には装置産業が多く、設備投資に要する借入金が嵩みやすいことが要因といえます。
また、トップ100については、図表Bにまとめました。
画像1: https://www.atpress.ne.jp/releases/277744/img_277744_1.png
図A ランキングベスト20
画像2: https://www.atpress.ne.jp/releases/277744/LL_img_277744_2.png
図B ランキングベスト100
(2)借入が多額でも、安全性は高水準!
有利子負債上位20社の「現預金」、「借入依存度」、「自己資本比率」について分析したところ、現預金では「トヨタ自動車」、「ソフトバンクグループ」、「楽天グループ」、「本田技研工業」、「日産自動車」が上位となり、上位20社中9社が1兆円超の手元資金を有していることがわかりました。
現預金と月商を比較した現預金回転期間(現預金÷月商)は、リスモンの倒産確率分析において高リスクが表れる「1か月未満」の企業は20社中2社のみであり、上位にランクインした企業の安全性がうかがえます。
借入依存度(総借入÷総資産×100)は、業種特性として借入金が嵩みやすい物品賃貸業と不動産業に該当する4社を除いて集計を行ったところ、リスモンの倒産確率分析において高リスクが現れる「50%超」の企業は16社中1社のみでした。借入依存度が50%を超過した場合に、金融機関からの追加融資が厳しくなるケースが多いことを考慮すると、上位にランクインしている企業においては、資金調達余力を残した状態で借入を行っている様子がうかがえます。
自己資本比率においては、リスモンの倒産確率分析において高リスクが表れる「30%未満」の企業は20社中12社あり、自己資本比率の面では高リスクの企業が半数を超える状態となっていますが、言い換えれば、財務レバレッジ(総資産÷自己資本)を効かせることで収益拡大につなげているという見方もできるでしょう。(図表C)
画像3: https://www.atpress.ne.jp/releases/277744/img_277744_3.png
図C ランキング上位企業 安全性分析
(3)借金を元手に、キャッシュを稼ぐ力を発揮する!
上場企業全体の収益力を図るため、EBITDAを集計したところ、ランキング1位は「トヨタ自動車」となり、「日本電信電話」が2位、「ソフトバンクグループ」が3位、以下「ソフトバンク」、「KDDI」と続きました。
有利子負債企業ランキング上位企業と、EBITDAランキングを比較したところ、11社が両方にランクインしており、借入金と収益力との間に相関性がうかがえる結果となりました。(図表D)
※EBITDA=営業利益(税引前当期純利益+特別損益+支払利息)+減価償却費
画像4: https://www.atpress.ne.jp/releases/277744/img_277744_4.png
図D EBITDAランキング
[総評]
企業が借金をする目的は、事業拡大と運転資金確保の2つに分けられます。一方、返済の目途が立たず資金繰りが限界に達すると倒産に至ることから、借金の多寡は倒産リスクに直結するといえます。本調査において、企業が保有する有利子負債を集計し、安全性・収益性の観点から分析を実施しました。
第1回借金王ランキングのトップの「トヨタ自動車」は、分析対象とした3つの財務指標(現預金回転期間、借入依存度、自己資本比率)において、いずれも安全性の高い水準で推移しており、多額の借入金を有しつつ高い安全性を維持していることが分かります。また、EBITDAランキングにおいてもトップであり、財務レバレッジを効かせた高い収益力を有しているといえるでしょう。
借金王ランキング第2位の「ソフトバンクグループ」は、現預金回転期間9.9か月と潤沢な手元資金を有しているほか、EBITDAランキングでは第3位にランクインしており、有利子負債を上手く活用して収益につなげている企業であるといえるでしょう。
無計画な借金は倒産リスクの上昇につながることから、綿密な事業計画のもとで、計画的な資金調達を行うことが重要です。その観点では、本ランキング上位企業は、借入金額は多いものの、安全性の低い企業はほとんど見られず、調達した資金を活用してキャッシュの創出につなげている点で、借金を上手に運用している企業といえます。
上場企業だけでなく中小企業にとっても、資金調達の方法・金額・タイミングは極めて重要な経営判断です。各企業が倒産リスクを見極め、適切な借入によって安全性と企業価値を高めることで、停滞した日本経済を活性化することに期待しています。
※ 本編はダイジェスト版です。詳細な内容は、以下掲載サイトよりご覧いただけます。
https://www.riskmonster.co.jp/rm-research/
[実施概要]
・調査名称 :第1回「借金王ランキング」調査
・調査方法 :決算書の分析結果に基づく調査
・調査対象決算期:2021年6月2日時点で開示されていた2020年4月期決算以降の最新決算
・調査対象企業 :決算短信提出企業
・調査対象企業数:3,151社(金融機関を除く)
■リスモン調べとは
リスモンが独自に調査するレポートのことです。これまでリスモンでは企業活動関連の調査として他にも「100年後も生き残ると思う日本企業調査」「環境への配慮が感じられる企業調査」や「この企業に勤める人と結婚したいアンケート調査」などを発表しており、今後も「企業活動」に関するさまざまな切り口の調査を実施することで、企業格付の更新に役立てていくとともに、情報発信を行うことで新しい調査ターゲットの創出、新サービスの開発などに取り組んでいます。
掲載サイトはこちら: https://www.riskmonster.co.jp/study/research/
■リスモンの概要(東京証券取引所第二部上場 証券コード:3768)
2000年9月設立。同年12月よりインターネットを活用した与信管理業務のアウトソーシングサービス、ASPサービス事業を開始しました。以来、法人会員向けビジネスを要にサービス分野を拡大し、各事業部門・子会社(与信管理サービス、ビジネスポータルサイト(グループウェアサービス等)およびBPOサービス)ごとに取り扱うサービスについて包括的な戦略を立案し、事業活動を展開しております。
リスモングループ法人会員数は、2021年6月末時点で13,430(内、与信管理サービス等6,870、ビジネスポータルサイト等3,175、教育関連3,385)となっております。
ホームページ: https://www.riskmonster.co.jp/
[調査結果]
(1) 上位20社の6割が年商以上の有利子負債を有する!
決算短信記載の有利子負債を基に集計したところ、ランキング1位は「トヨタ自動車」(有利子負債25兆6,596億円)でした。次いで「ソフトバンクグループ」(同18兆5,130億円)が2位、「本田技研工業」(同7兆7,210億円)が3位となり、以下「日本電信電話」(同7兆6,243億円)、「日産自動車」(同7兆4,802億円)、「オリックス」(同7兆419億円)、「ソフトバンク」(同5兆6,926億円)と続きました。
上位20社の業種としては、自動車製造業、物品賃貸業、通信業、各種商品卸売業、電気小売業が3社ずつランクインしました。また、自動車製造業と通信業においては上位7社までに3社ずつランクインしており、有利子負債の多さが目立つ結果となりました。(図表A)
また、上位20社において売上規模と有利子負債を比較したところ、上位20社のうち12社が年商以上の有利子負債を有する結果となりました。上位企業には装置産業が多く、設備投資に要する借入金が嵩みやすいことが要因といえます。
また、トップ100については、図表Bにまとめました。
画像1: https://www.atpress.ne.jp/releases/277744/img_277744_1.png
図A ランキングベスト20
画像2: https://www.atpress.ne.jp/releases/277744/LL_img_277744_2.png
図B ランキングベスト100
(2)借入が多額でも、安全性は高水準!
有利子負債上位20社の「現預金」、「借入依存度」、「自己資本比率」について分析したところ、現預金では「トヨタ自動車」、「ソフトバンクグループ」、「楽天グループ」、「本田技研工業」、「日産自動車」が上位となり、上位20社中9社が1兆円超の手元資金を有していることがわかりました。
現預金と月商を比較した現預金回転期間(現預金÷月商)は、リスモンの倒産確率分析において高リスクが表れる「1か月未満」の企業は20社中2社のみであり、上位にランクインした企業の安全性がうかがえます。
借入依存度(総借入÷総資産×100)は、業種特性として借入金が嵩みやすい物品賃貸業と不動産業に該当する4社を除いて集計を行ったところ、リスモンの倒産確率分析において高リスクが現れる「50%超」の企業は16社中1社のみでした。借入依存度が50%を超過した場合に、金融機関からの追加融資が厳しくなるケースが多いことを考慮すると、上位にランクインしている企業においては、資金調達余力を残した状態で借入を行っている様子がうかがえます。
自己資本比率においては、リスモンの倒産確率分析において高リスクが表れる「30%未満」の企業は20社中12社あり、自己資本比率の面では高リスクの企業が半数を超える状態となっていますが、言い換えれば、財務レバレッジ(総資産÷自己資本)を効かせることで収益拡大につなげているという見方もできるでしょう。(図表C)
画像3: https://www.atpress.ne.jp/releases/277744/img_277744_3.png
図C ランキング上位企業 安全性分析
(3)借金を元手に、キャッシュを稼ぐ力を発揮する!
上場企業全体の収益力を図るため、EBITDAを集計したところ、ランキング1位は「トヨタ自動車」となり、「日本電信電話」が2位、「ソフトバンクグループ」が3位、以下「ソフトバンク」、「KDDI」と続きました。
有利子負債企業ランキング上位企業と、EBITDAランキングを比較したところ、11社が両方にランクインしており、借入金と収益力との間に相関性がうかがえる結果となりました。(図表D)
※EBITDA=営業利益(税引前当期純利益+特別損益+支払利息)+減価償却費
画像4: https://www.atpress.ne.jp/releases/277744/img_277744_4.png
図D EBITDAランキング
[総評]
企業が借金をする目的は、事業拡大と運転資金確保の2つに分けられます。一方、返済の目途が立たず資金繰りが限界に達すると倒産に至ることから、借金の多寡は倒産リスクに直結するといえます。本調査において、企業が保有する有利子負債を集計し、安全性・収益性の観点から分析を実施しました。
第1回借金王ランキングのトップの「トヨタ自動車」は、分析対象とした3つの財務指標(現預金回転期間、借入依存度、自己資本比率)において、いずれも安全性の高い水準で推移しており、多額の借入金を有しつつ高い安全性を維持していることが分かります。また、EBITDAランキングにおいてもトップであり、財務レバレッジを効かせた高い収益力を有しているといえるでしょう。
借金王ランキング第2位の「ソフトバンクグループ」は、現預金回転期間9.9か月と潤沢な手元資金を有しているほか、EBITDAランキングでは第3位にランクインしており、有利子負債を上手く活用して収益につなげている企業であるといえるでしょう。
無計画な借金は倒産リスクの上昇につながることから、綿密な事業計画のもとで、計画的な資金調達を行うことが重要です。その観点では、本ランキング上位企業は、借入金額は多いものの、安全性の低い企業はほとんど見られず、調達した資金を活用してキャッシュの創出につなげている点で、借金を上手に運用している企業といえます。
上場企業だけでなく中小企業にとっても、資金調達の方法・金額・タイミングは極めて重要な経営判断です。各企業が倒産リスクを見極め、適切な借入によって安全性と企業価値を高めることで、停滞した日本経済を活性化することに期待しています。
※ 本編はダイジェスト版です。詳細な内容は、以下掲載サイトよりご覧いただけます。
https://www.riskmonster.co.jp/rm-research/
[実施概要]
・調査名称 :第1回「借金王ランキング」調査
・調査方法 :決算書の分析結果に基づく調査
・調査対象決算期:2021年6月2日時点で開示されていた2020年4月期決算以降の最新決算
・調査対象企業 :決算短信提出企業
・調査対象企業数:3,151社(金融機関を除く)
■リスモン調べとは
リスモンが独自に調査するレポートのことです。これまでリスモンでは企業活動関連の調査として他にも「100年後も生き残ると思う日本企業調査」「環境への配慮が感じられる企業調査」や「この企業に勤める人と結婚したいアンケート調査」などを発表しており、今後も「企業活動」に関するさまざまな切り口の調査を実施することで、企業格付の更新に役立てていくとともに、情報発信を行うことで新しい調査ターゲットの創出、新サービスの開発などに取り組んでいます。
掲載サイトはこちら: https://www.riskmonster.co.jp/study/research/
■リスモンの概要(東京証券取引所第二部上場 証券コード:3768)
2000年9月設立。同年12月よりインターネットを活用した与信管理業務のアウトソーシングサービス、ASPサービス事業を開始しました。以来、法人会員向けビジネスを要にサービス分野を拡大し、各事業部門・子会社(与信管理サービス、ビジネスポータルサイト(グループウェアサービス等)およびBPOサービス)ごとに取り扱うサービスについて包括的な戦略を立案し、事業活動を展開しております。
リスモングループ法人会員数は、2021年6月末時点で13,430(内、与信管理サービス等6,870、ビジネスポータルサイト等3,175、教育関連3,385)となっております。
ホームページ: https://www.riskmonster.co.jp/