〜2014年夏・トレンド予測レポート〜「夏は体の不調・変化が起きやすい」女性の約9割が回答!体調管理で注意すべき“三大リスク”は「夏バテ」「夏痩せ」「夏太り」今夏注目の対策法『菌活鍋』とは?クーラーや冷たい食べ物で体を冷やしがちな夏・・・健康志向の高まりとともに、夏メニューとして導入する飲食店も登場
[14/05/26]
提供元:@Press
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生活者の意識・実態に関する調査をおこなうトレンド総研(東京都渋谷区)は、2014年・夏のトレンドとして、『菌活鍋』に注目し、レポートいたします。
気温・湿度ともに高くなる日本の夏は、大量に汗をかいて体力を消耗したり、食欲が低下したりと、体調不良に陥りがちな環境と言えます。かといって、暑さ対策のためにエアコンの温度を下げたり、冷たいものを食べ過ぎたりすることも、かえって体を冷やしてしまい、さまざまな体の不調の原因につながってしまいます。
こうした中で、今年注目したいのが、夏の『菌活鍋』です。『菌活』とは、美容や健康を意識して継続的に「菌」を食べること。2012年頃から女性を中心に話題となり、菌を含む食材である「きのこ(菌類)」、「ヨーグルト・キムチ(乳酸菌)」、「納豆(納豆菌)」、「味噌・塩麹(麹菌)」などに注目が集まっています。専門家の本多 京子先生によると、夏にこうした菌活食材を「鍋」として楽しむことは、「夏痩せ」「夏太り」「夏バテ」などの夏特有の体調不良への対策につながるそうです。
そこで今回トレンド総研では、この『菌活鍋』をテーマに、女性たちの意識・実態調査の結果や、医学博士・管理栄養士である本多 京子先生へのインタビューコメントなどを紹介してまいります。また、メディアでも活躍する、アンチエイジングレストラン「Rire」のオーナー兼シェフ・堀 知佐子先生が提案する家庭向け『菌活鍋』レシピや、『菌活鍋』メニューを提供する飲食店についてもレポートいたします。
■レポート内容
1.【意識調査】「夏の体調管理」に関する意識・実態調査
2.【インタビュー1】医学博士に聞く『菌活鍋』で期待できる対策効果
3.【インタビュー2】漢方の専門家に聞く『菌活鍋』の漢方的考察
4.【レポート】ブロガーたちの『菌活ライフ』レポート
5.【家庭用レシピ】家庭で楽しめる『菌活鍋』レシピ
6.【店舗メニュー】外食で楽しめる『菌活鍋』メニュー
<1.【意識調査】「夏の体調管理」に関する意識・実態調査>
はじめに、20〜40代の女性300名を対象に、「夏の体調管理」に関する意識・実態を調査しました。
■「夏は体の不調・変化が起きやすい」女性の87%が回答
まず、「夏は体の不調・変化が起きやすいと思いますか?」と聞いたところ、87%の女性が「そう思う」と回答。また、「夏は体の不調・変化が気になりますか?」という質問でも、83%が「気になる」と答えました。8割以上と多くの女性が、夏の体調を不安に感じているようです。
そこで、気になる「夏の体の不調・変化」について具体的に聞いたところ、「夏バテ」(96%)という回答が最も多い結果に。その他、「夏太り」が約半数(49%)、「夏痩せ」が約4割(38%)にのぼりました。体調管理が難しい夏場は、さまざまな不調・変化を感じがちなようです。
さらに、夏は「暑さ対策」に注目が集まりがちである一方、クーラーなどの影響で「冷え対策」の必要性を感じる女性も多いようで、「夏に冷えを感じることはありますか?」という質問には88%と約9割が「ある」と答えています。
■夏の体調管理、対策法として『菌活鍋』に興味を持つ女性が約8割に
ちなみに、こうした体の不調・変化の対策をする上では、97%とほとんどの女性が「食事に気をつけることが重要」と答えています。特に、最近の『菌活』ブームを背景に、菌食を意識している人が多いようで、「普段の生活において体によい“菌”が含まれた食品を摂取するように意識していますか?」という質問には、83%が「意識している」と回答しています。なお、昨年度の調査(2013年4月実施)において同じ質問をした際に「意識している」と答えた割合は73%であり、比較すると10ポイントも増えていることになります。また、「菌活」という言葉自体の認知度もあがっており、昨年度(11%)と比べると、今年は40%と大幅にアップしています。なお、具体的に「意識して摂取している食品」としては、「ヨーグルト」(78%)、「納豆」(64%)、「きのこ」(51%)などが上位となりました。
また、今回のレポートのテーマにもとづき、「夏の体の不調・変化の対策手段として、体によい“菌”が含まれた食品を使った鍋メニュー(=『菌活鍋』)を食べてみたいと思いますか?」という質問をすると78%と約8割が「そう思う」と回答。女性たちの『菌活鍋』に対する興味・関心の高さがうかがえる結果となりました。
・グラフ画像
「Q.普段の生活において体によい“菌”が含まれた食品を摂取するように意識していますか?」
http://www.atpress.ne.jp/releases/46759/img_46759_1.jpg
「Q.夏の体の不調・変化の対策手段として、体によい“菌”が含まれた食品を使った鍋メニュー(=『菌活鍋』)を食べてみたいと思いますか?」
http://www.atpress.ne.jp/releases/46759/img_46759_2.jpg
[調査概要]
・調査期間:2014年4月21日(月)〜4月22日(火)
・調査対象:20〜40代 女性300名
・調査方法:インターネット調査
<2.【インタビュー1】医学博士に聞く『菌活鍋』で期待できる対策効果>
続いて、夏に体調を崩しがちになる主な原因と対策のポイントについて、医学博士・管理栄養士である本多 京子先生にお話をお伺いしました。
■夏に注意すべき“三大リスク”は「夏バテ」「夏痩せ」「夏太り」
高温多湿な日本の夏は、大量に汗をかいて体力を消耗したり、食欲が低下したりと、体調不良に陥りがちな環境と言えます。かといって、暑さ対策のためにエアコンの温度を下げたり、冷たいものを食べ過ぎたりすることも、かえって体を冷やしてしまい、さまざまな体の不調の原因につながってしまいます。
このように、「暑さ対策」と「冷え対策」の両方が求められる状況下で、特に近年注意すべきな“三大体調リスク”と言えるのが「夏バテ」「夏痩せ」「夏太り」です。
▼「夏バテ」のリスクについて
まず、「夏バテ」についてですが、特に現代人が注意したいのが「暑さ」と「冷え」がきっかけとなって起こる「自律神経失調型夏バテ」と言える体の不調です。
人間の体は季節やまわりの状況に合わせて体温を維持するようにできており、暑い夏が到来すると、血管が拡張して発汗が促され、この汗が皮膚の表面で蒸発して、体の表面の熱を奪い体温調節をしてくれます。
ところが、ちょっと暑ければクーラーをつけるという生活が続くと、自律神経の切り替えが適切に行なわれなくなることがあり、バランスを崩す原因となります。また、冷たい食べ物や飲み物で胃腸を冷やしたり、お風呂であたたまらずシャワーだけですませたり、汗をかくのがいやで外出しなかったりすることも、「冷え」につながるので要注意です。
▼「夏痩せ」のリスクについて
高温多湿な日本の夏においては、大量に汗をかくことで胃の消化力が低下して食欲不振になりやすく、「夏痩せ」につながってしまうことがあります。食欲が無いとつい「そうめん」のようなさっぱりとしてのど越しのよいものが中心の食事になりがちで、栄養不足を起こして夏痩せし、バテてしまうのです。
また、夏は発汗によって、体のエネルギー代謝を司るビタミン類、特に、B1などが不足することも。さらに夏はビールやジュースをとる機会も多くなるのでB1不足に拍車がかかることで、夏痩せと同時に、バテもひどくなってしまいます。
▼「夏太り」のリスクについて
一方で、最近では、暑さのストレスを解消するために、冷たいデザートの食べすぎ、ビールの飲みすぎのほか、スタミナ食をとることで、カロリーオーバーになってしまう例もあります。すると、「夏太り」と呼ばれる現象が起こります。
また、夏には、熱中症予防や暑さを解消するために、ついつい清涼飲料水やスポーツ飲料など、糖分を含むものを多く飲む人もいると思います。大量の糖分が体に入ると、血糖値が急上昇し、一時的には気分が高揚しますが、しばらくすると血糖値は急降下し、体はガックリと疲労してしまいます。さらには、こうした疲労をなんとか解消しようとスタミナ食をとることで、カロリーの過剰で太ってしまうという悪循環に陥る人もいます。
■“三大体調リスク”の対策法・・・おすすめは『菌活鍋』!冷えからくる不調の予防にも
こうした中で、夏でも健康を維持するためには、やはり「食事」が重要なポイントとなります。特におすすめしたいのが、最近話題になっている『菌活』です。『菌活』とは、体にとってよい菌が含まれる食べ物を積極的に摂ることを指します。「菌」の種類によって期待できる効果も異なり、例えば、味噌・塩麹・甘酒などに含まれる「麹菌」は整腸作用、「納豆菌」は血栓溶解作用、「菌類(きのこ)」の場合は免疫力アップなどの作用が期待できると言われています。
また、夏に『菌活』食材を摂る上でおすすめなのが『菌活鍋』。きのこ、味噌、お酢などの、鍋と相性の良い『菌活』食材を活用することで、おいしさとともに健康効果が期待できます。鍋というと、どうしても「冬」のイメージが強いのですが、アレンジがききやすい鍋メニューは夏にもぴったり。『菌活』食材をふんだんに使った鍋メニューで、「夏バテ対策」と「冷え対策」「夏太り対策」が同時に求められる日本の夏を、ぜひ元気に乗り切っていただきたいです。
[本多 京子(ほんだ・きょうこ)先生]
医学博士・管理栄養士 実践女子大学家政学部食物学科卒業後、早稲田大学教育学部体育生理学教室研究員を経て、東京医科大学で医学博士号を取得。2007年4月に策定された国民運動「新健康フロンティア戦略」の健康大使。現在、NPO日本食育協会並びに日本食育学会理事。
プロ野球のほか、ラグビー、スキー、相撲などスポーツ選手に対する栄養指導の経験を有する。また、日本体育大学女子短期大学の教壇に立つ傍ら、日本紅茶協会ティーインストラクター会長、アロマテラピープロフェッショナルその他をつとめる。
テレビや雑誌では健康と栄養に関するアドバイスやレシピを多数作成。著書は60冊を超え、「別冊NHKきょうの料理 シニアの楽々元気レシピ」(NHK出版)、「Dr.クロワッサン 血液力を鍛える食べ方」(マガジンハウス)、「ウソ?ホント?栄養学がおもしろい!」(成美堂出版)、「柑橘レシピ 〜香り豊かな味わい献立〜」(日東書院本社)その他がある。
<3.【インタビュー2】 漢方の専門家に聞く『菌活鍋』の漢方的考察>
また今回は、漢方的な視点からも『菌活鍋』の対策効果を探るべく、漢方医である上田 ゆき子先生にもお話をお伺いしました。
■夏の体調不良の要因に・・・「気虚」と「水毒」にご用心!
漢方では、人間の体の中は「気(き)・血(けつ)・水(すい)」の3つの要素が巡ることで成り立っていると考えています。「血」は血液、「水」は血液に含まれる以外の体液を指しており、「気」は生命のエネルギーを意味する概念です。
体の不調は、こうした要素の状態に大きな影響を受けると考えられるわけですが、特に夏の暑さの中では、体も変調をきたしやすくなります。中でも、特に注意したいのが「気虚」と「水毒」です。
▼【気虚】発汗で「気」が奪われ夏バテに
暑さを感じると体は汗をかきます。この汗が蒸発することで気化熱が奪われ、体温を下げる仕組みになっています。ところが、発汗するときに人の「気」は大量に奪われてしまいます。これが典型的な夏バテを引き起こす、気の流れが細く弱くなってしまった「気虚」の状態です。
▼【水毒】冷房環境が起こす「夏冷え」も現代の「水毒」に悪影響
「気虚」とともに、夏に多いのが「水毒」です。たとえば水をガブ飲みするクセがついている人、あるいは熱中症が気になり、つい水分を多くとってしまう人は、「水毒」という状態になっている恐れがあります。体の中に「水」があふれ、たまっている状態です。
昔、冷房が無かった時代には、こうした症状は非常に少なかったと思われます。ところが、冷房の効いた部屋で生活し、運動不足などが重なると、体の中が水分過多になってしまいます。滞った水分は、尿として排出するか、汗として出す必要があります。ところが、体が冷えて運動不足だと汗は出ないわけです。
このように「気虚」、水分過多の「水毒」が同時に起こるのが、夏の体調不良の大きな特徴です。これらを治すためには、「食事」を通じて気を補ったり、適度な発汗を促したりすることが重要です。
■『菌活鍋』を夏に食べる意義
こうした中で、夏に『菌活鍋』を食べることは、漢方の視点からも理にかなっていると言えます。
そもそも漢方においては、体を温める食材と冷やす食材があるという考え方があります。前者は「熱(ねつ)」と呼び、白菜やネギなどがこれにあたり、後者は「寒(かん)」と呼び、トマトやきゅうりなどがこれにあたります。そして、その中間のものを「平(へい)」と呼びます。穀物やきのこ類がこれにあたります。こうした「熱」「平」「寒」を体の状態にあわせて利用することで、体調を整えていくことができます。
『菌活鍋』は鍋料理ですので、そのまま食べれば「寒」の食材でも、熱することでその性質を「熱」の方向に向けることができますので、体を温める食べ方になります。夏に多く流通する食材は、実は「寒」のものが多いのですが、一度熱を入れる鍋料理として摂ることで、冷え対策にもなるのです。また、鍋にすることで、食材に熱がしっかりと入り、消化吸収がとても良くなるため、夏に食欲が低下する「夏痩せ」の人にも適しています。
次に、『菌活鍋』のカギとなる「菌」について言えば、菌を利用して発酵させたものは、体を温める作用が強くなります。例えば、大豆そのものは「平」の食材ですが、発酵食品の納豆や味噌などは「熱」の性質が強くなりますので、鍋にすることでさらに体をしっかりと温めてくれるはずです。
また、鍋に適した『菌活』食材としては、きのこ、納豆、味噌、キムチ、麹などがあげられます。これらをうまく組み合わせることで、「気虚」と「水毒」を緩和できる点が、「菌活鍋」を夏に食べる漢方的な意義といえましょう。きのこなどの低カロリーな食材を選べば「夏太り」を気にする方でも安心して食べられます。
[上田 ゆき子(うえだ・ゆきこ)先生]
千葉県生まれ。1997年、旭川医科大学医学部を卒業後、同大学病院にて内科、麻酔科研修ののち、北里研究所東洋医学総合研究所にて2年間漢方研修に従事。現在、日本大学医学部内科学系統合和漢医薬学分野助手。また、日本大学医学部附属板橋病院にて東洋医学外来を担当し、女性疾患、アレルギー疾患、小児など幅広く漢方薬と食事指導を行っている。日本東洋医学会専門医。財団漢方医学研究所編集委員。リマクッキングスクール師範科卒。テレビ、雑誌などでも活躍中。著書・共著に、『女子漢方』(2013.12.18・法研)、『薬食同源 漢方医がすすめる食材力レシピ』(2013.10.24・洋泉社)がある。
<4.【レポート】ブロガーたちの『菌活ライフ』レポート>
さらに、実際に『菌活』を実践している女性ブロガーの方に、普段の『菌活ライフ』についてお話をお伺いしました。
■西 理恵さん(30代・会社経営)
「銀座ランチガイド 西 理恵のオフィシャルブログ」
http://ameblo.jp/nyanco1010/
▼『菌活』を意識するようになったきっかけ
美意識の高い友達からの情報で『菌活』をはじめました。身近な食材を普段の食事に取り入れるだけなので、とても手軽なので続けやすいです。
▼『菌活』の生活への取り入れ方
特にきのこを愛用しています。お料理に入れるとボリュームもアップして風味も豊かになるので、毎日食事に取り入れているほどです。また、どんな食材にもぴったりなので、お味噌汁に入れるのはもちろん、2種類以上のきのこを入れて『菌活鍋』を楽しむこともあります。
▼『菌活』ライフ 1日の流れ
朝:ヨーグルトを食べるか、
ヨーグルト入りグリーンスムージーを飲んでいます。
昼:メニューの中できのこが入っている食事を頼んだり、
和食の場合は、納豆やきのこなど
サイドメニューが充実したものを選ぶようにしています。
夜:外食をすることも多いですが、自炊できる時には、
常備している納豆・味噌・きのこなどをメニューに加えて
『菌活』を意識した食事を心がけています。
▼お気に入りの『菌活』食材とその理由
きのこが大好きで、いろいろなアレンジをしています。マイタケやブナシメジは、野菜炒めやお味噌汁に入れて具だくさんに。エリンギはバター焼きにして楽しむことが多いです。うまく焼けるとお肉のようにジューシーに仕上がり、家族にも人気のメニューです。また、ヨーグルトも大好きで、はちみつやアロエベラを入れて贅沢なヨーグルトを作ったり、グリーンスムージーに入れたりしています。
■柴崎 なほみさん(30代・主婦)
「うにょにょん夫婦生活☆ 〜 with KIDS 〜」
http://ameblo.jp/nahomachine20041218/
▼『菌活』を意識するようになったきっかけ
私が菌活を始めたのは半年ほど前です。子育てに追われて、疲れから体調を崩すことが多くなっていたので、何か体にいいことを始めたいと思い、それ以来積極的に取り入れるようになりました。
▼『菌活』の生活への取り入れ方
キムチや納豆が好きなので毎日のように食べているほか、豆腐や味噌などの発酵食品を日常的に使うことで、家族みんなの免疫力アップを図っています。また、ヘルシーでカロリーも控えめなきのこも、積極的に料理に取り入れています。
▼『菌活』ライフ 1日の流れ
朝:お味噌汁とキムチ、納豆などの発酵食品をたっぷり使った
和食中心の食事を心がけています。
昼:友人と外食をすることが多いので、メニュー選びに気を遣っています。
また、外出の際にも乳酸菌ドリンクを持ち歩いたりしています。
夜:きのこ料理、お味噌汁、漬物を好んで食べています。
味噌や醤油、調味料などは国産有機ものにこだわっているほか、
塩麹は手作りしています。
また、酒かすやヨーグルトなどもよく料理に利用しています。
▼お気に入りの『菌活』食材とその理由
キムチが大好きで、ごはんと一緒に食べるだけでなく、おつまみとしても楽しんでいます。お料理においても、パンチがほしい時に便利な食材で、実は和洋中どのメニューにも合うんです。また、きのこも大好きで、よく食べています。安くて一年中手に入りやすく、いろいろな料理に使えるのが魅力です。
<5.【家庭用レシピ】 家庭で楽しめる『菌活鍋』レシピ>
『菌活』を取り入れた鍋メニューは、家庭でも手軽に取り入れることができます。今回は、メディアなどでも活躍する、アンチエイジングレストラン「Rire」のオーナー兼シェフ・堀 知佐子先生に、きのこ・お酢・味噌などの身近な食材で簡単に作ることができる『菌活鍋』レシピを教えていただきました。
レシピ(1)
きのこと夏野菜の冷製ガスパチョ風
画像: http://www.atpress.ne.jp/releases/46759/img_46759_4.jpg
菌を丸ごと食べられる「きのこ」(マイタケ、エリンギ、ヒラタケ)のほか、麹菌を含む「味噌」を使ったレシピ。冷製鍋のため、暑い夏にぴったりです。トマトジュースを出汁で割ったスープがベースとなっており、ご家庭でも簡単に作ることができます。野菜もたっぷり食べられて、カラダに嬉しい『菌活鍋』です。
*材料(4〜5人分)
マイタケ:100g、エリンギ:50g、ヒラタケ:50g、なす:1本、赤ピーマン:1個、ピーマン:1個、キャベツ:200g、ニンニク:2g、タマネギ:30g、鷹の爪:小2本、オリーブオイル:大さじ1、トマトジュース:500cc、味噌:50g、だし汁:300cc
*作り方
1.きのこ類は石づきを外し、食べやすい大きさにほぐす
2.なす、ピーマン、赤ピーマンは一口大に切り出す
3.1と2を180℃の油で揚げる
4.キャベツは2cmの輪切りにし、レンジにかけ(600W・3分)、冷ましておく
5.ニンニク、タマネギはみじん切りにする
6.鍋にオリーブオイル・種をとった鷹の爪、5を入れ、弱火にかけ、
タマネギに火が通ったら、だし汁、トマトジュース、味噌をとき入れる
7.ガラス鍋に1、2、4を入れ6を注ぎ、出来上がり
*ワンポイントアドバイス
具材を入れる前に、タマネギと一緒にニンニクを炒めておくことで、より香りを引き出すことができます。また、具材は「油で揚げる」ことで、中までしっかり火が通って失敗しづらくなりますが、よりさっぱり食べたい時には、オリーブオイルで炒めるだけでもOKです。
レシピ(2)
あっさり酸辣湯(サンラータン)鍋
画像: http://www.atpress.ne.jp/releases/46759/img_46759_3.jpg
酢酸菌を含む「お酢」でさっぱりといただく鍋メニュー。ブナピー、ブナシメジ、マイタケ、キクラゲと、きのこもたっぷり使っています。だし汁をとる手間がなく、水から作ることができるので、忙しい夏の時短メニューにもなります。ヘルシーでありながらも、ネギ・ショウガ・ニラ・ニンニクなどで、スタミナアップも期待できます。
*材料(3〜4人分)
ブナピー:100g、ブナシメジ:50g、マイタケ:50g、キクラゲ(戻したもの):40g、大根:150g、豆腐:200g、ニンニク:2g、ショウガ:20g、長ネギ:40g、水:500cc、昆布:5g、酒:50cc、醤油:50cc、酢:50cc、砂糖:小さじ1、ニラ:30g、ラー油:少々
*作り方
1.きのこ類は石づきを外し、食べやすい大きさにほぐす
2.大根は短冊、豆腐はサイの目に切る
3.ニンニク、ショウガ、長ネギはみじん切りにする
4.鍋に水・昆布・酒・醤油・酢・砂糖を入れる
5.4が沸いたら、1、2とザク切りしたニラを入れてラー油をまわしかけ、
具材に火が通れば3をトッピングして出来上がり
*ワンポイントアドバイス
こちらは温かい鍋メニューですが、アツアツの出来立てを食べるのはもちろんのこと、少し冷めてからも美味しくいただけます。また、ニラは色がとびやすいので、最後に入れるとよいでしょう。
[堀 知佐子(ほり・ちさこ)さん]
アンチエイジングレストラン「Rire」のオーナー兼シェフ。管理栄養士・食生活アドバイザー・調理師。日本抗加齢医学会正会員。京都市の調理師専門学校にて日本料理実習講師・栄養学講師を務めた後、ミールプロデューサー(食に関する企画・制作)として有限会社コウズホーリーを2000年に設立。飲食店・中食事業のメニューアドバイスや食生活全般における指導など大手食品会社、飲食店など顧問多数。また京料亭「菊乃井」の中食事業を1999年に立ち上げ、現在6店舗展開し、各店盛業中。株式会社菊乃井東京店統括本部長に2004年より就任。またフランス料理店『ル・ヴェルデュリエ』を都内にて営む。(2001年開業)
顧問先にイニシオフーズ・魚喜・山三秋山・鰻料理『島村』。
<6.【店舗メニュー】外食で楽しめる『菌活鍋』メニュー>
また、最近では健康志向の高まりとともに、飲食店においても、夏に『菌活鍋』を提供する店舗が登場しています。今回は、実際に『菌活鍋』メニューを展開しているお店を紹介いたします。
▼GINZA春夏秋豚
美肌 菌活コース〜きのこたっぷり美肌コラーゲン菌活鍋 4,900円(税込)
※2014年6月2日(月)より提供予定
・菌活食材:きのこ、塩麹、味噌、醤油麹
*紹介文
お店のコンセプトは「明日の【美肌】」。今回、美肌効果が期待できる『菌活』に注目し、『菌活鍋』をメニューに加えました。鍋に相性の良い、3種のきのこをたくさん入れ、さらにビタミンB1たっぷりの新潟県越後魚沼健康豚と、自慢の美肌コラーゲンをたっぷりと使用したしゃぶしゃぶ菌活鍋です。鍋の薬味として、『菌活』食材である辛味噌、塩麹、醤油麹などもご用意しています。コースの副菜にも、発酵食品を取り入れ、美と健康を意識した女性のための『菌活』鍋コースです。
(「春夏秋豚」店長:市川 知治さん)
*店舗情報
東京都中央区銀座5-5-18
03-3573-7626
営業時間/17:00〜24:00(月〜金) 16:00〜23:00(土、日、祝日)
定休日/無休
▼SALUD(サルー)
菌活鍋(1)きのこのデトックスグラタン鍋 600円(税別)
※2014年6月中旬より提供予定
・菌活食材:きのこ、ヨーグルト、豆板醤
菌活鍋(2)きのこ・タコ・小エビの菌活アヒージョ鍋(冷製) 600円(税別)
※2014年6月中旬より提供予定
菌活食材:きのこ
*紹介文
「サルー」の店名は、スペイン語で【健康】と【乾杯】です。「美味しく食べても飲んでも、心と体が綺麗になる」をコンセプトにしており、今回『菌活』に注目して、2種の『菌活』メニューを温製と冷製の洋風鍋にアレンジしました。一人でも楽しめる小鍋で、人気のアヒージョにたっぷりきのこを使用した冷製アヒージョと、きのこでデトックス効果を生む、温製のグラタン鍋です。グラタン鍋には、ヨーグルトをかけ、より『菌活』を意識したメニューとなっています。
(「SALUD」Chef:竹内 秀樹さん)
*店舗情報
東京都千代田区三番町3-10 乳房再建ビル1F
03-6261-3261(代表番号) ※レストラン直通番号
※2014年6月中旬よりリニューアルオープン予定
▼あくとり代官 鍋之進
菌活!4種のきのことしょうゆ麹の薬膳火鍋 1,580円(一人前・税別)
※2014年6月2日(月)より提供予定
・菌活食材:きのこ、醤油麹
*紹介文
お店には、定番鍋から変わり鍋まで全10種の鍋をご用意していますが、今回は、女性に関心が高い『菌活』をテーマにした薬膳鍋を作りました。
鍋専門店だから楽しめる、本格的な『菌活鍋』は、ナツメ、クコの実など漢方食材が入ったピリ辛の麻辣スープで『菌活』食材を楽しみ、しかもたっぷりのきのこが入ってカロリー控えめで、健康的な鍋となっています。スープには唐辛子も入っており、カプサイシンの発汗効果で夏を乗り越える『菌活鍋』です。
(「あくとり代官 鍋之進」料理長:永田 優さん)
*店舗情報
東京都渋谷区道玄坂1-5-2 渋谷SEDE 3F
03-5458-4030
営業時間/17:00〜23:30
定休日/無休
気温・湿度ともに高くなる日本の夏は、大量に汗をかいて体力を消耗したり、食欲が低下したりと、体調不良に陥りがちな環境と言えます。かといって、暑さ対策のためにエアコンの温度を下げたり、冷たいものを食べ過ぎたりすることも、かえって体を冷やしてしまい、さまざまな体の不調の原因につながってしまいます。
こうした中で、今年注目したいのが、夏の『菌活鍋』です。『菌活』とは、美容や健康を意識して継続的に「菌」を食べること。2012年頃から女性を中心に話題となり、菌を含む食材である「きのこ(菌類)」、「ヨーグルト・キムチ(乳酸菌)」、「納豆(納豆菌)」、「味噌・塩麹(麹菌)」などに注目が集まっています。専門家の本多 京子先生によると、夏にこうした菌活食材を「鍋」として楽しむことは、「夏痩せ」「夏太り」「夏バテ」などの夏特有の体調不良への対策につながるそうです。
そこで今回トレンド総研では、この『菌活鍋』をテーマに、女性たちの意識・実態調査の結果や、医学博士・管理栄養士である本多 京子先生へのインタビューコメントなどを紹介してまいります。また、メディアでも活躍する、アンチエイジングレストラン「Rire」のオーナー兼シェフ・堀 知佐子先生が提案する家庭向け『菌活鍋』レシピや、『菌活鍋』メニューを提供する飲食店についてもレポートいたします。
■レポート内容
1.【意識調査】「夏の体調管理」に関する意識・実態調査
2.【インタビュー1】医学博士に聞く『菌活鍋』で期待できる対策効果
3.【インタビュー2】漢方の専門家に聞く『菌活鍋』の漢方的考察
4.【レポート】ブロガーたちの『菌活ライフ』レポート
5.【家庭用レシピ】家庭で楽しめる『菌活鍋』レシピ
6.【店舗メニュー】外食で楽しめる『菌活鍋』メニュー
<1.【意識調査】「夏の体調管理」に関する意識・実態調査>
はじめに、20〜40代の女性300名を対象に、「夏の体調管理」に関する意識・実態を調査しました。
■「夏は体の不調・変化が起きやすい」女性の87%が回答
まず、「夏は体の不調・変化が起きやすいと思いますか?」と聞いたところ、87%の女性が「そう思う」と回答。また、「夏は体の不調・変化が気になりますか?」という質問でも、83%が「気になる」と答えました。8割以上と多くの女性が、夏の体調を不安に感じているようです。
そこで、気になる「夏の体の不調・変化」について具体的に聞いたところ、「夏バテ」(96%)という回答が最も多い結果に。その他、「夏太り」が約半数(49%)、「夏痩せ」が約4割(38%)にのぼりました。体調管理が難しい夏場は、さまざまな不調・変化を感じがちなようです。
さらに、夏は「暑さ対策」に注目が集まりがちである一方、クーラーなどの影響で「冷え対策」の必要性を感じる女性も多いようで、「夏に冷えを感じることはありますか?」という質問には88%と約9割が「ある」と答えています。
■夏の体調管理、対策法として『菌活鍋』に興味を持つ女性が約8割に
ちなみに、こうした体の不調・変化の対策をする上では、97%とほとんどの女性が「食事に気をつけることが重要」と答えています。特に、最近の『菌活』ブームを背景に、菌食を意識している人が多いようで、「普段の生活において体によい“菌”が含まれた食品を摂取するように意識していますか?」という質問には、83%が「意識している」と回答しています。なお、昨年度の調査(2013年4月実施)において同じ質問をした際に「意識している」と答えた割合は73%であり、比較すると10ポイントも増えていることになります。また、「菌活」という言葉自体の認知度もあがっており、昨年度(11%)と比べると、今年は40%と大幅にアップしています。なお、具体的に「意識して摂取している食品」としては、「ヨーグルト」(78%)、「納豆」(64%)、「きのこ」(51%)などが上位となりました。
また、今回のレポートのテーマにもとづき、「夏の体の不調・変化の対策手段として、体によい“菌”が含まれた食品を使った鍋メニュー(=『菌活鍋』)を食べてみたいと思いますか?」という質問をすると78%と約8割が「そう思う」と回答。女性たちの『菌活鍋』に対する興味・関心の高さがうかがえる結果となりました。
・グラフ画像
「Q.普段の生活において体によい“菌”が含まれた食品を摂取するように意識していますか?」
http://www.atpress.ne.jp/releases/46759/img_46759_1.jpg
「Q.夏の体の不調・変化の対策手段として、体によい“菌”が含まれた食品を使った鍋メニュー(=『菌活鍋』)を食べてみたいと思いますか?」
http://www.atpress.ne.jp/releases/46759/img_46759_2.jpg
[調査概要]
・調査期間:2014年4月21日(月)〜4月22日(火)
・調査対象:20〜40代 女性300名
・調査方法:インターネット調査
<2.【インタビュー1】医学博士に聞く『菌活鍋』で期待できる対策効果>
続いて、夏に体調を崩しがちになる主な原因と対策のポイントについて、医学博士・管理栄養士である本多 京子先生にお話をお伺いしました。
■夏に注意すべき“三大リスク”は「夏バテ」「夏痩せ」「夏太り」
高温多湿な日本の夏は、大量に汗をかいて体力を消耗したり、食欲が低下したりと、体調不良に陥りがちな環境と言えます。かといって、暑さ対策のためにエアコンの温度を下げたり、冷たいものを食べ過ぎたりすることも、かえって体を冷やしてしまい、さまざまな体の不調の原因につながってしまいます。
このように、「暑さ対策」と「冷え対策」の両方が求められる状況下で、特に近年注意すべきな“三大体調リスク”と言えるのが「夏バテ」「夏痩せ」「夏太り」です。
▼「夏バテ」のリスクについて
まず、「夏バテ」についてですが、特に現代人が注意したいのが「暑さ」と「冷え」がきっかけとなって起こる「自律神経失調型夏バテ」と言える体の不調です。
人間の体は季節やまわりの状況に合わせて体温を維持するようにできており、暑い夏が到来すると、血管が拡張して発汗が促され、この汗が皮膚の表面で蒸発して、体の表面の熱を奪い体温調節をしてくれます。
ところが、ちょっと暑ければクーラーをつけるという生活が続くと、自律神経の切り替えが適切に行なわれなくなることがあり、バランスを崩す原因となります。また、冷たい食べ物や飲み物で胃腸を冷やしたり、お風呂であたたまらずシャワーだけですませたり、汗をかくのがいやで外出しなかったりすることも、「冷え」につながるので要注意です。
▼「夏痩せ」のリスクについて
高温多湿な日本の夏においては、大量に汗をかくことで胃の消化力が低下して食欲不振になりやすく、「夏痩せ」につながってしまうことがあります。食欲が無いとつい「そうめん」のようなさっぱりとしてのど越しのよいものが中心の食事になりがちで、栄養不足を起こして夏痩せし、バテてしまうのです。
また、夏は発汗によって、体のエネルギー代謝を司るビタミン類、特に、B1などが不足することも。さらに夏はビールやジュースをとる機会も多くなるのでB1不足に拍車がかかることで、夏痩せと同時に、バテもひどくなってしまいます。
▼「夏太り」のリスクについて
一方で、最近では、暑さのストレスを解消するために、冷たいデザートの食べすぎ、ビールの飲みすぎのほか、スタミナ食をとることで、カロリーオーバーになってしまう例もあります。すると、「夏太り」と呼ばれる現象が起こります。
また、夏には、熱中症予防や暑さを解消するために、ついつい清涼飲料水やスポーツ飲料など、糖分を含むものを多く飲む人もいると思います。大量の糖分が体に入ると、血糖値が急上昇し、一時的には気分が高揚しますが、しばらくすると血糖値は急降下し、体はガックリと疲労してしまいます。さらには、こうした疲労をなんとか解消しようとスタミナ食をとることで、カロリーの過剰で太ってしまうという悪循環に陥る人もいます。
■“三大体調リスク”の対策法・・・おすすめは『菌活鍋』!冷えからくる不調の予防にも
こうした中で、夏でも健康を維持するためには、やはり「食事」が重要なポイントとなります。特におすすめしたいのが、最近話題になっている『菌活』です。『菌活』とは、体にとってよい菌が含まれる食べ物を積極的に摂ることを指します。「菌」の種類によって期待できる効果も異なり、例えば、味噌・塩麹・甘酒などに含まれる「麹菌」は整腸作用、「納豆菌」は血栓溶解作用、「菌類(きのこ)」の場合は免疫力アップなどの作用が期待できると言われています。
また、夏に『菌活』食材を摂る上でおすすめなのが『菌活鍋』。きのこ、味噌、お酢などの、鍋と相性の良い『菌活』食材を活用することで、おいしさとともに健康効果が期待できます。鍋というと、どうしても「冬」のイメージが強いのですが、アレンジがききやすい鍋メニューは夏にもぴったり。『菌活』食材をふんだんに使った鍋メニューで、「夏バテ対策」と「冷え対策」「夏太り対策」が同時に求められる日本の夏を、ぜひ元気に乗り切っていただきたいです。
[本多 京子(ほんだ・きょうこ)先生]
医学博士・管理栄養士 実践女子大学家政学部食物学科卒業後、早稲田大学教育学部体育生理学教室研究員を経て、東京医科大学で医学博士号を取得。2007年4月に策定された国民運動「新健康フロンティア戦略」の健康大使。現在、NPO日本食育協会並びに日本食育学会理事。
プロ野球のほか、ラグビー、スキー、相撲などスポーツ選手に対する栄養指導の経験を有する。また、日本体育大学女子短期大学の教壇に立つ傍ら、日本紅茶協会ティーインストラクター会長、アロマテラピープロフェッショナルその他をつとめる。
テレビや雑誌では健康と栄養に関するアドバイスやレシピを多数作成。著書は60冊を超え、「別冊NHKきょうの料理 シニアの楽々元気レシピ」(NHK出版)、「Dr.クロワッサン 血液力を鍛える食べ方」(マガジンハウス)、「ウソ?ホント?栄養学がおもしろい!」(成美堂出版)、「柑橘レシピ 〜香り豊かな味わい献立〜」(日東書院本社)その他がある。
<3.【インタビュー2】 漢方の専門家に聞く『菌活鍋』の漢方的考察>
また今回は、漢方的な視点からも『菌活鍋』の対策効果を探るべく、漢方医である上田 ゆき子先生にもお話をお伺いしました。
■夏の体調不良の要因に・・・「気虚」と「水毒」にご用心!
漢方では、人間の体の中は「気(き)・血(けつ)・水(すい)」の3つの要素が巡ることで成り立っていると考えています。「血」は血液、「水」は血液に含まれる以外の体液を指しており、「気」は生命のエネルギーを意味する概念です。
体の不調は、こうした要素の状態に大きな影響を受けると考えられるわけですが、特に夏の暑さの中では、体も変調をきたしやすくなります。中でも、特に注意したいのが「気虚」と「水毒」です。
▼【気虚】発汗で「気」が奪われ夏バテに
暑さを感じると体は汗をかきます。この汗が蒸発することで気化熱が奪われ、体温を下げる仕組みになっています。ところが、発汗するときに人の「気」は大量に奪われてしまいます。これが典型的な夏バテを引き起こす、気の流れが細く弱くなってしまった「気虚」の状態です。
▼【水毒】冷房環境が起こす「夏冷え」も現代の「水毒」に悪影響
「気虚」とともに、夏に多いのが「水毒」です。たとえば水をガブ飲みするクセがついている人、あるいは熱中症が気になり、つい水分を多くとってしまう人は、「水毒」という状態になっている恐れがあります。体の中に「水」があふれ、たまっている状態です。
昔、冷房が無かった時代には、こうした症状は非常に少なかったと思われます。ところが、冷房の効いた部屋で生活し、運動不足などが重なると、体の中が水分過多になってしまいます。滞った水分は、尿として排出するか、汗として出す必要があります。ところが、体が冷えて運動不足だと汗は出ないわけです。
このように「気虚」、水分過多の「水毒」が同時に起こるのが、夏の体調不良の大きな特徴です。これらを治すためには、「食事」を通じて気を補ったり、適度な発汗を促したりすることが重要です。
■『菌活鍋』を夏に食べる意義
こうした中で、夏に『菌活鍋』を食べることは、漢方の視点からも理にかなっていると言えます。
そもそも漢方においては、体を温める食材と冷やす食材があるという考え方があります。前者は「熱(ねつ)」と呼び、白菜やネギなどがこれにあたり、後者は「寒(かん)」と呼び、トマトやきゅうりなどがこれにあたります。そして、その中間のものを「平(へい)」と呼びます。穀物やきのこ類がこれにあたります。こうした「熱」「平」「寒」を体の状態にあわせて利用することで、体調を整えていくことができます。
『菌活鍋』は鍋料理ですので、そのまま食べれば「寒」の食材でも、熱することでその性質を「熱」の方向に向けることができますので、体を温める食べ方になります。夏に多く流通する食材は、実は「寒」のものが多いのですが、一度熱を入れる鍋料理として摂ることで、冷え対策にもなるのです。また、鍋にすることで、食材に熱がしっかりと入り、消化吸収がとても良くなるため、夏に食欲が低下する「夏痩せ」の人にも適しています。
次に、『菌活鍋』のカギとなる「菌」について言えば、菌を利用して発酵させたものは、体を温める作用が強くなります。例えば、大豆そのものは「平」の食材ですが、発酵食品の納豆や味噌などは「熱」の性質が強くなりますので、鍋にすることでさらに体をしっかりと温めてくれるはずです。
また、鍋に適した『菌活』食材としては、きのこ、納豆、味噌、キムチ、麹などがあげられます。これらをうまく組み合わせることで、「気虚」と「水毒」を緩和できる点が、「菌活鍋」を夏に食べる漢方的な意義といえましょう。きのこなどの低カロリーな食材を選べば「夏太り」を気にする方でも安心して食べられます。
[上田 ゆき子(うえだ・ゆきこ)先生]
千葉県生まれ。1997年、旭川医科大学医学部を卒業後、同大学病院にて内科、麻酔科研修ののち、北里研究所東洋医学総合研究所にて2年間漢方研修に従事。現在、日本大学医学部内科学系統合和漢医薬学分野助手。また、日本大学医学部附属板橋病院にて東洋医学外来を担当し、女性疾患、アレルギー疾患、小児など幅広く漢方薬と食事指導を行っている。日本東洋医学会専門医。財団漢方医学研究所編集委員。リマクッキングスクール師範科卒。テレビ、雑誌などでも活躍中。著書・共著に、『女子漢方』(2013.12.18・法研)、『薬食同源 漢方医がすすめる食材力レシピ』(2013.10.24・洋泉社)がある。
<4.【レポート】ブロガーたちの『菌活ライフ』レポート>
さらに、実際に『菌活』を実践している女性ブロガーの方に、普段の『菌活ライフ』についてお話をお伺いしました。
■西 理恵さん(30代・会社経営)
「銀座ランチガイド 西 理恵のオフィシャルブログ」
http://ameblo.jp/nyanco1010/
▼『菌活』を意識するようになったきっかけ
美意識の高い友達からの情報で『菌活』をはじめました。身近な食材を普段の食事に取り入れるだけなので、とても手軽なので続けやすいです。
▼『菌活』の生活への取り入れ方
特にきのこを愛用しています。お料理に入れるとボリュームもアップして風味も豊かになるので、毎日食事に取り入れているほどです。また、どんな食材にもぴったりなので、お味噌汁に入れるのはもちろん、2種類以上のきのこを入れて『菌活鍋』を楽しむこともあります。
▼『菌活』ライフ 1日の流れ
朝:ヨーグルトを食べるか、
ヨーグルト入りグリーンスムージーを飲んでいます。
昼:メニューの中できのこが入っている食事を頼んだり、
和食の場合は、納豆やきのこなど
サイドメニューが充実したものを選ぶようにしています。
夜:外食をすることも多いですが、自炊できる時には、
常備している納豆・味噌・きのこなどをメニューに加えて
『菌活』を意識した食事を心がけています。
▼お気に入りの『菌活』食材とその理由
きのこが大好きで、いろいろなアレンジをしています。マイタケやブナシメジは、野菜炒めやお味噌汁に入れて具だくさんに。エリンギはバター焼きにして楽しむことが多いです。うまく焼けるとお肉のようにジューシーに仕上がり、家族にも人気のメニューです。また、ヨーグルトも大好きで、はちみつやアロエベラを入れて贅沢なヨーグルトを作ったり、グリーンスムージーに入れたりしています。
■柴崎 なほみさん(30代・主婦)
「うにょにょん夫婦生活☆ 〜 with KIDS 〜」
http://ameblo.jp/nahomachine20041218/
▼『菌活』を意識するようになったきっかけ
私が菌活を始めたのは半年ほど前です。子育てに追われて、疲れから体調を崩すことが多くなっていたので、何か体にいいことを始めたいと思い、それ以来積極的に取り入れるようになりました。
▼『菌活』の生活への取り入れ方
キムチや納豆が好きなので毎日のように食べているほか、豆腐や味噌などの発酵食品を日常的に使うことで、家族みんなの免疫力アップを図っています。また、ヘルシーでカロリーも控えめなきのこも、積極的に料理に取り入れています。
▼『菌活』ライフ 1日の流れ
朝:お味噌汁とキムチ、納豆などの発酵食品をたっぷり使った
和食中心の食事を心がけています。
昼:友人と外食をすることが多いので、メニュー選びに気を遣っています。
また、外出の際にも乳酸菌ドリンクを持ち歩いたりしています。
夜:きのこ料理、お味噌汁、漬物を好んで食べています。
味噌や醤油、調味料などは国産有機ものにこだわっているほか、
塩麹は手作りしています。
また、酒かすやヨーグルトなどもよく料理に利用しています。
▼お気に入りの『菌活』食材とその理由
キムチが大好きで、ごはんと一緒に食べるだけでなく、おつまみとしても楽しんでいます。お料理においても、パンチがほしい時に便利な食材で、実は和洋中どのメニューにも合うんです。また、きのこも大好きで、よく食べています。安くて一年中手に入りやすく、いろいろな料理に使えるのが魅力です。
<5.【家庭用レシピ】 家庭で楽しめる『菌活鍋』レシピ>
『菌活』を取り入れた鍋メニューは、家庭でも手軽に取り入れることができます。今回は、メディアなどでも活躍する、アンチエイジングレストラン「Rire」のオーナー兼シェフ・堀 知佐子先生に、きのこ・お酢・味噌などの身近な食材で簡単に作ることができる『菌活鍋』レシピを教えていただきました。
レシピ(1)
きのこと夏野菜の冷製ガスパチョ風
画像: http://www.atpress.ne.jp/releases/46759/img_46759_4.jpg
菌を丸ごと食べられる「きのこ」(マイタケ、エリンギ、ヒラタケ)のほか、麹菌を含む「味噌」を使ったレシピ。冷製鍋のため、暑い夏にぴったりです。トマトジュースを出汁で割ったスープがベースとなっており、ご家庭でも簡単に作ることができます。野菜もたっぷり食べられて、カラダに嬉しい『菌活鍋』です。
*材料(4〜5人分)
マイタケ:100g、エリンギ:50g、ヒラタケ:50g、なす:1本、赤ピーマン:1個、ピーマン:1個、キャベツ:200g、ニンニク:2g、タマネギ:30g、鷹の爪:小2本、オリーブオイル:大さじ1、トマトジュース:500cc、味噌:50g、だし汁:300cc
*作り方
1.きのこ類は石づきを外し、食べやすい大きさにほぐす
2.なす、ピーマン、赤ピーマンは一口大に切り出す
3.1と2を180℃の油で揚げる
4.キャベツは2cmの輪切りにし、レンジにかけ(600W・3分)、冷ましておく
5.ニンニク、タマネギはみじん切りにする
6.鍋にオリーブオイル・種をとった鷹の爪、5を入れ、弱火にかけ、
タマネギに火が通ったら、だし汁、トマトジュース、味噌をとき入れる
7.ガラス鍋に1、2、4を入れ6を注ぎ、出来上がり
*ワンポイントアドバイス
具材を入れる前に、タマネギと一緒にニンニクを炒めておくことで、より香りを引き出すことができます。また、具材は「油で揚げる」ことで、中までしっかり火が通って失敗しづらくなりますが、よりさっぱり食べたい時には、オリーブオイルで炒めるだけでもOKです。
レシピ(2)
あっさり酸辣湯(サンラータン)鍋
画像: http://www.atpress.ne.jp/releases/46759/img_46759_3.jpg
酢酸菌を含む「お酢」でさっぱりといただく鍋メニュー。ブナピー、ブナシメジ、マイタケ、キクラゲと、きのこもたっぷり使っています。だし汁をとる手間がなく、水から作ることができるので、忙しい夏の時短メニューにもなります。ヘルシーでありながらも、ネギ・ショウガ・ニラ・ニンニクなどで、スタミナアップも期待できます。
*材料(3〜4人分)
ブナピー:100g、ブナシメジ:50g、マイタケ:50g、キクラゲ(戻したもの):40g、大根:150g、豆腐:200g、ニンニク:2g、ショウガ:20g、長ネギ:40g、水:500cc、昆布:5g、酒:50cc、醤油:50cc、酢:50cc、砂糖:小さじ1、ニラ:30g、ラー油:少々
*作り方
1.きのこ類は石づきを外し、食べやすい大きさにほぐす
2.大根は短冊、豆腐はサイの目に切る
3.ニンニク、ショウガ、長ネギはみじん切りにする
4.鍋に水・昆布・酒・醤油・酢・砂糖を入れる
5.4が沸いたら、1、2とザク切りしたニラを入れてラー油をまわしかけ、
具材に火が通れば3をトッピングして出来上がり
*ワンポイントアドバイス
こちらは温かい鍋メニューですが、アツアツの出来立てを食べるのはもちろんのこと、少し冷めてからも美味しくいただけます。また、ニラは色がとびやすいので、最後に入れるとよいでしょう。
[堀 知佐子(ほり・ちさこ)さん]
アンチエイジングレストラン「Rire」のオーナー兼シェフ。管理栄養士・食生活アドバイザー・調理師。日本抗加齢医学会正会員。京都市の調理師専門学校にて日本料理実習講師・栄養学講師を務めた後、ミールプロデューサー(食に関する企画・制作)として有限会社コウズホーリーを2000年に設立。飲食店・中食事業のメニューアドバイスや食生活全般における指導など大手食品会社、飲食店など顧問多数。また京料亭「菊乃井」の中食事業を1999年に立ち上げ、現在6店舗展開し、各店盛業中。株式会社菊乃井東京店統括本部長に2004年より就任。またフランス料理店『ル・ヴェルデュリエ』を都内にて営む。(2001年開業)
顧問先にイニシオフーズ・魚喜・山三秋山・鰻料理『島村』。
<6.【店舗メニュー】外食で楽しめる『菌活鍋』メニュー>
また、最近では健康志向の高まりとともに、飲食店においても、夏に『菌活鍋』を提供する店舗が登場しています。今回は、実際に『菌活鍋』メニューを展開しているお店を紹介いたします。
▼GINZA春夏秋豚
美肌 菌活コース〜きのこたっぷり美肌コラーゲン菌活鍋 4,900円(税込)
※2014年6月2日(月)より提供予定
・菌活食材:きのこ、塩麹、味噌、醤油麹
*紹介文
お店のコンセプトは「明日の【美肌】」。今回、美肌効果が期待できる『菌活』に注目し、『菌活鍋』をメニューに加えました。鍋に相性の良い、3種のきのこをたくさん入れ、さらにビタミンB1たっぷりの新潟県越後魚沼健康豚と、自慢の美肌コラーゲンをたっぷりと使用したしゃぶしゃぶ菌活鍋です。鍋の薬味として、『菌活』食材である辛味噌、塩麹、醤油麹などもご用意しています。コースの副菜にも、発酵食品を取り入れ、美と健康を意識した女性のための『菌活』鍋コースです。
(「春夏秋豚」店長:市川 知治さん)
*店舗情報
東京都中央区銀座5-5-18
03-3573-7626
営業時間/17:00〜24:00(月〜金) 16:00〜23:00(土、日、祝日)
定休日/無休
▼SALUD(サルー)
菌活鍋(1)きのこのデトックスグラタン鍋 600円(税別)
※2014年6月中旬より提供予定
・菌活食材:きのこ、ヨーグルト、豆板醤
菌活鍋(2)きのこ・タコ・小エビの菌活アヒージョ鍋(冷製) 600円(税別)
※2014年6月中旬より提供予定
菌活食材:きのこ
*紹介文
「サルー」の店名は、スペイン語で【健康】と【乾杯】です。「美味しく食べても飲んでも、心と体が綺麗になる」をコンセプトにしており、今回『菌活』に注目して、2種の『菌活』メニューを温製と冷製の洋風鍋にアレンジしました。一人でも楽しめる小鍋で、人気のアヒージョにたっぷりきのこを使用した冷製アヒージョと、きのこでデトックス効果を生む、温製のグラタン鍋です。グラタン鍋には、ヨーグルトをかけ、より『菌活』を意識したメニューとなっています。
(「SALUD」Chef:竹内 秀樹さん)
*店舗情報
東京都千代田区三番町3-10 乳房再建ビル1F
03-6261-3261(代表番号) ※レストラン直通番号
※2014年6月中旬よりリニューアルオープン予定
▼あくとり代官 鍋之進
菌活!4種のきのことしょうゆ麹の薬膳火鍋 1,580円(一人前・税別)
※2014年6月2日(月)より提供予定
・菌活食材:きのこ、醤油麹
*紹介文
お店には、定番鍋から変わり鍋まで全10種の鍋をご用意していますが、今回は、女性に関心が高い『菌活』をテーマにした薬膳鍋を作りました。
鍋専門店だから楽しめる、本格的な『菌活鍋』は、ナツメ、クコの実など漢方食材が入ったピリ辛の麻辣スープで『菌活』食材を楽しみ、しかもたっぷりのきのこが入ってカロリー控えめで、健康的な鍋となっています。スープには唐辛子も入っており、カプサイシンの発汗効果で夏を乗り越える『菌活鍋』です。
(「あくとり代官 鍋之進」料理長:永田 優さん)
*店舗情報
東京都渋谷区道玄坂1-5-2 渋谷SEDE 3F
03-5458-4030
営業時間/17:00〜23:30
定休日/無休