平常時にも災害時にも活用できる、デジタルサイネージを核としたスマートフォン向け情報共有サービスの実証実験を開始
[15/01/30]
提供元:@Press
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NTTコミュニケーションズ株式会社(略称:NTT Com)は、最新のWeb技術であるWebSocket(*1)やWebRTC(*2)を活用し、デジタルサイネージ(電子看板)を核としたスマートフォン向け情報共有サービスの実証実験を、2015年1月31日より沖縄県北谷町の「美浜タウンリゾート・アメリカンビレッジ」(以下、アメリカンビレッジ)(*3)にて開始します。
アメリカンビレッジに設置されたデジタルサイネージ上に写真をアップロードし、自動生成された「モザイクアート」をダウンロードできるサービスを通じて、ユーザーの受容性や有用性のほか、技術面での検証を行います。
1.背景
デジタルサイネージは、設置場所周辺のエリア情報を伝えるのに役立つことから、観光地における情報配信や、災害発生時の被災情報配信に活用できると目されています。
また、単に画面上に情報を表示するだけでなく、デジタルサイネージと同じ無線LANネットワーク内にある端末(スマートフォンなど)からの必要な情報のダウンロードや、同ネットワーク内のカメラと接続した状況確認を可能にすることで、さらに有用性を高めることができます。
しかし、無線LAN内でデジタルサイネージやネットワークカメラに接続しようとする場合、他の機器への接続をブロックするプライバシーセパレーター機能(*4)が働いていたり、利用している公衆無線LANプロバイダが異なっていたりすることで、接続が困難な場合が多くあります。今回の実験では、最新Web技術のWebSocketやWebRTCを用いることで、このような環境であっても機器の発見・接続を可能にする技術を開発し、本技術を用いた実証実験環境を整えました。
なお、当実験は、2014年7月よりNTT Comが総務省から受託して行っている、先進的ICT国際標準化推進事業「次世代ブラウザにおける通信環境透過技術」の一環です。
2.実証実験の目的
デジタルサイネージを用いた情報共有サービスの受容性や有用性を明らかにします。想定活用イメージについては、[別紙]を参照ください。
別紙: http://www.atpress.ne.jp/releases/56681/img_56681_3.png
(1) モニターユーザーによる評価
本技術を用いた、デジタルサイネージ活用型の、平常時における観光情報共有、災害時における被災情報共有、および観光客や被災者間の情報共有サービスの評価実験を行います。
(2) 一般観光客向けの実験
デジタルサイネージへの写真のアップロード、ダウンロードができるサービスを常設し、混雑環境時のリアルタイム情報共有サービスに関する評価実験を行う予定です。これらの実験を通し、本技術の有効性や課題点の抽出、およびシステム負荷特性などの各種技術評価を行います。
3.実証実験の概要
構成イメージ: http://www.atpress.ne.jp/releases/56681/img_56681_1.png
デジタルサイネージ上に観光情報や模擬の災害情報(モニター向け)を表示するほか、以下の参加型イベントを実施します。なお、WebSocketやWebRTCの活用により、専用のアプリケーションをインストールする必要がなく、Webブラウザでアクセスするだけでサービスを利用することが可能です。
(1) スマートフォンを使って、デジタルサイネージに表示されているQRコードを撮影。実証実験サイトにアクセスする。
(2) 自分で撮影した写真を、実証実験サイトにアップロード。
(3) 実証実験サイト(デジタルサイネージ)上に、大量の写真をモザイクのピースとして使った「モザイクアート」を自動生成。他のユーザーが撮影した写真が小さなピースとなり、自分で撮影した写真が再現される。(*5)
(4) 生成されたモザイクアートは、自分のスマートフォンなどにダウンロードして楽しんでもらう。
モザイクアートのイメージ: http://www.atpress.ne.jp/releases/56681/img_56681_2.png
期間:2015年1月31日(土)〜2015年2月下旬(予定)
場所:アメリカンビレッジ(沖縄県中頭郡北谷町美浜)
サービス利用可能箇所:FASHION PLAZA F 1F
内容:一般観光情報や被災情報の共有サービス、モザイクアート生成サービス
4.WebSocket、WebRTCを用いるメリット
WebSocketやWebRTCは、Webブラウザ間の通信に用いられる最新のプロトコルであり、利用する端末のOSや表示形式に依存することがありません。端末間の通信に際して、特定のアプリケーションを必要とせず、対応Webブラウザをインストールしていれば機器間の通信が可能になります。このため、同一ネットワーク内に存在する、仕様の異なった様々な機器間の連携に効果を発揮します。
また、HTTPのような通信プロトコルに比べてパケットのサイズが小さいこと、さらにWebRTCについては一度機器間を接続した後は通信にサーバーを必要としないというメリットがあり、観光地のような通信機器の過密状態、あるいは災害時のような回線の逼迫状態にも有用です。
5.今後の展望
NTT Comは、本実証実験より得られた結果をもとに、IoTの発展的概念である「Web of Things(WoT, モノとWeb)」(*6)の国際標準化を推進するとともに、公衆無線LANとデジタルサイネージを活用した、一般観光情報や被災時情報共有サービスの実用化につなげていく予定です。
<関連リンク>
「美浜タウンリゾート・アメリカンビレッジ」
http://www.okinawa-americanvillage.com/
(報道発表) WebRTCプラットフォーム「SkyWay」にTURN機能を追加し国内初のトライアル提供を開始
http://www.ntt.com/release/monthNEWS/detail/20150127.html
*1:WebサーバーとWebブラウザの間で、双方向のソケット通信を行なうための技術仕様。一度接続すると、Webサーバー側からも任意のタイミングで通信を開始することができる。従来のHTTP通信よりもやり取りするデータ量や負荷が少なくて済み、高速なレスポンスが実現できる。
*2:Web Real-Time Communicationの略。パソコンやスマートフォンのWebブラウザやネイティブアプリで、サーバーを介さないPeer to Peerのリアルタイム通信(音声・データ)を実現するオープン技術。広義のHTML5の一つとして、W3CとIETFで標準化が進められている。
*3:沖縄県北谷町美浜にある、アメリカの街並みを模した人気のシティリゾート。ショッピング施設や飲食店のほか、シネマコンプレックス、観覧車などのアミューズメント施設も備えている。
*4:同じ無線ネットワークのアクセスポイントに接続している機器同士の通信を禁止する機能。
*5:同技術を活用した、開発者向けイベントを都内で実施予定。
*6:WebSocketやWebRTCなどのWeb技術を用い、モノがネットワークで繋がった環境である「Internet of Things (IoT)」上におけるサービスやアプリケーションの開発を展開するという考え方。Web技術を利用することで、相互運用性や汎用性が高くなるなど様々なメリットが得られる。IoTの具体的な活用を進展させるために極めて重要である。
アメリカンビレッジに設置されたデジタルサイネージ上に写真をアップロードし、自動生成された「モザイクアート」をダウンロードできるサービスを通じて、ユーザーの受容性や有用性のほか、技術面での検証を行います。
1.背景
デジタルサイネージは、設置場所周辺のエリア情報を伝えるのに役立つことから、観光地における情報配信や、災害発生時の被災情報配信に活用できると目されています。
また、単に画面上に情報を表示するだけでなく、デジタルサイネージと同じ無線LANネットワーク内にある端末(スマートフォンなど)からの必要な情報のダウンロードや、同ネットワーク内のカメラと接続した状況確認を可能にすることで、さらに有用性を高めることができます。
しかし、無線LAN内でデジタルサイネージやネットワークカメラに接続しようとする場合、他の機器への接続をブロックするプライバシーセパレーター機能(*4)が働いていたり、利用している公衆無線LANプロバイダが異なっていたりすることで、接続が困難な場合が多くあります。今回の実験では、最新Web技術のWebSocketやWebRTCを用いることで、このような環境であっても機器の発見・接続を可能にする技術を開発し、本技術を用いた実証実験環境を整えました。
なお、当実験は、2014年7月よりNTT Comが総務省から受託して行っている、先進的ICT国際標準化推進事業「次世代ブラウザにおける通信環境透過技術」の一環です。
2.実証実験の目的
デジタルサイネージを用いた情報共有サービスの受容性や有用性を明らかにします。想定活用イメージについては、[別紙]を参照ください。
別紙: http://www.atpress.ne.jp/releases/56681/img_56681_3.png
(1) モニターユーザーによる評価
本技術を用いた、デジタルサイネージ活用型の、平常時における観光情報共有、災害時における被災情報共有、および観光客や被災者間の情報共有サービスの評価実験を行います。
(2) 一般観光客向けの実験
デジタルサイネージへの写真のアップロード、ダウンロードができるサービスを常設し、混雑環境時のリアルタイム情報共有サービスに関する評価実験を行う予定です。これらの実験を通し、本技術の有効性や課題点の抽出、およびシステム負荷特性などの各種技術評価を行います。
3.実証実験の概要
構成イメージ: http://www.atpress.ne.jp/releases/56681/img_56681_1.png
デジタルサイネージ上に観光情報や模擬の災害情報(モニター向け)を表示するほか、以下の参加型イベントを実施します。なお、WebSocketやWebRTCの活用により、専用のアプリケーションをインストールする必要がなく、Webブラウザでアクセスするだけでサービスを利用することが可能です。
(1) スマートフォンを使って、デジタルサイネージに表示されているQRコードを撮影。実証実験サイトにアクセスする。
(2) 自分で撮影した写真を、実証実験サイトにアップロード。
(3) 実証実験サイト(デジタルサイネージ)上に、大量の写真をモザイクのピースとして使った「モザイクアート」を自動生成。他のユーザーが撮影した写真が小さなピースとなり、自分で撮影した写真が再現される。(*5)
(4) 生成されたモザイクアートは、自分のスマートフォンなどにダウンロードして楽しんでもらう。
モザイクアートのイメージ: http://www.atpress.ne.jp/releases/56681/img_56681_2.png
期間:2015年1月31日(土)〜2015年2月下旬(予定)
場所:アメリカンビレッジ(沖縄県中頭郡北谷町美浜)
サービス利用可能箇所:FASHION PLAZA F 1F
内容:一般観光情報や被災情報の共有サービス、モザイクアート生成サービス
4.WebSocket、WebRTCを用いるメリット
WebSocketやWebRTCは、Webブラウザ間の通信に用いられる最新のプロトコルであり、利用する端末のOSや表示形式に依存することがありません。端末間の通信に際して、特定のアプリケーションを必要とせず、対応Webブラウザをインストールしていれば機器間の通信が可能になります。このため、同一ネットワーク内に存在する、仕様の異なった様々な機器間の連携に効果を発揮します。
また、HTTPのような通信プロトコルに比べてパケットのサイズが小さいこと、さらにWebRTCについては一度機器間を接続した後は通信にサーバーを必要としないというメリットがあり、観光地のような通信機器の過密状態、あるいは災害時のような回線の逼迫状態にも有用です。
5.今後の展望
NTT Comは、本実証実験より得られた結果をもとに、IoTの発展的概念である「Web of Things(WoT, モノとWeb)」(*6)の国際標準化を推進するとともに、公衆無線LANとデジタルサイネージを活用した、一般観光情報や被災時情報共有サービスの実用化につなげていく予定です。
<関連リンク>
「美浜タウンリゾート・アメリカンビレッジ」
http://www.okinawa-americanvillage.com/
(報道発表) WebRTCプラットフォーム「SkyWay」にTURN機能を追加し国内初のトライアル提供を開始
http://www.ntt.com/release/monthNEWS/detail/20150127.html
*1:WebサーバーとWebブラウザの間で、双方向のソケット通信を行なうための技術仕様。一度接続すると、Webサーバー側からも任意のタイミングで通信を開始することができる。従来のHTTP通信よりもやり取りするデータ量や負荷が少なくて済み、高速なレスポンスが実現できる。
*2:Web Real-Time Communicationの略。パソコンやスマートフォンのWebブラウザやネイティブアプリで、サーバーを介さないPeer to Peerのリアルタイム通信(音声・データ)を実現するオープン技術。広義のHTML5の一つとして、W3CとIETFで標準化が進められている。
*3:沖縄県北谷町美浜にある、アメリカの街並みを模した人気のシティリゾート。ショッピング施設や飲食店のほか、シネマコンプレックス、観覧車などのアミューズメント施設も備えている。
*4:同じ無線ネットワークのアクセスポイントに接続している機器同士の通信を禁止する機能。
*5:同技術を活用した、開発者向けイベントを都内で実施予定。
*6:WebSocketやWebRTCなどのWeb技術を用い、モノがネットワークで繋がった環境である「Internet of Things (IoT)」上におけるサービスやアプリケーションの開発を展開するという考え方。Web技術を利用することで、相互運用性や汎用性が高くなるなど様々なメリットが得られる。IoTの具体的な活用を進展させるために極めて重要である。