産官学で効果を検証 「おおいそアンチロコモ教室」実施 8割が下肢筋力「向上」 健康寿命を延ばす習慣化のサイクルで好結果
[15/03/27]
提供元:@Press
提供元:@Press
大磯町(神奈川県中郡、町長:中崎 久雄)、東海大学体育学部生涯スポーツ学科(所在地:神奈川県平塚市、教授:中村 豊)、医療機器・材料メーカーのアルケア株式会社(本社:東京都墨田区、代表取締役社長:鈴木 輝重)の3者は、大磯町にて、産官学連携健康増進事業「おおいそアンチロコモ教室」を実施いたしました。
(*) 大磯町 町長の「崎」の字は、「たつさき(旁の上部が“立”)」です。
本事業は健康寿命の延伸を目的とし、加齢と共に衰えやすい下肢運動機能に特化した運動プログラムの効果を検証したもので、月1回の合同参加日の開催と、自宅での日々の運動の実施と記録によって構成されました。
2014年9月より半年間実施した結果、「ときどき学び、日々努力し、日々振り返り、ときどきチェック」のサイクルが参加者の高いモチベーションと運動効果を生むことが確認できました。
■検証結果サマリー
・参加者の83.9%に、下肢筋力の「向上」が見られました。(※1.2)
・参加者の約85%、100名超が半年間継続。運動の継続が良い結果に結びつきました。(※3)
・多くの参加者が継続できた理由は、4つのキーワードにあることがわかりました。
・実施主体者となる自治体の負担を抑えつつ、高い効果を生むプログラムとして広く役立つことと期待されます。
<半年後の下肢筋力の変化について (N=112)>
http://www.atpress.ne.jp/releases/59096/img_59096_2.jpg
※1.筋力は20歳をピークに年間1%程度低下すると言われており、加齢による筋力低下は、上肢と比較して下肢(特に、大腿前面)において著しい。
※2.112名の右脚データを参考。(向上:94名)
※3.一般的に2、30名の規模の教室が多く、また参加者が多くなればなるほどドロップアウトが増えると言われている。
■継続参加率85%!100名超が半年間継続できた理由は4つのキーワードにあり
参加者へのアンケート調査(※4)から、継続して参加できた理由には下記の4つがあることがわかりました。
1. 「ときどき学び」・・・健康講話
継続参加理由の第1位は「健康講話」でした。参加者の健康への興味は大変に高く(87.6%)、“知識に基づき納得して取組むこと”を求めていることがわかりました。
<教室に参加し続けた理由 (N=113、複数回答)>
http://www.atpress.ne.jp/releases/59096/img_59096_3.jpg
2. 「日々努力」・・・下肢特化型体操(いけいけ体操)
実施した下肢に特化した『いけいけ体操(※5)(東海大学中村研究室考案)』は全体の90%以上が「簡単・わかりやすい」と答えました。
運動習慣の促進には「実施の手軽さ」が起因すると言われており、継続しやすい体操とわかりました。
<いけいけ体操のわかりやすさ (N=119)>
http://www.atpress.ne.jp/releases/59096/img_59096_4.jpg
3. 「日々振り返り」・・・運動記録手帳(いけいけ手帳)と活動量計
『いけいけ手帳(※5)(東海大学中村研究室考案)』に日々の運動や歩数を記録することで「健康意識が上がり、運動量が増えた」と答えた人は全体の65%、「健康意識が上がった」と答えた人を含めると95.8%でした。記録することは、当初は面倒であっても、習慣化して行くにつれて健康意識の向上や運動量の増加につながることがわかりました。
また活動量計をつけることで、「健康意識が上がり、運動量が増えた」と答えた人は全体の76.5%、「健康意識が上がった」と答えた人を含めると98.3%でした。直接的に日々の歩数を計測する活動量計は、実際の運動実施にダイレクトにつながるとわかりました。
<運動記録手帳に記入することによる意識と運動量の変化 (N=120)>
http://www.atpress.ne.jp/releases/59096/img_59096_5.jpg
<活動量計をつけることによる意識と運動量の変化 (N=119)>
http://www.atpress.ne.jp/releases/59096/img_59096_6.jpg
4. 「ときどきからだチェック」・・・下肢筋力測定
継続参加理由の第2位は「毎月の筋力測定」でした。開催期間の初回と最終回に計測を実施することが他の健康教室では多くありますが、本プログラムでは、月1回の開催日に下肢筋力測定を実施いたしました。定期的な下肢筋力測定は、教室に来るまでの1ヵ月間の自宅での頑張りを確認し、さらに次の1ヵ月間の励みにつながるため、長期的に運動を継続できたと考えられます。
※4.「おおいそアンチロコモ教室」に参加した約120名の方々に実施。(アンケート実施日:2015年2月3、5日)
※5.「いけいけ体操」「いけいけ手帳」は、東海大学体育学部中村研究室が考案した、下肢筋力維持向上を目的とした体操と記録手帳。
■手軽で効果あり!他の市町村でも取り入れ可能
大磯町民の運動機能の維持・向上という成果に加え、もう一つの成果は手軽で効果のある取組みノウハウを獲得できたことです。市町村は現在、できる限り少ないリソースでできる限り大きな効果を生むことを求められています。他の自治体でも手軽に取り入れられると期待できる項目は、大きくは以下5点と思われます。
1. 開催頻度
合同参加日の開催頻度は1教室につき月1回程度でも十分です。良好なコンテンツを揃えることで、町民の運動機能も維持・向上できます。
2. 運動記録手帳(大磯町の場合は「いけいけ手帳」)
クリアファイルに挟む程度の手作りの運動記録手帳で十分活用してもらえ、参加者が各自で記録することで運動が習慣化され、健康意識も高まります。
3. 健康講話
自治体の職員である保健師や管理栄養士の専門職の知識を有効活用でき、住民も納得して取組めます。
4. モニタリング
月1回程度の筋力測定で動機付けができ、住民の継続した運動を促すことができます。
5. 下肢特化型体操(大磯町の場合は「いけいけ体操」)
誰にも取り入れられやすい簡単な体操の実施で効果が期待できます。
■「おおいそアンチロコモ教室」概略
1. 実施方法
・2014年9月〜2015年2月の6ヵ月間、大磯町内の2施設にて月1回(計6回×2箇所)実施しました。
・教室では、(1)健康講話、(2)下肢特化型運動(いけいけ体操)、(3)下肢筋力測定、(4)レクリエーションを実施し、参加者にはいけいけ体操を自宅でも実施するよう促しました。
・活動量計、運動記録手帳(いけいけ手帳)を配布し、歩数と体操の回数を記録するようにと指導しました。
・教室開始時および6ヵ月後に総合的な運動機能評価を実施しました。
評価項目:立ち上がりテスト/2ステップテスト/下肢筋力/5m歩行/
開眼片脚立ち/骨密度/長座体前屈/体組成
2. 対象
・公募にて「おおいそアンチロコモ教室」参加を希望した者は139名でした。
・開始時および最終回に来た118名より研究データとして使用できる112名(女性92名/男性20名)、年齢53〜87歳(平均年齢69.4±6.7歳)の結果を分析しました。
■参加者の声
・毎回勉強になり、ロコモに対する意識が高まったこと、コツコツ休まず怠けず少しづつ時々がんばって、、、とこれからも続行です。
・このまま続けたいです。体がかるくなったみたいでうれしいです。
・教室にきてとてもよかった。皆と話をして体操をやっていきたいと思います。
・運動した方が良いと意識が高まった。義務でも少しでも歩こうと思ったことは良かったです。これからも歩数で増加の努力をしたいと思います。
・参加させていただき、体を動かす事など健康に対する意識が高まりました。ありがとうございました。
・一日一回必ず歩道橋を渡ろうと目標をもってはいたが、中々・・・でもおかげ様でがんばれそう。レクリエーションが本当に楽しかったです。いろいろありがとうございました。
・これからもこの様な教室を希望します。
(*) 大磯町 町長の「崎」の字は、「たつさき(旁の上部が“立”)」です。
本事業は健康寿命の延伸を目的とし、加齢と共に衰えやすい下肢運動機能に特化した運動プログラムの効果を検証したもので、月1回の合同参加日の開催と、自宅での日々の運動の実施と記録によって構成されました。
2014年9月より半年間実施した結果、「ときどき学び、日々努力し、日々振り返り、ときどきチェック」のサイクルが参加者の高いモチベーションと運動効果を生むことが確認できました。
■検証結果サマリー
・参加者の83.9%に、下肢筋力の「向上」が見られました。(※1.2)
・参加者の約85%、100名超が半年間継続。運動の継続が良い結果に結びつきました。(※3)
・多くの参加者が継続できた理由は、4つのキーワードにあることがわかりました。
・実施主体者となる自治体の負担を抑えつつ、高い効果を生むプログラムとして広く役立つことと期待されます。
<半年後の下肢筋力の変化について (N=112)>
http://www.atpress.ne.jp/releases/59096/img_59096_2.jpg
※1.筋力は20歳をピークに年間1%程度低下すると言われており、加齢による筋力低下は、上肢と比較して下肢(特に、大腿前面)において著しい。
※2.112名の右脚データを参考。(向上:94名)
※3.一般的に2、30名の規模の教室が多く、また参加者が多くなればなるほどドロップアウトが増えると言われている。
■継続参加率85%!100名超が半年間継続できた理由は4つのキーワードにあり
参加者へのアンケート調査(※4)から、継続して参加できた理由には下記の4つがあることがわかりました。
1. 「ときどき学び」・・・健康講話
継続参加理由の第1位は「健康講話」でした。参加者の健康への興味は大変に高く(87.6%)、“知識に基づき納得して取組むこと”を求めていることがわかりました。
<教室に参加し続けた理由 (N=113、複数回答)>
http://www.atpress.ne.jp/releases/59096/img_59096_3.jpg
2. 「日々努力」・・・下肢特化型体操(いけいけ体操)
実施した下肢に特化した『いけいけ体操(※5)(東海大学中村研究室考案)』は全体の90%以上が「簡単・わかりやすい」と答えました。
運動習慣の促進には「実施の手軽さ」が起因すると言われており、継続しやすい体操とわかりました。
<いけいけ体操のわかりやすさ (N=119)>
http://www.atpress.ne.jp/releases/59096/img_59096_4.jpg
3. 「日々振り返り」・・・運動記録手帳(いけいけ手帳)と活動量計
『いけいけ手帳(※5)(東海大学中村研究室考案)』に日々の運動や歩数を記録することで「健康意識が上がり、運動量が増えた」と答えた人は全体の65%、「健康意識が上がった」と答えた人を含めると95.8%でした。記録することは、当初は面倒であっても、習慣化して行くにつれて健康意識の向上や運動量の増加につながることがわかりました。
また活動量計をつけることで、「健康意識が上がり、運動量が増えた」と答えた人は全体の76.5%、「健康意識が上がった」と答えた人を含めると98.3%でした。直接的に日々の歩数を計測する活動量計は、実際の運動実施にダイレクトにつながるとわかりました。
<運動記録手帳に記入することによる意識と運動量の変化 (N=120)>
http://www.atpress.ne.jp/releases/59096/img_59096_5.jpg
<活動量計をつけることによる意識と運動量の変化 (N=119)>
http://www.atpress.ne.jp/releases/59096/img_59096_6.jpg
4. 「ときどきからだチェック」・・・下肢筋力測定
継続参加理由の第2位は「毎月の筋力測定」でした。開催期間の初回と最終回に計測を実施することが他の健康教室では多くありますが、本プログラムでは、月1回の開催日に下肢筋力測定を実施いたしました。定期的な下肢筋力測定は、教室に来るまでの1ヵ月間の自宅での頑張りを確認し、さらに次の1ヵ月間の励みにつながるため、長期的に運動を継続できたと考えられます。
※4.「おおいそアンチロコモ教室」に参加した約120名の方々に実施。(アンケート実施日:2015年2月3、5日)
※5.「いけいけ体操」「いけいけ手帳」は、東海大学体育学部中村研究室が考案した、下肢筋力維持向上を目的とした体操と記録手帳。
■手軽で効果あり!他の市町村でも取り入れ可能
大磯町民の運動機能の維持・向上という成果に加え、もう一つの成果は手軽で効果のある取組みノウハウを獲得できたことです。市町村は現在、できる限り少ないリソースでできる限り大きな効果を生むことを求められています。他の自治体でも手軽に取り入れられると期待できる項目は、大きくは以下5点と思われます。
1. 開催頻度
合同参加日の開催頻度は1教室につき月1回程度でも十分です。良好なコンテンツを揃えることで、町民の運動機能も維持・向上できます。
2. 運動記録手帳(大磯町の場合は「いけいけ手帳」)
クリアファイルに挟む程度の手作りの運動記録手帳で十分活用してもらえ、参加者が各自で記録することで運動が習慣化され、健康意識も高まります。
3. 健康講話
自治体の職員である保健師や管理栄養士の専門職の知識を有効活用でき、住民も納得して取組めます。
4. モニタリング
月1回程度の筋力測定で動機付けができ、住民の継続した運動を促すことができます。
5. 下肢特化型体操(大磯町の場合は「いけいけ体操」)
誰にも取り入れられやすい簡単な体操の実施で効果が期待できます。
■「おおいそアンチロコモ教室」概略
1. 実施方法
・2014年9月〜2015年2月の6ヵ月間、大磯町内の2施設にて月1回(計6回×2箇所)実施しました。
・教室では、(1)健康講話、(2)下肢特化型運動(いけいけ体操)、(3)下肢筋力測定、(4)レクリエーションを実施し、参加者にはいけいけ体操を自宅でも実施するよう促しました。
・活動量計、運動記録手帳(いけいけ手帳)を配布し、歩数と体操の回数を記録するようにと指導しました。
・教室開始時および6ヵ月後に総合的な運動機能評価を実施しました。
評価項目:立ち上がりテスト/2ステップテスト/下肢筋力/5m歩行/
開眼片脚立ち/骨密度/長座体前屈/体組成
2. 対象
・公募にて「おおいそアンチロコモ教室」参加を希望した者は139名でした。
・開始時および最終回に来た118名より研究データとして使用できる112名(女性92名/男性20名)、年齢53〜87歳(平均年齢69.4±6.7歳)の結果を分析しました。
■参加者の声
・毎回勉強になり、ロコモに対する意識が高まったこと、コツコツ休まず怠けず少しづつ時々がんばって、、、とこれからも続行です。
・このまま続けたいです。体がかるくなったみたいでうれしいです。
・教室にきてとてもよかった。皆と話をして体操をやっていきたいと思います。
・運動した方が良いと意識が高まった。義務でも少しでも歩こうと思ったことは良かったです。これからも歩数で増加の努力をしたいと思います。
・参加させていただき、体を動かす事など健康に対する意識が高まりました。ありがとうございました。
・一日一回必ず歩道橋を渡ろうと目標をもってはいたが、中々・・・でもおかげ様でがんばれそう。レクリエーションが本当に楽しかったです。いろいろありがとうございました。
・これからもこの様な教室を希望します。