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LITALICO、4月2日からの「発達障害啓発週間」を前に、小中学生の保護者・教員へ教育現場での合理的配慮に関する意識調査を実施

「障害のない社会をつくる」のビジョンの下、障がい者向け就労支援事業や子どもの可能性を拡げる教育事業を全国展開する株式会社LITALICO(本社:東京都目黒区、代表取締役社長:長谷川 敦弥)は、厚生労働省が定める「発達障害啓発週間」(4月2日〜8日)を前に、「教育現場での合理的配慮に関する意識調査」を実施いたしました。調査は、インターネットを利用し、小中学校のお子様を持つ保護者300名および小中学校の教員300名にそれぞれ同様の質問を行ないました。来年2016年4月には障害者差別解消法の施行が予定され、教育や就労を含む日常生活・社会生活において、合理的配慮を提供しないことが法律で禁止されます。本調査では同法への理解・具体的な事例に対して意識の差をまとめましたので、ご報告いたします。

※調査結果の構成割合は四捨五入をしているため、合計が100にならない場合があります。


【調査対象者について】
1.小中学生のお子さんを持つ保護者:300名
<内訳>
性別:男性150名、女性150名/年代:20代:46名、30代:74名、40代:60名、50代:83名、60代:37名

2.小中学校の教員:300名
<内訳>
性別:男性217名、女性83名/勤め先:小学校:150名、中学校150名


【認知調査】
発達障害の理解は進むが、障害者差別解消法や合理的配慮の内容理解は3割以下にとどまる

Q1.「発達障がい」という言葉を知っていますか?
http://www.atpress.ne.jp/releases/59340/img_59340_1.jpg
Q2.来年4月に施行される「障害者差別解消法」について知っていますか?
http://www.atpress.ne.jp/releases/59340/img_59340_2.jpg
Q3.障がいのある方に対する「合理的配慮」について知っていますか?
http://www.atpress.ne.jp/releases/59340/img_59340_3.jpg

発達障害に関しては「意味も含めて知っている」が保護者58%、教員93.7%と認知が進んでいるが、障害者差別解消法に関しての内容理解は保護者6.3%、教員17%、合理的配慮に関しても保護者6.7%、教員24%と3割以下にとどまり、教育現場での合理的配慮の理解が進んでいないことが明らかになる結果となりました。保護者に関しては、「知らない」が「障害者差別解消法」「合理的配慮」双方で7割となり、一般家庭への周知が進んでいない状態です。


【配慮の理解】
具体的な配慮に関する理解度は概ね高いが、教育現場での対応はあまり進んでいない
Q4.2016年4月に施行される、「障害者差別解消法」では、障がいのある方も、障害のない方と同じように学習や仕事をできるための「合理的配慮」を行うことが、行政・学校・企業などの事業者に義務付けられるようになります。下記の事例において合理的配慮として理解できるかどうかをお応えください。


1) 読み書きに困難がある子どもが、学校でパソコンやタブレットの使用を希望した。合理的配慮が必要な事例として…
http://www.atpress.ne.jp/releases/59340/img_59340_4.jpg
2) 読みに困難がある子どもが、教科書等の音声読み上げ対応を求めた。合理的配慮が必要な事例として…
http://www.atpress.ne.jp/releases/59340/img_59340_5.jpg
3) 集中が持続しない子どもが個室や仕切りのある机でテスト受講を希望した。合理的配慮が必要な事例として…
http://www.atpress.ne.jp/releases/59340/img_59340_6.jpg
4) 肢体不自由の子どもが授業の際、身体の動かせる範囲に応じて介助者を求めた。合理的配慮が必要な事例として…
http://www.atpress.ne.jp/releases/59340/img_59340_7.jpg
5) 視覚障害の子どもが、学校において盲導犬の同伴を希望した合理的配慮が必要な事例として…
http://www.atpress.ne.jp/releases/59340/img_59340_8.jpg

Q5.お子さまが通っている学校では合理的配慮が行われていると思いますか?(教員の場合務めている学校)
http://www.atpress.ne.jp/releases/59340/img_59340_9.jpg

Q6.小中学校に通う子どもの6.5%に発達障害の可能性があるといわれています。発達障害の子どもに対して、学校での合理的配慮は必要だと思いますか?
http://www.atpress.ne.jp/releases/59340/img_59340_10.jpg


Q4-1からQ4-5の具体的な項目に関しては、いずれも保護者・教員ともに「合理的配慮として理解できる」の回答がおよそ7割を超えました。しかし、身体的障がいに比べると、Q4-1からQ4-3のような発達障がいによく見られる症状に対しては、合理的配慮としての理解がやや低い傾向にあることも分かりました。
また、Q5の「学校で合理的配慮が行われている」と回答した保護者は37%、教員は58.3%に留まり、「十分に行われている」という回答は両者ともに10%以下の低い水準となりました。Q6で「発達障害の子どもに対する合理的配慮は必要」と回答した保護者は79%、教員は92.7%おり、実際の対応状況との乖離が見られました。


【アンケート結果から】
今回の調査により、発達障がいの認知・理解は進んでいるものの、「障害者差別解消法」「合理的配慮」に関しての認知は進んでいないことがわかりました。具体的な事例に置き換えて合理的配慮の必要性を尋ねた場合、合理的配慮への理解は高い結果となりましたが「わからない・どちらともいえない」の回答も少なくなく、2016年4月の「障害者差別解消法」の施行に向けて一般への周知・理解促進が欠かせないことが分かりました。
また、合理的配慮の必要性は保護者・教員とも強く感じているものの、学校など教育現場での対応はまだ十分とは言えない状況にあることも分かりました。「わからない・どちらともいえない」の回答も保護者で30%となり、どのような配慮が合理的配慮として認められるのか、具体例も含めたガイドラインの作成など、分かりやすい基準づくりも必要だと考えられます。
さらに、発達障がいに関しての合理的配慮を必要だと思う保護者は約8割に上るにもかかわらず、Q4-3のような具体的な配慮に対しては、合理的配慮として「理解できない」という回答が2割程度となり、必要な配慮も「特別扱いが過ぎる」と感じられてしまうことも懸念されます。
一般的な「平等」の定義では、「誰に対しても同じ対応をするべき」と解釈されがちではありますが、障害者差別解消法では行政・学校・企業などの事業者は個々の障がいに応じて合理的な範囲で個別対応を提供することが必要となります。LITALICOでは就労・教育の領域に関して、具体的な配慮の推進・社会認知の啓蒙を今後進めていきます。


【障害者差別解消法について】
この法律は26の本則の条文と附則から成り、(1) 障害を理由に差別的取扱や権利侵害をしてはいけない、(2) 社会的障壁を取り除くための合理的な配慮をすること、(3) 国は差別や権利侵害を防止するための啓発や知識を拡めるための取り組みを行わなければならないこと、を定めたものです。


【合理的配慮について】
障害のある人とない人の平等な機会を確保するために、障害の状態や性別、年齢などを考慮した変更や調整、サービスを提供することを「合理的配慮」と言い、それをしないと差別となります。ただし、その事業者にとって大きすぎるお金がかかる場合などは合理的配慮を行わなくても差別になりません。


【LITALICOについて】
LITALICOは、2005年12月設立以来、日本における社会問題としての「障がい者雇用」分野に着目し、一法人としては全国最多となる全国44拠点(2015年1月時点)で事業所を展開しています。企業向けの障がい者雇用支援から始まった事業は、現在では障がい者向け職業訓練事業、そして障がい者の家族向け事業や教育事業など、その領域を広げています。学習教室「Leaf」を首都圏48箇所(2015年1月時点)で開設しているほか、2014年4月に、IT・ものづくり教室「Qremo」を東京・渋谷にオープンしました。詳細は http://litalico.co.jp/ をご覧ください。
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