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平成27年度 新生!ふくしまの恵み発信事業 第1回メディアセミナー“フルーツ王国ふくしま”完全復活へ向けて - 県産ブランドもも「あかつき」をめぐる取り組みを中心に - 平成27年6月10日、都内にて開催

福島県では、「平成27年度 新生!ふくしまの恵み発信事業」の一環として、第1回メディアセミナー「“フルーツ王国ふくしま”完全復活へ向けて- 県産ブランドもも「あかつき」をめぐる取り組みを中心に -」を、去る平成27年6月10日(水)に浜松町東京會舘(東京都港区)で開催しました。新聞・雑誌記者、フリージャーナリスト、テレビ局の報道担当者など49名の関係者を集め、本格的な果物のシーズンインを迎える“フルーツ王国ふくしま”について、生産者のこだわりなどを交えアピールいたしました。

恵まれた自然環境を背景に多彩な果物を市場に供給する福島県は、いつの頃からか、“フルーツ王国ふくしま”と呼ばれるようになり、全国的にみても、果物の重要な産地となっています。
震災以降、安全・安心の確保へ向けた取り組みを徹底させてきましたが、県産果物においても、いまだ原子力災害に伴う風評の影響は、払拭しきれていません。
福島県では、こうした風評払拭を図るため「新生!ふくしまの恵み発信事業」を立ち上げ、安全・安心確保への取り組みとともに、ふくしまの豊かな自然と生産者のひたむきな思いが育む農林水産物の魅力やおいしさを、全国の消費者に向けて広く発信しています。本セミナーも、その一環として行われました。

セミナー冒頭、主催者を代表して、福島県 農林水産部 農産物流通課 課長 金子 達也が、「“フルーツ王国ふくしま”を代表するももは、風評の影響に苦しみながらも、関係者が安定した品質を守り抜き、絶やすことなく市場供給を続けてきた。ぜひ、その思いに耳を傾けていただきたい」と挨拶してセミナーがスタートしました。


■シーズンイン!“フルーツ王国ふくしま”
最初のプログラムでは「シーズンイン!“フルーツ王国ふくしま”」と題して、県園芸課 課長の松村 正彦から、福島県では果物生産が盛んで、全国的にみても、ももが2位、日本なしが4位、りんごが5位(品目ごと出荷量ベース)と重要な果物産地となっていることが紹介されました。

6月9日から、さくらんぼの「佐藤錦」の出荷が始まり、もも、日本なし、ぶどう、りんご、かき、いちごと目白押しに続く、本格的なシーズンに突入したことが告げられました。
また、県産果物については他の農産物同様、万全な検査体制がとられていて、放射性物質について、国が定める基準値を超えるものは一切流通することはないことも報告されました。


■7月下旬から最盛期を迎える県産ブランドもも「あかつき」
さらに、全国2位の生産量を誇るももの中でも、その約5割の生産量を占めるブランドもも「あかつき」は、福島で育まれた、県民の信念の強さ、粘り強さを物語る品種であること、7月下旬から8月中旬の、ももの需要期に最盛期を迎えること、肉質がち密で甘味が強く、果汁がほとばしる上質なももであることも紹介され、参加者の関心を集めました。


■参加したメディアに、県直送のもも、さくらんぼの試食を提供
ミスピーチキャンペーンクルーもブランドもも「あかつき」の魅力をアピール
セミナーでは、福島県直送のとれたてのももとさくらんぼを、試食用として提供しました。ももはハウス栽培された「あかつき」で、さくらんぼは「早生(わせ)佐藤錦」と「小夏」でしたが、共に甘味が乗っていて、参加者もしばし舌鼓を打ちました。試食にあわせて、ミスピーチキャンペーンクルーの井上 幸さんと片桐 彩花さんも登壇し、福島県の果物や「あかつき」の魅力をアピールしました。


■生産者が語る、もも作りにかける熱き思い
セミナーでは、県北地域のもも生産者を代表して、横江 修司さん、井砂 善榮(いさご よしえい)さん、後藤 正さんの3名に、もも作りにかける思いをお話しいただきました。

<産地をあげておいしさを追及し付加価値を高めてきた『あかつき』――
 JA新ふくしま 本店もも専門部会 部会長 果樹農家経営・もも生産者
 横江 修司さん>
横江さんは、福島県農業総合センター農業短期大学校時代に、まだ品種登録前で試験栽培中の「あかつき」に出会いました。「あかつき」は昭和27年に国で育種され、全国のもも産地の研究所に送られましたが、玉が小さくてものにならないと他の産地があきらめるなか、福島県だけがおいしさと肉質の良さにひかれ、長年かけて大玉化に取り組み品種登録まで持ち込みました。「こんなにおいしいももをなくしてはならないと先人たちが熱く語り、育ててきたのを目の当たりに見てきました」と語る横江さん。「『あかつき』は、産地をあげておいしさを追求し商品価値を高めてきた自慢のももです。これからも頑張って育てて、おいしい『あかつき』を消費者に届け続けていきたい」と話していただきました。

<出荷するももの品質管理を徹底――
 JA伊達みらい もも部会 部会長 果樹農家経営・もも生産者
 井砂 善榮さん>
井砂さんが部会長を務める伊達地方は、県北でも最も、ももの生産者が多く、盛んにもも作りが行われています。真ん中を阿武隈川が流れ、周囲になだらかな丘陵地帯が形成され、その肥沃な土地は全国的に見ても、もも作りに適した場所です。

その伊達地方の生産者のまとめ役を務める井砂さんは、「とにかく出荷するももの品質管理は厳しくしています。市場が品薄の時に早出しをすれば高い値段がつくこともありますが、未熟なものは決して出さないようにしています」と熱意をこめて語り、「今年のももは天候にも恵まれ、とても順調な成長を続けています。ぜひ、楽しみにしてください」とお話しいただきました。

<新境地を拓く「9月のもも」――
 伊達果実農業協同組合 販売委員長 果樹農家経営・もも生産者 後藤 正さん>
後藤さんが部会長を務める伊達果実農協は、全国でも類を見ない、果物専門の農協です。それだけ、県北地方が果物生産が盛んであることを物語っています。

伊達果実農協でも『あかつき』は中心的な品種ですが、後藤さんは、「他産地と区別化を図るため、晩生(おくて)品種の生産にも力を入れています。近年は、残暑も厳しいので、こうした『9月のもも』が市場でも評価されるようになってきました」と語ります。「ぜひ、福島にお越しいただき、おいしいももを食べてもらいたい」としめくくっていただきました。


■流通関係者に聞く、福島のももの魅力をビデオレターで紹介
引き続きセミナーでは、果物の専門家として流通担当者の声をビデオレターで紹介しました。

<農業の復興なくして福島の復興なし――
 東京青果株式会社 取締役 果実第3事業部 部長 泉 英和さん>
東京青果 取締役の泉さんは、震災後も毎年、福島県内の産地に足しげく通い、産地の様子や果物の生育状況を確認してきました。泉さんは、「福島は首都圏にとって、多くの農産物を供給し、食生活を支えてきた重要な産地です」と語り、特に、ももについては、「福島のももイコール『あかつき』というイメージがあり、その味が評価されています」と話していただきました。
「福島の果物や野菜は、おいしさで評価することが重要」で、「東京青果では『農業の復興なくして福島の復興なし』というスローガンでやっています」とメッセージを寄せていただきました。


■観光果樹園の現状を報告
セミナーの最後に、観光果樹園の現状について、最新のアンケート結果を交えた報告がありました。

<来場者、贈答品需要とも厳しい状況が続くが、「前を向くことが重要」――
 福島市観光農園協会 副会長 高橋賢一 さん>
県北地方には、福島市内だけでも40を超える観光果樹園が存在し、重要な産業として位置付けられてきました。多くの観光果樹園では、果物の狩取りに来るお客さんの入場料や果樹園での直売だけでなく、個人向けの通販や贈答品販売を生業としてきました。高橋さんは、最新のアンケート結果を踏まえ、「来園者の回復状況は6割程度、贈答品販売額の回復状況はまだ7割にも満たない状況で、総生産量を縮小した観光果樹園は4割を超え、厳しい状況が続いている」と報告しました。
しかし、観光果樹園の開園式が、今年もセミナーに先立つ6月7日(日)に行われ、大勢の来場者で賑わったことを報告しつつ、「前を向いていかないといけない」と語っていただきました。
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