第3回「仕事・会社に対する満足度」調査 4人に1人が自身の勤務先を「ブラック企業」と認識!
[16/02/26]
提供元:@Press
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与信管理ASPクラウドサービスを提供するリスクモンスター株式会社(以下 リスモン、本社:東京都中央区、 http://www.riskmonster.co.jp/ )は、第3回「仕事・会社に対する満足度」調査結果を発表いたしました。
1.実施概要
調査名称 :第3回「仕事・会社に対する満足度」調査
調査方法 :インターネット調査
調査エリア:全国
調査機関 :2016年1月23日(土)〜1月24日(日)
調査対象者:20〜49歳の男女個人 600人
有効回収数:600サンプル
2.調査結果
[1]「サラリーマンの悲哀」を感じさせる結果に!
毎年2月に発表しております「仕事・会社に対する満足度」調査。「仕事・会社に対する勤続意欲」は、前回同様「今後も勤め続けたい」(回答率63.7%)が「勤め続けたくない」(同36.3%)を大きく上回る結果となりました。(図表A)
第3回となります今回は趣向を変え、自身の勤務先が「ブラック企業と思うか」との意識調査を加えたところ、「勤務先はブラック企業だと思う」は回答率24.5%となり、「勤務先はホワイト企業だと思う」の回答率75.5%を大きく下回ったものの、おおよそ4人に1人は自身が勤務する企業がブラック企業だと感じているという驚愕の結果となりました。さらには、男女別・年代別・未既婚別のいずれにおいても約4分の1がブラック企業と回答しています。(図表B)
ブラック企業意識の有無と勤続意欲の関連性では、「勤務先がブラック企業だが、今後も勤めたい」が回答率33.3%と、3人に1人が自身の勤め先をブラック企業と認識しながらも勤め続ける意思を示しており、特に家庭を支えなければいけない40代や既婚者においては、その比率が4割程度にまで高まるなど、生活の安定や家族を守るために過酷な労働を享受するサラリーマンの悲哀を想像させる結果となりました。(図表C)
[2]年収に応じて「仕事に対する意欲」も変わる?
勤続意欲についての年収別での調査では、「今後も勤め続けたい」と回答した割合は、年収が高くになるにつれて高まる傾向の中、年収300万円未満では年収300万円以上に比べて10ポイント以上も回答割合が低い結果となりました。(図表D)
次いで、勤続意欲と出世願望の有無の関係性では、性別・年齢別・未既婚別のすべてのカテゴリにおいて、出世願望がある方が、勤続意欲が高い結果となったことから、出世欲は一つの会社に勤め続けていくための大きなモチベーションの一つとして捉えることができます。(図表E)
さらに、年収と出世願望の関係性では、「出世願望なし」においては、約30%が「年収300万円未満」であったのに対して、「出世願望あり」においては、「300万円以上の全ての層」において、「出世願望なし」よりも構成比率が高い結果となりました。(図表F)
これらの調査より、「高い出世意欲を持って、精力的に職務に取り組む人間の多くは、企業に評価されることで収入が増え、それを一層のモチベーションに変え、長きにわたって企業の繁栄に寄与する可能性が高い」ということが分かります。そしてその反対に、「出世意欲が低く、自らの職務に積極性を持たない人間の多くは、企業から評価されにくく、十分な待遇を得られないことから、勤続意欲が低下していき、転々と職業を変えていく可能性が高くなる」ということになります。
[3]「仕事・会社に対する満足度」/勤め続けたい・続けたくない理由
「今後も勤め続けたい」理由では、1位「職場環境がいいから」(回答率47.4%)、2位「安定した会社だから」(同40.3%)、3位「やりがいのある仕事だから」(同32.2%)という結果となりました。
この上位3つについては、年収別においていずれの層でも高い回答率となっていますが、「300万円未満」においては、「残業が少ないから」(同32.0%)、「女性が働きやすい職場だから」(同21.3%)とライフスタイルに合っていることを理由に挙げているのに対して、「800万円以上」においては、「給料が高いから」(同46.7%)、「福利厚生が充実しているから」(同30.0%)と待遇の優位性を理由に挙げていることが特徴的です。(図表G)
一方、「勤め続けたくない」理由では、1位「給料が低いから」(回答率52.3%)、2位「仕事にやりがいがないから」(同34.4%)、3位「職場環境が悪いから」(同28.0%)という結果となりました。
年収別では、「給料が低いから」が、いずれの層でも高い回答率となっている点が見受けられる他、「800万円以上」においては、回答率が0%の項目が多数存在しており、年収が下がるにつれて回答率の高い項目が増加していく結果となりました。
「給料」に関しては、年収300万円を下回ると急激に勤続意欲が低下することが[2]でも表れており、「勤め続けたくない」理由としては、非常に大きな要素となっていることが伺えます。その一方で、「給料が高い」ことは「勤め続けたい」理由の中位に留まっており、さらに「500万円以上」の層では比較的回答率が低くなっていることが分かります。つまり平均年収(約415万円(※))を超える程度の収入を得ることで「給与額」は勤労意欲を大きく左右する要素ではなくなることが推測されます。(図表H)
※国税庁「民間給与実態統計調査」2014年版
3.総評
本調査により、性別や年齢、婚姻の有無によって多少の差はあるものの、4割弱が現在の勤務先に「勤め続けたくない」と考えていることになりました。
その理由は様々に考えられますが、勤務先を原因とする大きな問題として、「無謀な目標を立てさせ、過度な心理的圧力をかける」、「劣悪な環境下での仕事を強いることで、疲弊する従業員を使い捨てにする」などといった行為を行う企業、いわゆるブラック企業の存在が挙げられます。
本調査では4人に1人は、「自身が勤務する企業がブラック企業だと感じている」という結果となりました([1]参照)。この数値は驚くべき水準です。「仕事をする、会社に勤める」モチベーションを持つ人が、健全にモチベーションを維持して働き続けるためには、働く側も、ブラック企業で無用な「チャレンジ」をせずに済むよう、仕事内容や会社に対しての十分な情報を収集し分析を行う「与信判断」が不可欠な世の中になっています。
しかし、ブラック企業さえ避ければ、働くモチベーションを維持できるということでもありません。勤続意欲が低下する大きな要素として「満足な収入が得られない」ことが挙げられるからです([3]参照)。一方、「高い出世意欲を持つことで、精力的に仕事を行い、結果として高い収入を得て、それがまた働くモチベーションになる」ということも十分ありえます([2]参照)。つまりは、働き手が向上心や目的を持って働いているか、によって仕事の成果ややりがいにも差が生じ、結果として働くモチベーションにも差が生じやすくなるということなのです。
近年では、ワークライフバランスといった考え方をはじめ、働き方の多様化が進んでおり、それに伴って労働者派遣法の改正やホワイトカラーエグゼンプションといった制度の整備も叫ばれています。しかし、多様化した働き方によって、皆が皆、仕事に充実感を得られているかといえば、必ずしもそうではないようです。
企業にとって労働力は、収益の源泉です。今後も企業が「多様化する労働力」に対して安定確保を図っていかなければならないとすれば、働くモチベーションを高く持つ労働力をきちんと見極め、育てていくことが重要となります。上記の制度がそのための制度であることを、労働者に十分に理解させた上で、その働き方を問い、安定した労働力に育てていくことが今後の企業には求められるといえます。
※本編はダイジェスト版です。詳細な内容は、以下掲載サイトよりご覧いただけます。
■リスモン調べとは
リスモンが独自に調査するレポートのことです。これまでリスモンでは企業活動関連の調査として他にも「100年後も生き残ると思う日本企業調査」「環境への配慮が感じられる企業調査」や「この企業に勤める人と結婚したいアンケート調査」などを発表しており、今後も「企業活動」に関する様々な切り口の調査を実施することで、企業格付の更新に役立てていくとともに、情報発信を行うことで新しい調査ターゲットの創出、新サービスの開発などに取り組んでまいります。
掲載サイトはこちら
http://www.riskmonster.co.jp/rm-research/
■リスモンの概要(東京証券取引所ジャスダック上場 証券コード:3768)
2000年9月設立。同年12月よりインターネットを活用した与信管理業務のアウトソーシングサービス、ASPサービス事業を開始しました。以来サービス分野を拡大し、現在は与信管理サービス、ビジネスポータルサイト(グループウェアサービス等)およびBPOサービスの3つを中核事業と位置づけ、事業展開しております。
リスモングループ法人会員数は、2015年12月末時点で10,288(内、与信管理サービス等 5,182、ビジネスポータルサイト等 3,134、その他 1,972)となっております。
http://www.riskmonster.co.jp
1.実施概要
調査名称 :第3回「仕事・会社に対する満足度」調査
調査方法 :インターネット調査
調査エリア:全国
調査機関 :2016年1月23日(土)〜1月24日(日)
調査対象者:20〜49歳の男女個人 600人
有効回収数:600サンプル
2.調査結果
[1]「サラリーマンの悲哀」を感じさせる結果に!
毎年2月に発表しております「仕事・会社に対する満足度」調査。「仕事・会社に対する勤続意欲」は、前回同様「今後も勤め続けたい」(回答率63.7%)が「勤め続けたくない」(同36.3%)を大きく上回る結果となりました。(図表A)
第3回となります今回は趣向を変え、自身の勤務先が「ブラック企業と思うか」との意識調査を加えたところ、「勤務先はブラック企業だと思う」は回答率24.5%となり、「勤務先はホワイト企業だと思う」の回答率75.5%を大きく下回ったものの、おおよそ4人に1人は自身が勤務する企業がブラック企業だと感じているという驚愕の結果となりました。さらには、男女別・年代別・未既婚別のいずれにおいても約4分の1がブラック企業と回答しています。(図表B)
ブラック企業意識の有無と勤続意欲の関連性では、「勤務先がブラック企業だが、今後も勤めたい」が回答率33.3%と、3人に1人が自身の勤め先をブラック企業と認識しながらも勤め続ける意思を示しており、特に家庭を支えなければいけない40代や既婚者においては、その比率が4割程度にまで高まるなど、生活の安定や家族を守るために過酷な労働を享受するサラリーマンの悲哀を想像させる結果となりました。(図表C)
[2]年収に応じて「仕事に対する意欲」も変わる?
勤続意欲についての年収別での調査では、「今後も勤め続けたい」と回答した割合は、年収が高くになるにつれて高まる傾向の中、年収300万円未満では年収300万円以上に比べて10ポイント以上も回答割合が低い結果となりました。(図表D)
次いで、勤続意欲と出世願望の有無の関係性では、性別・年齢別・未既婚別のすべてのカテゴリにおいて、出世願望がある方が、勤続意欲が高い結果となったことから、出世欲は一つの会社に勤め続けていくための大きなモチベーションの一つとして捉えることができます。(図表E)
さらに、年収と出世願望の関係性では、「出世願望なし」においては、約30%が「年収300万円未満」であったのに対して、「出世願望あり」においては、「300万円以上の全ての層」において、「出世願望なし」よりも構成比率が高い結果となりました。(図表F)
これらの調査より、「高い出世意欲を持って、精力的に職務に取り組む人間の多くは、企業に評価されることで収入が増え、それを一層のモチベーションに変え、長きにわたって企業の繁栄に寄与する可能性が高い」ということが分かります。そしてその反対に、「出世意欲が低く、自らの職務に積極性を持たない人間の多くは、企業から評価されにくく、十分な待遇を得られないことから、勤続意欲が低下していき、転々と職業を変えていく可能性が高くなる」ということになります。
[3]「仕事・会社に対する満足度」/勤め続けたい・続けたくない理由
「今後も勤め続けたい」理由では、1位「職場環境がいいから」(回答率47.4%)、2位「安定した会社だから」(同40.3%)、3位「やりがいのある仕事だから」(同32.2%)という結果となりました。
この上位3つについては、年収別においていずれの層でも高い回答率となっていますが、「300万円未満」においては、「残業が少ないから」(同32.0%)、「女性が働きやすい職場だから」(同21.3%)とライフスタイルに合っていることを理由に挙げているのに対して、「800万円以上」においては、「給料が高いから」(同46.7%)、「福利厚生が充実しているから」(同30.0%)と待遇の優位性を理由に挙げていることが特徴的です。(図表G)
一方、「勤め続けたくない」理由では、1位「給料が低いから」(回答率52.3%)、2位「仕事にやりがいがないから」(同34.4%)、3位「職場環境が悪いから」(同28.0%)という結果となりました。
年収別では、「給料が低いから」が、いずれの層でも高い回答率となっている点が見受けられる他、「800万円以上」においては、回答率が0%の項目が多数存在しており、年収が下がるにつれて回答率の高い項目が増加していく結果となりました。
「給料」に関しては、年収300万円を下回ると急激に勤続意欲が低下することが[2]でも表れており、「勤め続けたくない」理由としては、非常に大きな要素となっていることが伺えます。その一方で、「給料が高い」ことは「勤め続けたい」理由の中位に留まっており、さらに「500万円以上」の層では比較的回答率が低くなっていることが分かります。つまり平均年収(約415万円(※))を超える程度の収入を得ることで「給与額」は勤労意欲を大きく左右する要素ではなくなることが推測されます。(図表H)
※国税庁「民間給与実態統計調査」2014年版
3.総評
本調査により、性別や年齢、婚姻の有無によって多少の差はあるものの、4割弱が現在の勤務先に「勤め続けたくない」と考えていることになりました。
その理由は様々に考えられますが、勤務先を原因とする大きな問題として、「無謀な目標を立てさせ、過度な心理的圧力をかける」、「劣悪な環境下での仕事を強いることで、疲弊する従業員を使い捨てにする」などといった行為を行う企業、いわゆるブラック企業の存在が挙げられます。
本調査では4人に1人は、「自身が勤務する企業がブラック企業だと感じている」という結果となりました([1]参照)。この数値は驚くべき水準です。「仕事をする、会社に勤める」モチベーションを持つ人が、健全にモチベーションを維持して働き続けるためには、働く側も、ブラック企業で無用な「チャレンジ」をせずに済むよう、仕事内容や会社に対しての十分な情報を収集し分析を行う「与信判断」が不可欠な世の中になっています。
しかし、ブラック企業さえ避ければ、働くモチベーションを維持できるということでもありません。勤続意欲が低下する大きな要素として「満足な収入が得られない」ことが挙げられるからです([3]参照)。一方、「高い出世意欲を持つことで、精力的に仕事を行い、結果として高い収入を得て、それがまた働くモチベーションになる」ということも十分ありえます([2]参照)。つまりは、働き手が向上心や目的を持って働いているか、によって仕事の成果ややりがいにも差が生じ、結果として働くモチベーションにも差が生じやすくなるということなのです。
近年では、ワークライフバランスといった考え方をはじめ、働き方の多様化が進んでおり、それに伴って労働者派遣法の改正やホワイトカラーエグゼンプションといった制度の整備も叫ばれています。しかし、多様化した働き方によって、皆が皆、仕事に充実感を得られているかといえば、必ずしもそうではないようです。
企業にとって労働力は、収益の源泉です。今後も企業が「多様化する労働力」に対して安定確保を図っていかなければならないとすれば、働くモチベーションを高く持つ労働力をきちんと見極め、育てていくことが重要となります。上記の制度がそのための制度であることを、労働者に十分に理解させた上で、その働き方を問い、安定した労働力に育てていくことが今後の企業には求められるといえます。
※本編はダイジェスト版です。詳細な内容は、以下掲載サイトよりご覧いただけます。
■リスモン調べとは
リスモンが独自に調査するレポートのことです。これまでリスモンでは企業活動関連の調査として他にも「100年後も生き残ると思う日本企業調査」「環境への配慮が感じられる企業調査」や「この企業に勤める人と結婚したいアンケート調査」などを発表しており、今後も「企業活動」に関する様々な切り口の調査を実施することで、企業格付の更新に役立てていくとともに、情報発信を行うことで新しい調査ターゲットの創出、新サービスの開発などに取り組んでまいります。
掲載サイトはこちら
http://www.riskmonster.co.jp/rm-research/
■リスモンの概要(東京証券取引所ジャスダック上場 証券コード:3768)
2000年9月設立。同年12月よりインターネットを活用した与信管理業務のアウトソーシングサービス、ASPサービス事業を開始しました。以来サービス分野を拡大し、現在は与信管理サービス、ビジネスポータルサイト(グループウェアサービス等)およびBPOサービスの3つを中核事業と位置づけ、事業展開しております。
リスモングループ法人会員数は、2015年12月末時点で10,288(内、与信管理サービス等 5,182、ビジネスポータルサイト等 3,134、その他 1,972)となっております。
http://www.riskmonster.co.jp