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先週の新興市場は、外部環境への警戒感が燻る中で、換金売り優勢の展開となった。ウクライナ情勢などを睨みながら神経質な展開が継続し、積極的なリスクテイクの動きは限定的に。また、ジャパンディスプレイ<6740>など大型IPO銘柄の初値が公開価格を下回る低調なスタートとなり、個人投資家のマインドが悪化する格好にも。週末にかけては、来週のサイバーダイン<7779>の上場を控えて資金確保とみられる動きも見られ、主力株には換金売りが膨らんだ。なお、週間の騰落率は、日経平均が-0.7％であったのに対して、マザーズ指数は-5.7％、日経ジャスダック平均は-2.1％だった。

個別では、コロプラ<3668>やサイバーエージ<4751>、ミクシィ<2121>など、マザーズ市場の主力株が軟調だった。また、クルーズ<2138>やマイクロニクス<6871>など、直近で売買が賑わっていた銘柄からも短期資金が流出。その他、週末にかけては菊池製作<3444>やハーモニック<6324>など、ロボット関連に換金売りが膨らんだ。一方、カイオム<4583>は、実用化レベルの「完全ヒトADLibシステム」の構築に成功したことが材料視され急伸となった。また、13日に上場したエンバイオHD<6092>は値動きの軽さが材料視され需給面主導で上値追いへ。なお、20日に上場したホットマン<3190>の初値は公開価格を約68％上回る好スタートとなったものの、初値形成後は利益確定売りに押され大幅下落となった。

今週の新興市場は、外部環境の先行き不透明感が心理的な重しとなるものの、人気化が期待されるIPO銘柄が相次ぐことが支援材料となり底堅い展開となりそうだ。外部環境については、ウクライナ情勢を巡る米国とロシアの制裁合戦など、予断を許さない状況が続く公算。そのため、先週までと同様に、積極的にリスクを取る動きは限定的となるだろう。一方、今週は26日にサイバーダインの上場が予定されている。サイバーダインは3月のIPO銘柄の中で最も人気が高まるとみられるほか、医療・介護福祉・生活支援分野等で活用されるロボットスーツの研究開発などを手掛けることから、成長性に対する期待も非常に高い。昨年6月に公開価格の5倍超の初値を付けたリプロセル<4978>に匹敵する程の人気化となる可能性もあり、サイバーダインの人気化が新興市場全体の刺激材料となることが期待される。

個別では、サイバーダインをはじめ、IPO銘柄に短期資金が集中することになりそうだ。今週はサイバーダインのほかにも、25日にみんなのウェディング<3685>、26日にディー・エル・イー<3686>、28日にエスクロー・エージェント<6093>が上場する。とりわけ、マザーズ市場への上場となるみんなのウェディングやディー・エル・イーなどの人気が高まるとみられ、初値形成後も需給面主導で上値を試すことも予想される。

その他、サイバーダインの人気化によってロボット関連に一段と関心が高まる可能性があるが、むしろ、上場後は出尽くし感が優勢となることも想定しておきたい。また、上値の重い主力のネット関連などについては、IPO銘柄の人気化によって個人投資家の資金回転が利くことを追い風に、短期的な売られ過ぎ修正の動きも期待されよう。



＜TN＞