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国内株式市場見通し:アベノミクス第2幕への期待感が高まる

注目トピックス 市況・概況

■15営業日連続で2兆円を下回る薄商い

先週の日経平均は下落。足元で順調なリバウンドが継続していたが、15600円辺りでの上値抵抗が意識されるなか、次第に利益確定に向かわせている。また、米国では9月1日のレイバーデーの祝日による3連休を控えており、海外勢による資金流入も細っている需給状況であった。9月3日の内閣改造を控えるなか、安倍首相と石破幹事長との決裂が懸念されたことも、積極的な売買を手控えさせたようである。東証1部の売買代金は15営業日連続で2兆円を下回る薄商いが続いている。

そのほか、ロシアのプーチン大統領とウクライナのポロシェンコ大統領、それにEUの代表らによる首脳会談によって、いったんは地政学リスクへの警戒感は和らいだ。しかし、週末にはウクライナ大統領が、「ロシア部隊が領内に侵入」と緊急声明を発表し、一気に情勢が緊迫する状況に。

物色は個人主体によるテーマ株物色などが中心となり、これまでのミクシィ<2121>を柱とした中小型株物色の流れから、リニア工事関連などの社会インフラ関連に。その後も、デング熱の国内発症を受けた殺虫剤に関連する物色のほか、週末には電池関連などへの物色も目立った。また、医薬品株の一角には中期経営計画等を材料視した物色が活発だった。

■一番の関心は、内閣改造と党役員人事の発表

今週はイベントが目白押しとなるが、一番の関心は、内閣改造と党役員人事の発表になりそうだ。安倍首相と石破幹事長との溝が埋まるかが不安視されていたが、先週末行われた会談後の発表では、石破氏は「トップの決定に従うのは当然のことだ」と、入閣を受諾する考えを示唆しており、改めて政策期待が高まるだろう。そのほか、1日には4-6月期の法人企業統計、日印首脳会談、8月の中国製造業PMIが予定されている。2日には8月の米ISM製造業景況指数。3-4日に日本銀行が政策委員会・金融政策決定会合を開く。また、3日に米地区連銀経済報告(ベージュブック)。4日に欧州中央銀行(ECB)が金融政策を発表するほか、8月のADP雇用報告、7月の米貿易収支が予定されている。そして、5日には8月の米雇用統計となる。雇用統計のコンセンサスは、非農業部門雇用者数が前月比+22.0万人、失業率は6.1%となる。

1日がレイバーデーの祝日で米国は休場となるが、引き続き地政学的リスクへの警戒が必要であるほか、週末には米雇用統計を控えていることもあり、週を通じて商いは膨らみづらいと考えられる。それ故に、内閣改造によってアベノミクス第2幕への期待感が高まるかが注目されるところであろう。足元で急伸する銘柄が目立ち、やや需給の質は悪そうだが、それでも現時点での需給状況は良好である。日経平均がこう着の中でも、個人主体による政策テーマ物色が投資家の先高期待を後退させない。

■GPIF改革は中小型株物色への思惑に

また、GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)の運用方針見直しが9月中に発表されるため、大きく売り込む流れにはなりづらいだろう。国内株式の保有比率を20%台まで引き上げる方針を掲げており、材料としては織り込み済ではあるが、需給面では確実に下支え要因になるだろう。そのほか、GPIF改革への期待と同様に、スマートベータ型アクティブ運用の拡大である。

欧米の主要な年金基金で、スマートベータの導入は進んでいる。GPIFは今年4月、国内株式運用受託機関選定とマネージャー・ストラクチャーの見直しを公表し、その中で、アクティブ運用において、スマートベータ型アクティブ運用を新たに採用している。一般的な時価総額加重型(TOPIXなど)ではない、新しいタイプの投資手法であり、財務データで企業価値を計測することで、結果的には小型株等が選定されているとみられている。

足元ではマザーズ指数、ジャスダック平均、東証2部指数の強い値動きをみせている。TOPIXなどの株価指数の平均を超えるリターンを目指す伝統的アクティブ運用から、スマートベータ運用を増やしてくる動きも期待される。GPIF改革はJPX日経400構成銘柄のみならず、中小型株への先高期待につながるだろう。



<TN>

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