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為替週間見通し:ウクライナ紛争と8月の米雇用統計に注目

注目トピックス 市況・概況

■ドル・円はやや強含み、好調な米経済指標を意識したドル買い

先週のドル・円はやや強含み。週初に104円49銭まで買われた後、一時103円56銭まで下げたが、週末前に104円台前半まで戻した。

プーチン・ロシア大統領とポロシェンコ・ウクライナ大統領の首脳会談でウクライナ紛争の早期終結期待が高まったことで25日早朝にドルは104円49銭まで買われた。その後、プーチン露大統領が「ロシアは停戦を協議する立場にない」と述べたことで、ドルは103円56銭まで反落した。

しかしながら、4-6月期の米国内総生産(GDP)改定値が上方修正されたことやNYダウが堅調に推移したことでドルは下げ渋る展開となった。先週の取引レンジは103円56銭-104円49銭。

■ウクライナ紛争と米国の8月の雇用統計に要注目

今週のドル・円は、ウクライナ紛争と米国の8月の雇用統計に注目する展開となる。9月5日に発表される8月の米雇用統計はまずまず良好との観測が広がっている。ウクライナ紛争の継続はリスク回避的なドル売り・円買いを促す要因となるが、米労働市場の改善、日米の金融政策の乖離観測、年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)による外貨建て資産への投資増額期待などで、ドルの下値は限定的と予想される。

■ウクライナ紛争

ウクライナと親ロシア分離主義者、そしてロシア軍との武力衝突が激化しつつあり、欧米によるロシアへの懲罰的追加制裁、ロシアによる報復措置などで、欧米とロシアの対立はさらに深まっている。ウクライナ東部での紛争が激化した場合、リスク回避の円買い圧力が強まることになるが、第2次冷戦の構図からは「有事のドル買い」となる可能性にも警戒することになる。

■日本銀行金融政策決定会合(3-4日)

日本の4-6月期の国内総生産(GDP)が落ち込み、インフレ率も低迷していることで、日本銀行に対する追加緩和圧力が高まりつつある。2015年10月に予定されている消費増税(8.0%⇒10.0%)の判断が、年末に発表される7-9月期の国内総生産(GDP)となること、「第3の矢」が再び的外れとなりつつあることで、政治的な追加緩和圧力が高まりつつある。

■米国の8月雇用統計(5日)

米国の8月雇用統計の予想は、失業率が6.1%で7月の6.2%から低下、非農業部門雇用者数は前月比+22.0万人で、7月の+20.9万人からの増加幅の拡大が見込まれている。
予想通りに雇用情勢が改善した場合、9月16-17日の連邦公開市場委員会(FOMC)声明で、10月に終了が予定されているテーパリング(量的緩和縮小)から利上げまでの「かなりの期間」という時間軸が削除される可能性が高まることで、ドル買い要因となる。予想に反して雇用情勢が悪化した場合は、低金利政策の長期化観測から、ドルは上げ渋る展開となる。

■中東の地政学的リスク

オバマ米大統領がイスラム教スンニ派過激組織「イスラム国」に対する空爆を、イラク北部だけでなく、シリアへ拡大させる意向を示したことで、中東全域での地政学的リスクが高まりつつある。イラクが内戦に陥った場合、原油価格が上昇することで、原発稼動停止で原油輸入の依存度が高い日本経済にはマイナス要因、貿易赤字の拡大により円安要因となる。

主な発表予定は、4日(木):(米)8月ISM非製造業景況指数、5日(金):(日)7月景気先行指数。

予想レンジ:102円00銭-105円00銭



<TN>

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