新興市場見通し:売買代金が低調、相場全体を牽引する物色の柱を模索
[14/09/27]
提供元:株式会社フィスコ
提供元:株式会社フィスコ
注目トピックス 市況・概況
先週の新興市場は、中小型株に対する物色意欲が低下する中で、上値の重い展開となった。シリア情勢の緊迫化による地政学リスクの高まりが心理的な重しとなったほか、中国アリババの大型上場を通過し個人投資家の取引比率が高いソフトバンク<9984>が大きく値を崩したことで、新興市場の中小型株にも換金売りが波及する格好に。ただし、週末にかけてはサイバーダイン<7779>が強い動きを見せ、マザーズ指数はいったん割り込んだ25日線を回復する底堅い動きとなった。なお、週間の騰落率は、日経平均が-0.6%であったのに対して、マザーズ指数は-0.3%、日経ジャスダック平均は-0.1%だった。
個別では、ミクシィ<2121>が週間で約3%の下落となったほか、ガンホー<3765>や日本通信<9424>など、主力株が総じて軟調だった。また、PD<4587>やタカラバイオ<4974>、リプロセル<4978>など、バイオ関連などもさえない動き。その他、ロックオン<3690>やリアルワールド<3691>、AMBITION<3300>など、直近IPO銘柄に換金売りが膨らんだ。一方、サイバーダインは、シティが投資判断「買い」、目標株価6500円でカバレッジを開始したことが材料視され大幅高。また、スターバックス<2712>は、米スターバックスが同社株式の未保有分を取得し、完全子会社化する計画を発表しTOB価格にサヤ寄せへ。なお、ジェネレーションパス<3195>の初値は公開価格の約2.2倍と人気化となった一方、リボミック<4591>の初値は公開価格を約20%下回る苦戦のスタートに。
今週の新興市場は、物色の柱が依然見出せない中で、方向感が乏しい展開となりそうだ。為替市場における円安基調の継続を背景に、日経平均が1万6000円台で値固めの動きとなっていることは心理的な支援材料となる公算。一方で、直近のマザーズ、ジャスダック市場の売買代金は低調が続いている。これは相場全体を牽引する物色の柱がないことが背景とみられ、盛り上がりに欠ける展開が継続することが見込まれる。なお、マザーズ指数は5日線と25日線が位置する950ポイントを挟んでもみ合い推移が続いており、同水準からの上放れを試す展開が続こう。
個別では、先週末に見直しの動きが見られていたミクシィやサイバーダインなどの動向が注目されそうだ。サイバーダインについては、先週末の売買代金が8月上旬の水準まで迫るなど、売買を伴ってリバウンドの動きが強まっており、上場来高値の更新も視野に入ろう。
また、今週は30日にFFRI<3692>とホットランド<3196>がそれぞれマザーズ市場へ上場する予定。先週はリボミック<4591>の初値が約2ヵ月ぶりに公開価格を割り込むスタートとなったものの、公開規模が大きい案件であったことが背景で一時的との見方が優勢となっている。とりわけ、FFRIについては情報セキュリティ関連のテーマ性から初値人気が高まることが想定され、関連銘柄への物色波及も期待されるところ。ホットランドについても、たこ焼「築地銀だこ」の知名度が高いことを考慮すると堅調なスタートとなりそうだ。
<TN>









SEO関連




