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米国株式市場見通し:小売売上高に注目、年末商戦を占う

注目トピックス 市況・概況

前週に日銀の追加緩和をきっかけに過去最高値を更新していたこともあり、週初は利益確定の売りで上値の重い展開となった。10月ISM製造業景況指数が予想を上回ったことが好感されたが、原油価格が約3年ぶりの水準まで下落したことが重しとなったほか、中間選挙の結果を見極めたいとの思惑も広がった。中間選挙では共和党が上下院で過半数を掌握、大企業に有利な規制緩和や税制の導入が進むとの見方が広がった。10月ADP雇用統計が予想を上回ったことも支援材料となり堅調推移となった。週後半になると新規失業保険申請数が予想より少なかったことや、ドラギ欧州中銀(ECB)総裁が追加量的緩和に前向きな姿勢を示したことが好感され上昇。週末にかけては10月雇用統計で失業率が5.8%へと低下する一方で非農業部門雇用者数は21万8千人増で予想を下回り、株価も小幅な値動きに終始する展開となった。週を通じて主要株価指数は上昇。ダウ平均株価とS&P500指数は過去最高値を更新した。

医薬品開発受託のコバンスは、医療検査機関大手のラボラトリー・コープによる買収提案に合意し急騰。携帯端末メーカーのアップルは欧州で社債を発行したことで堅調推移となった。中国電子商取引大手のアリババ・グループや、食品スーパーのホールフーズなどが好決算を発表して上昇。デルタ航空など航空会社各社は原油価格の低下を好感して上昇。一方で通信大手のスプリントや、旅行口コミサイトのトリップアドバイザー、半導体のクアルコムなどが冴えない決算を発表して軟調推移となった。

今週は14日に10月小売売上高の発表が予定されている。9月は予想外の前年比減少となったが、10月は0.2%増が予想されている。同14日にはミシガン大学消費者信頼感指数の発表も予定されており、今月下旬から本格化する年末商戦で、ガソリン価格やドル高が個人消費を後押しする兆候が確認できるかどうかが注目されそうだ。

また今週は百貨店のメーシーズ(12日)、ノードストローム(13日)、ディスカウントストアのウォルマート(13日)などの小売企業の決算発表も予定されており、決算内容と共に年末商戦の見通しに注目が集まるだろう。

今年の年末商戦では、アップルのiPhoneやiPadに代表されるスマートフォンやタブレット端末に加えて、これらと連携して仕様できるウェアラブル端末が人気となるだろう。これまでもナイキのフューエルバンドや、フィットビット社のウェアラブル端末があったが、アップルが来春に高機能・高価格帯のApple Watchを発売する見通しだ。このような中、マイクロソフトが健康管理やスポーツに的を絞った腕時計型端末「バンド」を先月末に発表した。iOSやアンドロイドOSにも対応しており、価格も199ドルと手頃なことから、年末商戦での人気商品となりそうだ。

小売以外ではネットワーク機器のシスコシステムズ(12日)、メディアのバイアコム(13日)、半導体製造装置のアプライド・マテリアルズ(13日)などの決算発表が予定されている。7日時点のファクトセット社の調査によると、S&P500構成銘柄の446社が第3四半期決算発表を終了し、77%が予想を上回った。また利益成長率は7.6%で推移している。

航空会社のバージン・アメリカが14日にナスダック市場に新規上場する。約10億ドルの企業評価で3億2千万ドルを調達する見込みだ。足元の原油価格の低下を受け、投資家の期待も高まりそうだ。

(Horiko Capital Management LLC)




<TN>

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