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新興市場見通し:多数のIPOを控え、資金の流れの変化にも注意

注目トピックス 市況・概況

先週の新興市場は、主力大型株中心の相場展開となり、相対的に低調に推移した。消費税率再引き上げの延期や早期の衆議院解散・総選挙の観測が広がったことから、円安と日経平均の上昇が進行。相場全体の先高感が強いなか、投資家の関心は主力大型株に向かい、従前まで買われていた中小型株では利益確定売りが優勢に。個別材料のあった銘柄には買いが向かったものの、物色の広がりは限定的だった。なお、週間の騰落率は、日経平均が+3.6%であったのに対して、マザーズ指数は-3.3%、日経ジャスダック平均は+0.3%だった。

個別では、ミクシィ<2121>が週間で17.2%安と下げがきつかった。上期決算発表を通過し、短期的な材料出尽くし感から利益確定売りが優勢に。コロプラ<3668>が大幅安となったことも、処分売りに拍車をかける格好となった。その他マザーズ主力銘柄では、サイバーダイン<7779>が同4.1%安、タカラバイオ<4974>が同1.7%安と軟調。オプティム<3694>など、高値圏にあった銘柄は週後半に急速に利益確定売りが広がった。ジャスダック主力銘柄では、日本通信<9424>が同8.2%安、日本マイクロニクス<6871>が同5.0%安と軟調だった。一方、FFRI<3692>が同26.4%高と大幅上昇した。ミクシィ失速で週前半は資金流入が顕著に。但し、買い一巡後は伸び悩み、株式分割発表後も高値更新とはならなかった。その他、個別材料を受けてアサカ理研<5724>やオンコセラピー・サイエンス<4564>などが買われた。また、プラップジャパン<2449>やムサシ<7521>などの選挙関連銘柄を物色する動きも。なお、13日にSHIFT<3697>がマザーズ市場に新規上場し、上場2日目に公開価格の約4.6倍の初値を付けた。公開価格に対する初値上昇率はここまでの本年IPO案件で最大に。新興市場が物色の柱を欠くなか、相対的にIPO案件の人気が高まる格好となっている。

今週の新興市場は、こう着感の強い展開が想定される。とりわけマザーズ市場では前週に逆行安となった反動が期待されるところだが、解散総選挙相場の様相が強くなっていることから、投資家の関心は引き続き主力大型株に向かうとみられる。個別材料のあった銘柄や値動きの軽い銘柄には短期の値幅取り狙いの物色資金が流入するものの、新興市場全般には買戻しの動きは限定的となるだろう。

週明けの取引では、東証1部に市場変更するトレジャー・ファクトリー<3093>や、株式分割を発表した日本アクア<1429>に物色が向かいそうだ。決算に関連したところでは、通期業績予想に対して高進捗が確認されたオプティムやセレス<3696>が見直される可能性。一方、サイバーダインは今期業績見通しの下方修正が処分売りを誘う格好か。また、物色の手掛かりに乏しいなか、バイオ関連などの寄り付き前のリリース公表にも注視していきたいところ。

今週の決算発表は、18日に日本マイクロニクス、19日にレッド・プラネット・ジャパン<3350>、20日にタカショー<7590>などが予定されている。日本マイクロニクスは10月24日に業績予想の上方修正や増配を発表済みで、サプライズには乏しいか。なお、前週はアトラ<6029>など15件ものIPOが発表された。現時点で12月の新規上場は20社に上り、最終的に30社近くに達するとの観測も。多数のIPOを控え、資金の流れの変化にも注意すべきだろう。



<TN>

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