新興市場見通し:方向感を欠く展開か、個人投資家による短期物色中心に
[15/01/17]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 市況・概況
先週の新興市場は、外部環境の不透明感から日経平均が軟調に推移するなか、個人投資家による短期物色中心の展開となった。個別材料のあった銘柄やゲーム、ウェアラブル、自動運転、水素関連などのテーマ株に買いが向かったものの、持続力に乏しく日替わり物色の様相。12月IPO銘柄は下げが目立った。なお、週間の騰落率は、日経平均が-1.9%であったのに対して、マザーズ指数は-1.6%、日経ジャスダック平均は-0.8%だった。
個別では、前週まで12月IPO銘柄のなかでも好パフォーマンスが際立っていたサイジニア<6031>が週間で16.2%安に。ただ、16日には+25.8%の大幅上昇となるなど、株価は乱高下している。その他12月IPO銘柄では、U-NEXT<9418>、MRT<6034>、データセクション<3905>、マークラインズ<3901>などを中心に利益確定売り優勢となった。また、マザーズ主力ではオンコセラピー・サイエンス<4564>が同5.6%安、ジャスダックではガンホー<3765>が同7.5%安、日本通信<9424>が5.1%安と軟調。その他、ファステップス<2338>、サイバーステップ<3810>、ウッドフレンズ<8886>、ブロッコリー<2706>、ジェクシード<3719>などの下落が目立った。
一方、ガーラ<4777>が新興市場売買代金、上昇率ともに首位に。スマートフォン向けゲームへの期待感が高いものの、短期資金主導の上昇で過熱感も。マザーズでは、SHIFT<3697>が業績予想の上方修正と株式分割を発表し大幅高となった。その他、ファンドクリエーショングループ<3266>、アクトコール<6064>、リアルコム<3856>など、個別材料のあった銘柄には物色が集中する格好に。テーマ株では、ゲーム関連としてモブキャスト<3664>やクルーズ<2138>、ウェアラブル関連としてフュートレック<2468>やアドバンスト・メディア<3773>、水素関連としてNFK HD<6494>やハマイ<6497>などが買われる場面があった。
今週の新興市場は、25日にギリシャ総選挙が控えるなど外部環境に対する警戒感を払拭できないなか、方向感を欠く展開となることが想定される。マザーズ指数は昨年12月25日の直近安値(862.91)が下値めどとして意識され、16日も同水準から下げ渋る動きを見せたが、新興市場全体を押し上げるパワーは未だ乏しい。引き続き個人投資家による短期の値幅取り狙いの物色中心の相場となるだろう。
物色テーマとしては、引き続きガーラなどゲーム関連が中心となりそうだ。前週は新作リリースの発表などで急騰する銘柄が多く見られたが、持続力に乏しく即座に値を消すケースもあることには注意が必要。また、一部銘柄では過熱感が意識されつつあるとも。その他、ウェアラブル、自動運転、水素関連などに加え、環太平洋経済連携協定(TPP)関連にも注目したい。前週の日米実務者協議では合意に向け前進があったもよう。日豪経済連携協定(EPA)が発効したこともあり、牛肉等の輸入価格下落の恩恵を享受する銘柄に関心が集まることも想定される。
今週の決算発表は、19日にネクス<6634>、23日にASJ<2351>、GFA<8783>などが予定されている。なお、先週はホクリヨウ<1384>、ファーストロジック<6037>など5社の新規上場が発表され、2月IPOは現時点で6件となった。
<KO>










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