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国内株式市場見通し:決算ピークにオプションSQ、円高が重しに

注目トピックス 市況・概況
先週の日経平均は下落。大型連休で2営業日だったが、それでも550円を超える下げとなった。連休入り前の4月25日から6営業日続落となり、この間の下落幅は1465円だった。要因としては日銀会合での「現状維持」といった日銀ショック、これに伴う円高の進行であった。追加緩和に踏み切るとの見方がエコノミスト調査で6割に達していたほか、「日銀は金融機関への貸し出しにもマイナス金利を検討」とのメディア報道が事前に伝えられていたこともあり、期待感は高まっていた。4月3週の投資主体別売買動向では海外投資家による日本の現物株の売買は、3週連続で買い越しだったが、日銀の追加緩和への思惑等からショートポジションを圧縮していたとなれば、相当失望につながったことだろう。

さらに大型連休中には円相場が約1年半ぶりに1ドル105円台まで上昇。円相場は2014年10月に日銀が大規模な追加の金融緩和に踏み切る前の水準に戻った形。日銀の黒田総裁は日本経済に好ましくないとけん制し、安倍首相、麻生財務相による口先介入によって1ドル107円台での推移に。

今週は決算発表がピークを迎えるほか、週末にはオプションSQが控えていることもあり、方向感が掴みづらいであろう。まずは6日の米雇用統計の結果を受けてのスタートとなるが、非農業部門の就業者数が前月比べ16万人の増加にとどまり、市場が予想していた20万人程度を大幅に下回った。これにより、連邦準備制度理事会(FRB)が次回6月の政策会合(FOMC)で追加の利上げを行う機運がさらに遠のいたとの見方から1ドル106円台前半まで円高が進んでいた。主要7か国の首脳会議「伊勢志摩サミット」を前に、政府の財政出動策への期待が下支えと要因になりそうだが、一方で6月にはイギリスでEUからの離脱の賛否を問う国民投票が行われる。ドル安・円高の流れに向かいやすい需給状況の中、不安定な相場展開に向かいやすいだろう。

また、今週は決算発表がピークを迎え、2200社程度の決算発表が予定されている。足元の急ピッチの円高等の影響によって慎重な見方が増えており、相当織り込まれている可能性はあるだろう。しかし、発表企業の多さから機関投資家は結果を見極めるまでは積極的には動けず、模様眺めムードが強まりやすいと考えられる。主要処では、9日に三菱重<7011>、住友商<8053>、10日にソフトバンクグループ<9984>、武田薬品<4502>、11日にトヨタ<7203>、ブリヂストン<5108>、12日に日産自<7201>、国際帝石<1605>、13日にNTT<9432>、三井住友<8319>、みずほ<8411>、ホンダ<7267>などが予定している。さらに、週末にはオプションSQが控えていることもあり、決算を見極めたいとする模様眺めムードの中、SQに絡んだ先物主導の商いに振らされる可能性がありそうだ。

ただし、中小型株の強い値動きをみても個人主体の物色意欲は旺盛だろう。大型連休明けで市場参加者も増えると考えられ、決算を手掛かりとした個別材料株のほか、テーマ株などの循環が続きそうである。テーマ株ではバイオ関連が断続的に物色されているほか、このところの自動車事故を受けて、自動運転関連への関心も高まりやすい。先週には米アルファベットの自動運転車部門と自動車大手フィアット・クライスラー・オートモービルズ(FCA)は、技術提携を正式に発表。米自動車大手ゼネラル・モーターズは、タクシー利用を想定した自動運転車の公道での走行実験を1年以内に開始すると伝えられている。その他、伊勢志摩サミットを控え、ドローンへの関心も次第に高まってくるとみられる。

なお、経済指標では、9日に日銀当座預金増減要因、消費動向調査(4月)、米労働市場情勢指数(4月)、独製造業受注(3月)、10日に独鉱工業生産(3月)、中消費者物価指数(4月)、中生産者物価指数(4月)、11日に景気動向指数(3月)、米財政収支(4月)、12日に国際収支(3月)、オフィス空室状況(4月)、企業倒産(4月)、ユーロ圏鉱工業生産(3月)、米週間新規失業保険申請件数、13日に第3次産業活動指数(3月)、消費活動指数(3月)、米小売売上高(4月)、米ミシガン大学消費者マインド指数(5月:速報値)、独1-3月GDP(速報値)等が予定されている。




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