欧米為替見通し:ドルは戻りを試す展開、引き続き株価にらみ
[16/06/30]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 市況・概況
今日の欧米外為市場では、ドル・円は戻りを試す展開となりそうだ。英国の欧州連合(EU)離脱に伴う過度な懸念はいったん収束しており、欧米株の買い戻しが続けばドルに買いは入りやすい見通し。ただ、米年内利上げ期待の後退で下方圧力がかかりやすく、上昇は限定的となる可能性はあろう。
29日のロンドン株式市場ではFT100が英国民投票の結果判明前の水準を上回り、24日以降の下落分を取り戻したほか、欧州株式市場や米株式市場でも英国のEU離脱に伴う過度な懸念は薄れ、安値を拾う動きが強まり大幅続伸となった。ドル・円はこうした欧米株の堅調地合いに支えられ、29日の欧米市場では102円台を維持。30日のアジア市場では一段の円高を見込む国内勢のドル買いが手控えられているが、欧米株の回復基調が鮮明となればドル・円は103円台での推移となろう。
ただ、日本時間7月1日2時半のブラード米セントルイス連銀総裁による講演は、ドルの押し下げ要因となりかねない。同総裁はタカ派として知られるが、今月17日の講演で、今後2年半で追加利上げの回数は1回にとどまるとのハト派的な見解を示した。その後のイエレン連邦準備制度理事会(FRB)議長による議会証言では慎重な言い回しが目立ち、利上げ期待は大幅に後退。ブラード総裁が英国民投票後の市場の混乱を踏まえ、世界経済への影響などに言及した場合には、株安に振れドルは上値が重くなるかもしれない。
【今日の欧米市場の予定】
・16:55 独・6月失業率(予想:6.1%、5月:6.1%)
・16:55 独・6月失業者数増減(予想:-0.5万人、5月:-1.1万人)
・17:30 英・1-3月期GDP確定値(前年比予想:+2.0%、改定値:+2.0%)
・18:00 ユーロ圏・6月消費者物価指数速報値(前年比予想:0.0%、5月:-0.1%)
・18:30 南ア・5月生産者物価指数(前年比予想:+6.9%、4月:+7.0%)
・21:00 南ア・5月貿易収支(予想:+41億ランド、4月:+4億ランド)
・21:30 米・先週分新規失業保険申請件数(予想:26.7万件、前回:25.9万件)
・21:30 カナダ・4月GDP(前月比予想:+0.1%、3月:-0.2%)
・22:45 米・6月シカゴ購買部協会景気指数(予想:51.0、5月:49.3)
・02:30 ブラード米セントルイス連銀総裁講演(ロンドン)
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