後場に注目すべき3つのポイント〜任天堂がしっかり、決算後のアク抜けが今後のコンセンサスになるか
[16/10/27]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 市況・概況
27日の後場の取引では以下の3つのポイントに注目したい。
・任天堂がしっかり、決算後のアク抜けが今後のコンセンサスになるか
・ドル・円は104円42銭付近、ドル失速、上値の重さを意識
・安川電機、オリックスなど4社の目標株価変更
■任天堂がしっかり、決算後のアク抜けが今後のコンセンサスになるか
日経平均は反落。50.61円安の17341.23円(出来高概算7億6000万株)で前場の取引を終えた。26日の米国市場は高安まちまちだったほか、原油相場が下落していることもあり、利食い先行で始まった。決算発表が本格化するなか、キヤノン<7751>、LINE<3938>、任天堂<7974>が売り気配からのスタート。アドバンテスト<6857>、オリックス<8591>が買い気配から始まるなど、決算内容を受けた物色が強まっている。
全体としては引き続きこう着感の強い相場展開となるなか、前場半ばには一時17400円を
回復する場面もみられている。ただし、17400円回復による目先的な達成感もあってか、前引けにかけては再び下げに転じてきており、この影響から円相場も若干円高に振れて推移している。規模別指数は大型株指数のみがプラスをキープ。東証1部の騰落銘柄は、値上がり、値下がりが拮抗。セクターではその他金融、陸運、不動産はしっかり。半面、海運、医薬品、電気機器が冴えない。
日経平均は売り先行後に一事プラス圏を回復するなど、底堅い相場展開である。任天堂
<7974>が売り一巡後に一時プラスに転じていることも、安心感につながろう。ただ、決算発表が本格化する中では、決算を見極めたいとするムードも強い。日銀のETF買い入れなどの需給要因が下支えとなり、先高期待の強い上昇ではあるが、決算を前にいったんはポジションをクローズする流れにも向かいやすいところである。
とはいえ、任天堂のほか、LINE<3938>についても、大きく下げてはいるが、寄付き価格を上回って推移している。決算後のアク抜けへの市場の意識が高まってくるようだと、今後予定されている企業で下方修正等が出てきたとしても、売り一巡後のアク抜けを意識した物色に向かわせてきそうである。
(株式部長・アナリスト 村瀬智一)
■ドル・円は104円42銭付近、ドル失速、上値の重さを意識
27日午前の東京外為市場では、ドル・円は失速。上値の重さが意識され、日本株のマイナス圏転落をきっかけにやや売りが強まった。ドル・円は、前日海外市場では上昇基調となったが、東京市場では日経平均株価がプラス圏に切り返してもドルの上昇は限定的となり、上値の重さが意識された。その後、日経平均のマイナス圏転落を受けドルは今日の安値を更新し、一時104円35銭まで値を下げた。
ただ、日経平均はマイナス圏で前引けたが、ランチタイムの日経平均先物は下げが小幅にとどまっており、目先の株高反転を期待したドルの買戻しが観測される。一方で、104円台は引き続き売り圧力が強く、ドルは再び上昇に転じても上値は重そうだ。
なお、日銀の黒田東彦総裁は「長期金利0%維持のために国債を売ることは全く考えず」「物価目標実現のため経済に最適なイールドカーブを促す」などと発言したが、ドル相場への影響は限定的だった。
ここまでのドル・円の取引レンジは104円35銭から104円70銭、ユーロ・円は113円71銭から114円17銭、ユーロ・ドルは1.0892ドルから1.0912ドルで推移した。
12時25分時点のドル・円は104円42銭、ユーロ・円は113円81銭、ポンド・円は127円55銭、豪ドル・円は79円61銭で推移している。
(為替・債券アナリスト 吉池威)
■後場のチェック銘柄
・安川電機<6506>、オリックス<8591>など4社の目標株価変更
・メディ工房<3815>、朝日ラバー<5162>などがストップ高
※一時ストップ高(気配値)を含みます
・黒田日銀総裁
「長期金利0%維持のために国債を売ることは全く考えず」
「物価目標実現のため経済に最適なイールドカーブを促す」
・岩田日銀副総裁
「(任期中に)きっちり物価2%と言われると困る」
「2%物価達成のため使えるあらゆる手段を導入する」
「(マネタリーベースは)基本的に拡大に限界はない」
「引き続き多額の国債購入が必要」
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