欧米為替見通し:原油減産合意見送りでもドル・円は底堅い値動きか
[16/11/30]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 市況・概況
今日の欧米外為市場では、今晩開催の石油輸出国機構(OPEC)総会で加盟国が減産に合意できるかが焦点。合意見送りなら原油価格や株価の急落が見込まれるが、ドル・円は米連邦準備理事会(FRB)の12月利上げ観測を背景としたドル買いが入りやすく、極端な下落は想定しにくい。
OPEC総会はウィーンで日本時間19時から開催される予定。全加盟国に対し減産を求めるサウジアラビアと、適用除外を求めるイランの間で意見が折り合わず、合意は困難との見方が広がっている。減産協議が決裂した場合には原油安を受け欧米株安となり、リスク回避的な動きで円買いになる見通し。また、米国債利回りの低下もあり、ドル・円は下落する展開が予想される。
一方、FRBによる12月利上げに向け、今晩発表の米国の主要経済指標も材料になる。まず22時15分発表の11月ADP全米雇用報告は、今週末発表の11月雇用統計の先行指標との見方から関心が高い。また、その後の10月個人所得・個人消費支出関連、11月シカゴ購買部協会景気指数などの発表も注目される。
ある市場筋は「OPEC総会での合意見送りの影響はあるだろうが、ある程度織り込まれている」とした上で、「米12月利上げ観測に変わりはないので、ドル・円は下げても111円後半は維持できる」との見方を示す。ここのところドルが下げる局面では、米大統領選後にドルを買えなかった投資家が、押し目買いを入れてきているといわれている。
【今日の欧米市場の予定】
・17:55 独・11月失業率(予想:6.0%、10月:6.0%)
・19:00 ユーロ圏・11月消費者物価指数(前年比予想:+0.6%、10月:+0.5%)
・19:00 OPEC総会(ウィーン)
・21:00 南ア・10月貿易収支(予想:-43億ランド、9月:+67億ランド)
・21:00 米・MBA住宅ローン申請指数(先週)(前回:+5.5%)
・21:30 ドラギ欧州中央銀行(ECB)総裁講演
・22:00 カプラン米ダラス連銀総裁講演(NYエコノミック・クラブ)
・22:15 米・11月ADP全米雇用報告(予想:+17.0万人、10月:+14.7万人)
・22:30 米・10月個人所得(前月比予想:+0.4%、9月:+0.3%)
・22:30 米・10月個人消費支出(前月比予想:+0.5%、9月:+0.5%)
・22:30 米・10月コアPCE価格指数(前年比予想:+1.7%、9月:+1.7%)
・22:30 カナダ・7-9月期GDP(前期比年率予想:+3.4%、4-6月期:-1.6%)
・23:45 米・11月シカゴ購買部協会景気指数(予想:52.5、10月:50.6)
・24:00 米・10月中古住宅販売成約指数(前月比予想:+0.1%、9月:+1.5%)
・01:45 パウエル米FRB理事講演(ブルッキングス研究所)
・02:35 メスター米クリーブランド連銀総裁講演(経済見通しと金融政策)
・04:00 米地区連銀経済報告(ベージュブック)
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