ドル・円は上値が重い、ロシアルーブルの値動きに要警戒
[16/12/30]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 市況・概況
今日の欧米外為市場では、ドル・円は上値の重い展開を想定したい。原油価格の上昇基調が続き株高に振れればドル買いの手がかりとなりやすい。ただ、米大統領選の介入をめぐり米ロ対立が深刻化しており、ロシアルーブルが目先急落した場合にはリスク回避の動きが強まるだろう。
ドル・円は、今日のアジア市場ではユーロ高・ドル安が急速に進行する局面で、一時116円05銭まで下落した。ただ、その後の日経平均の切り返しを受け、ドルは116円台後半に値を切り上げた。引き続き米金利の低下やユーロ売りポジションの整理に伴うユーロ買戻しの動きは見込まれるものの、NY原油先物は54ドル近辺で推移しており、米株高の反発も期待されている。
また、今晩23時45分発表のシカゴ購買部協会景気指数は高水準が予想されており、想定通りの内容ならドルの買戻しにつながりそうだ。ある市場筋はこうした材料を背景に「目先ドル売りはあまり強まらないのではないか」との見方を示す。
一方で、今年11月8日に実施された米大統領選への干渉を狙ったサイバー攻撃をロシアが仕掛けたとして、オバマ米大統領は同国の外交官ら35人を国外追放にするなどの報復措置を発表。これに対し、ロシア側はサイバー攻撃の事実を否定し、対抗措置を打ち出すと表明している。両国関係の悪化への懸念を背景にロシアルーブルには下方圧力がかかっている。
29日の取引では対ドルで60.81ルーブルまで下落。今晩発表のロシア12月消費者物価指数(CPI)が予想下振れならルーブル売りの支援材料となろう。年初にかけてルーブル売り・米ドル買いが一層強まった場合、リスク回避の円買いに振れるかもしれない。
【今日の欧米市場の予定】
・22:00 ロシア12月消費者物価指数(CPI):(予想:前年比+5.6%、11月:同比+5.8%)
・23:45 米・12月シカゴ購買部協会景気指数(予想:56.8、11月:57.6)
・米国債券市場は時間短縮取引の予定
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