為替週間見通し:ドル・円はもみあいか、米利上げペース鈍化の思惑残る
[17/04/29]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 市況・概況
■米税制改革への期待と6月利上げ観測でドル堅調
先週のドル・円は堅調推移。4月23日に行われた仏大統領選第1回投票で親欧州連合(EU)のマクロン候補の得票率が第一位となり、5月に行われる決選投票への進出が決まったことや、米税制改革案に対する市場の期待は持続し、6月利上げ観測が広がったことがドル上昇の要因となった。北朝鮮に対する米国主導の武力行使の可能性は低下しつつあるとの思惑もドル買い・円売り材料となったようだ。
26日に公表されたトランプ政権の税制改革案については、減税分の財源が経済成長加速によって賄われるとの見解を議会は了承しないとの懸念が広がり、ドルは111円78銭まで買われた後に110円88銭まで売られる場面があった。しかしながら、税制改革によって米多国籍企業による海外利益の本国還流への思惑が再浮上していることや、大規模減税によって長期金利上昇の可能性があることから、リスク回避的なドル売りは一服した。
28日発表された米1-3月期国内総生産(GDP)の成長率は市場予想を下回ったものの、同期の雇用コスト指数は市場予想を大幅に上回ったことから、6月利上げ観測が強まりドルは再び強い動きを見せた。米議会が暫定予算案を承認し、一部政府機関の閉鎖がひとまず回避されたこともドル買い材料となった。28日の欧米市場でドルは111円72銭まで反発し、111円53銭でこの週の取引を終えた。取引レンジ:109円60銭-111円78銭。
■ドル・円はもみあいか、米利上げペース鈍化の思惑残る
今週・来週(5月1日-12日週)のドル円はもみあいか。5月7日に行われるフランス大統領選の第二回投票(決選投票)で、中道系独立候補のマクロン前経済相が新大統領に選出されるとの観測が広がっている。ユーロ買い・円売りは継続し、この影響でドル・円の取引でもドル買いがやや優勢となる可能性があるものの、マクロン候補の勝利は為替相場に織り込まれており、大統領選の結果判明後にリスク選考的な円売りが一段と増える可能性は低いとみられる。
米トランプ政権は4月26日、連邦法人税率の35%から15%への大幅引き下げを柱とした税制改革案を発表した。改革案に対する市場の期待はやや高いものの、税収規模や財源などの詳細は明示されず、実現性については懐疑的な見方もある。税制改革の有効性も一部で疑問視されており、新たなドル買い材料が提供されない場合、リスク選好的なドル買いがさらに広がる可能性は低いとみられる。
5月2-3日開催の米連邦公開市場委員会(FOMC)では、金融政策の現状維持が見込まれる。米連邦準備理事会(FRB)による2017年の利上げペースは3回から2回に鈍化するとの見方が一部で浮上している。1-3月期の雇用コスト指数が予想を上回ったことから、市場の見方は6月利上げに傾いているが、FOMCの声明内容がややハト派寄りだった場合、6月利上げ観測は後退し、ドル売りがやや強まる可能性がある。
【米連邦公開市場委員会(FOMC)】(5月2-3日開催予定)
3月14-15日の会合で政策金利を0.75%から1.00%に引き上げたばかりであり、金融政策は現状維持の公算。米連邦準備理事会(FRB)による利上げペースは年3回から2回に鈍化するとの見方が一部で浮上しており、FOMCの声明内容が注目される。
【米4月雇用統計】(5月5日発表予定)
5月5日発表される4月米雇用統計は、失業率4.6%(前回4.5%)、非農業部門雇用者数は前月比+19.3万人(同+9.8万人)、平均時給は前月比+0.3%(同+0.2%)と予想されている。非農業部門雇用者数は前回想定を大きく下回った反動で大幅な改善が見込まれる。ただ、米利上げペース鈍化の思惑が浮上しており、4月雇用統計が予想を下回る内容だった場合、リスク回避的なドル売りが強まりそうだ。
予想レンジ:110円00銭−113円00銭
<FA>
先週のドル・円は堅調推移。4月23日に行われた仏大統領選第1回投票で親欧州連合(EU)のマクロン候補の得票率が第一位となり、5月に行われる決選投票への進出が決まったことや、米税制改革案に対する市場の期待は持続し、6月利上げ観測が広がったことがドル上昇の要因となった。北朝鮮に対する米国主導の武力行使の可能性は低下しつつあるとの思惑もドル買い・円売り材料となったようだ。
26日に公表されたトランプ政権の税制改革案については、減税分の財源が経済成長加速によって賄われるとの見解を議会は了承しないとの懸念が広がり、ドルは111円78銭まで買われた後に110円88銭まで売られる場面があった。しかしながら、税制改革によって米多国籍企業による海外利益の本国還流への思惑が再浮上していることや、大規模減税によって長期金利上昇の可能性があることから、リスク回避的なドル売りは一服した。
28日発表された米1-3月期国内総生産(GDP)の成長率は市場予想を下回ったものの、同期の雇用コスト指数は市場予想を大幅に上回ったことから、6月利上げ観測が強まりドルは再び強い動きを見せた。米議会が暫定予算案を承認し、一部政府機関の閉鎖がひとまず回避されたこともドル買い材料となった。28日の欧米市場でドルは111円72銭まで反発し、111円53銭でこの週の取引を終えた。取引レンジ:109円60銭-111円78銭。
■ドル・円はもみあいか、米利上げペース鈍化の思惑残る
今週・来週(5月1日-12日週)のドル円はもみあいか。5月7日に行われるフランス大統領選の第二回投票(決選投票)で、中道系独立候補のマクロン前経済相が新大統領に選出されるとの観測が広がっている。ユーロ買い・円売りは継続し、この影響でドル・円の取引でもドル買いがやや優勢となる可能性があるものの、マクロン候補の勝利は為替相場に織り込まれており、大統領選の結果判明後にリスク選考的な円売りが一段と増える可能性は低いとみられる。
米トランプ政権は4月26日、連邦法人税率の35%から15%への大幅引き下げを柱とした税制改革案を発表した。改革案に対する市場の期待はやや高いものの、税収規模や財源などの詳細は明示されず、実現性については懐疑的な見方もある。税制改革の有効性も一部で疑問視されており、新たなドル買い材料が提供されない場合、リスク選好的なドル買いがさらに広がる可能性は低いとみられる。
5月2-3日開催の米連邦公開市場委員会(FOMC)では、金融政策の現状維持が見込まれる。米連邦準備理事会(FRB)による2017年の利上げペースは3回から2回に鈍化するとの見方が一部で浮上している。1-3月期の雇用コスト指数が予想を上回ったことから、市場の見方は6月利上げに傾いているが、FOMCの声明内容がややハト派寄りだった場合、6月利上げ観測は後退し、ドル売りがやや強まる可能性がある。
【米連邦公開市場委員会(FOMC)】(5月2-3日開催予定)
3月14-15日の会合で政策金利を0.75%から1.00%に引き上げたばかりであり、金融政策は現状維持の公算。米連邦準備理事会(FRB)による利上げペースは年3回から2回に鈍化するとの見方が一部で浮上しており、FOMCの声明内容が注目される。
【米4月雇用統計】(5月5日発表予定)
5月5日発表される4月米雇用統計は、失業率4.6%(前回4.5%)、非農業部門雇用者数は前月比+19.3万人(同+9.8万人)、平均時給は前月比+0.3%(同+0.2%)と予想されている。非農業部門雇用者数は前回想定を大きく下回った反動で大幅な改善が見込まれる。ただ、米利上げペース鈍化の思惑が浮上しており、4月雇用統計が予想を下回る内容だった場合、リスク回避的なドル売りが強まりそうだ。
予想レンジ:110円00銭−113円00銭
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