nantes:インデックス投資家の2020年の振り返り【FISCOソーシャルレポーター】
[20/12/31]
提供元:株式会社フィスコ
提供元:株式会社フィスコ
注目トピックス 市況・概況
以下は、フィスコソーシャルレポーターの「nantes」氏(ブログ:2008年からの資産運用の旅)が執筆したコメントです。フィスコでは、情報を積極的に発信する個人の方と連携し、より多様な情報を投資家の皆様に向けて発信することに努めております。※あくまでも筆者の個人的な見解であり、弊社の見解を代表するものではありません。
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※2020年12月21日18時に執筆
インデックス投信ブロガーのnantesと申します。
フィスコソーシャルレポーターとしては初めての寄稿になりますが、インデックスファンドを中心とした資産運用ブログ「2008年からの資産運用の旅」による情報発信を9年以上続けております。
簡単ではありますが、一個人投資家として2020年を振り返ってみたいと思います。
■新型コロナウイルスに翻弄されながらも好調だった株式市場
今年最大のトピックは何といっても新型コロナウイルスでしょう。コロナ騒動がなければ米国大統領選挙や東京五輪の話題がメインになるはずだったのでしょうが、すべてを消し飛ばしてしまうインパクトがありましたし、しかもその影響は現在進行形です。
年間を通しての相場を振り返ってみると、「好調」だったの一言です。相場が実体経済をあまり反映できていないと言われて久しいですが、金融緩和の影響や、官製相場の活況、そしてワクチン開発への期待などから、全体の相場を押し上げました。
日経平均についてはコロナの感染拡大が懸念された3月中旬に16,358円(3月19日取引時間中)まで値を下げたものの、緊急事態宣言が解除された5月以降は上り一本調子で、節目とされていた25,000円もあっさりと突破しました。
米国のダウ平均、S&P500などの主力指数も軒並み最高値を更新しており、中長期的に株式をホールドしている個人投資家にとっては、含み益の恩恵を感じた1年だったと思います。
■インデックス投資家であれば相場の変動は気にならない
さて、前述したとおり含み益の恩恵を実感できた個人投資家が多かったはずですが、私を含めて多くのインデックス投資家にとっては、あまり相場の変動は気にならなかったはずです。この記事を書くために過去の相場を振り返ったりしていますが、普段はチャートを見ることもありませんし、その日の相場がどう動いたのか確認することもありません。
確認することがない理由はただ1つ、確認する必要がないからです。投資は基本的に長期の視点で行うものであり、日々の相場に一喜一憂することにメリットはありません。
投資の本質とは、投資家自身が自分なりのリスク許容度を測定し、それを基に投資計画を立て、ただそれを実行していくだけの“作業”であると考えています。
リスク許容度についてはいろいろな考え方がありますが、一般的には、年齢、職業、家族構成、保有資産、健康状態、持ち家の有無、そして個人の性格などを加味して検討していくものになります。
たとえば年齢が若く(20代)、職業が固く(上場企業や公務員)、健康状態にも問題がない独身であればかなりのリスク許容度がありますので、当座の生活費以外はすべて投資に回してしまっても、大きな問題になることはないはずです。
このリスク許容度から算出した毎月の投資可能額から、割安なインデックスファンドを購入していくという“作業”をするだけです。しかもこの作業でさえ、一度設定さえしてしまえばあとは自動設定にできることがほとんどですから、本当にやることがありません。
インデックスファンドは市場全体を投資対象としていますので、業績が悪い会社や衰退している業界に位置している会社も含めて投資をしてしまうという欠点もあります。しかし、それでも市場全体で見れば効率的であり、また多くのアクティブファンドがインデックスファンドの成績を上回れないという統計上のデータが存在しますので、自分から動いて負ける可能性を高くする必要はありません。
もっとも、個別株を物色する楽しみを否定することもできません。私自身も個別銘柄に約20種類ほど投資しています。配当や株主優待などのインカムゲインは魅力的ですし、なにより自分が応援したいと思った企業に間接的に関われるのは貴重な経験になります。
それでも個別株での投資で収益を上げようとすることはどうしてもタイミングや運の要素が強くなり、いわゆる「業績を分析する」だったり「今後の業績を予想する」という手間が必要になります。個別銘柄への投資はあくまでも趣味的に行うべきものであり、資産形成の中心にはやはりインデックスファンドを添えるべきだと考えます。
■変化の激しい時代・最悪を想定しつつも将来を予想することはできないと割り切る
私がインデックスファンドでの資産形成を薦める理由は、その投資法に再現性があるからです。市場を予想するのは難しい→そもそも予想する必要があるのか→予想しなくてもいい投資とは?と考えていった結果として、インデックス投資にたどり着きました。
あくまで市場平均の収益を上げる投資法なので、誰もが羨むような派手な成績は残せていませんが、それでもこの10年間で年利6%程度の成果は出ています。そしてこの10年間、毎月コツコツと投資を続けることができましたし、その間のメンタルも非常に安定しています。
1年前、このような未知のウイルスが世界を襲うことや、それに伴って東京五輪が延期に追い込まれることを誰が予想できたでしょうか。
昨年末に買い込んだ経済雑誌を再度読み込んでみましたが、このような未来を予想した知識人、評論家、アナリストは一人も見当たりませんでした。
グローバル化、IT化が加速し、わずか1年先の見通しも立たない、変化の激しい世の中を生きています。投資家は目先の株価に右往左往するのではなく、冷静にそして信念をもって対応することが必要です。そして想定外のことを想定しておく、常に何があっても動じないメンタルと経済的な基盤を築いておく覚悟が必要です。
2020年は誰しもが予想しえない年になったと思います。とはいえ、自分なりの投資計画を立てておかないと、いざ有事が起こった時に、何をどう修正すればいいのかわからなくなります。
なぜ、計画通りにいかなかったのかフィードバックすることで得られる学びも大きいはずです。無計画でいることと、立てた計画を修正することでは明確に異なるので、残り少ない2020年のうちに、来年の投資計画を考えたいと思います。
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執筆者名:nantes
ブログ名:2008年からの資産運用の旅
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※2020年12月21日18時に執筆
インデックス投信ブロガーのnantesと申します。
フィスコソーシャルレポーターとしては初めての寄稿になりますが、インデックスファンドを中心とした資産運用ブログ「2008年からの資産運用の旅」による情報発信を9年以上続けております。
簡単ではありますが、一個人投資家として2020年を振り返ってみたいと思います。
■新型コロナウイルスに翻弄されながらも好調だった株式市場
今年最大のトピックは何といっても新型コロナウイルスでしょう。コロナ騒動がなければ米国大統領選挙や東京五輪の話題がメインになるはずだったのでしょうが、すべてを消し飛ばしてしまうインパクトがありましたし、しかもその影響は現在進行形です。
年間を通しての相場を振り返ってみると、「好調」だったの一言です。相場が実体経済をあまり反映できていないと言われて久しいですが、金融緩和の影響や、官製相場の活況、そしてワクチン開発への期待などから、全体の相場を押し上げました。
日経平均についてはコロナの感染拡大が懸念された3月中旬に16,358円(3月19日取引時間中)まで値を下げたものの、緊急事態宣言が解除された5月以降は上り一本調子で、節目とされていた25,000円もあっさりと突破しました。
米国のダウ平均、S&P500などの主力指数も軒並み最高値を更新しており、中長期的に株式をホールドしている個人投資家にとっては、含み益の恩恵を感じた1年だったと思います。
■インデックス投資家であれば相場の変動は気にならない
さて、前述したとおり含み益の恩恵を実感できた個人投資家が多かったはずですが、私を含めて多くのインデックス投資家にとっては、あまり相場の変動は気にならなかったはずです。この記事を書くために過去の相場を振り返ったりしていますが、普段はチャートを見ることもありませんし、その日の相場がどう動いたのか確認することもありません。
確認することがない理由はただ1つ、確認する必要がないからです。投資は基本的に長期の視点で行うものであり、日々の相場に一喜一憂することにメリットはありません。
投資の本質とは、投資家自身が自分なりのリスク許容度を測定し、それを基に投資計画を立て、ただそれを実行していくだけの“作業”であると考えています。
リスク許容度についてはいろいろな考え方がありますが、一般的には、年齢、職業、家族構成、保有資産、健康状態、持ち家の有無、そして個人の性格などを加味して検討していくものになります。
たとえば年齢が若く(20代)、職業が固く(上場企業や公務員)、健康状態にも問題がない独身であればかなりのリスク許容度がありますので、当座の生活費以外はすべて投資に回してしまっても、大きな問題になることはないはずです。
このリスク許容度から算出した毎月の投資可能額から、割安なインデックスファンドを購入していくという“作業”をするだけです。しかもこの作業でさえ、一度設定さえしてしまえばあとは自動設定にできることがほとんどですから、本当にやることがありません。
インデックスファンドは市場全体を投資対象としていますので、業績が悪い会社や衰退している業界に位置している会社も含めて投資をしてしまうという欠点もあります。しかし、それでも市場全体で見れば効率的であり、また多くのアクティブファンドがインデックスファンドの成績を上回れないという統計上のデータが存在しますので、自分から動いて負ける可能性を高くする必要はありません。
もっとも、個別株を物色する楽しみを否定することもできません。私自身も個別銘柄に約20種類ほど投資しています。配当や株主優待などのインカムゲインは魅力的ですし、なにより自分が応援したいと思った企業に間接的に関われるのは貴重な経験になります。
それでも個別株での投資で収益を上げようとすることはどうしてもタイミングや運の要素が強くなり、いわゆる「業績を分析する」だったり「今後の業績を予想する」という手間が必要になります。個別銘柄への投資はあくまでも趣味的に行うべきものであり、資産形成の中心にはやはりインデックスファンドを添えるべきだと考えます。
■変化の激しい時代・最悪を想定しつつも将来を予想することはできないと割り切る
私がインデックスファンドでの資産形成を薦める理由は、その投資法に再現性があるからです。市場を予想するのは難しい→そもそも予想する必要があるのか→予想しなくてもいい投資とは?と考えていった結果として、インデックス投資にたどり着きました。
あくまで市場平均の収益を上げる投資法なので、誰もが羨むような派手な成績は残せていませんが、それでもこの10年間で年利6%程度の成果は出ています。そしてこの10年間、毎月コツコツと投資を続けることができましたし、その間のメンタルも非常に安定しています。
1年前、このような未知のウイルスが世界を襲うことや、それに伴って東京五輪が延期に追い込まれることを誰が予想できたでしょうか。
昨年末に買い込んだ経済雑誌を再度読み込んでみましたが、このような未来を予想した知識人、評論家、アナリストは一人も見当たりませんでした。
グローバル化、IT化が加速し、わずか1年先の見通しも立たない、変化の激しい世の中を生きています。投資家は目先の株価に右往左往するのではなく、冷静にそして信念をもって対応することが必要です。そして想定外のことを想定しておく、常に何があっても動じないメンタルと経済的な基盤を築いておく覚悟が必要です。
2020年は誰しもが予想しえない年になったと思います。とはいえ、自分なりの投資計画を立てておかないと、いざ有事が起こった時に、何をどう修正すればいいのかわからなくなります。
なぜ、計画通りにいかなかったのかフィードバックすることで得られる学びも大きいはずです。無計画でいることと、立てた計画を修正することでは明確に異なるので、残り少ない2020年のうちに、来年の投資計画を考えたいと思います。
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執筆者名:nantes
ブログ名:2008年からの資産運用の旅
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