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来週の相場で注目すべき3つのポイント:自民党総裁選、7社IPO、日銀短観など

注目トピックス 市況・概況
■株式相場見通し


予想レンジ:上限30800-下限30000円

来週の日経平均は堅調か。長らく黙していた中国政府による伝達を受けて、当局も問題の深刻化を望んでいないとの思惑が高まり、中国恒大の債務問題を巡る懸念はひとまず後退した。ただ、23日期日のドル建て社債利払いの行方が依然不透明であるほか、今後も断続的に支払い期限が来るため、リスクは残る。それでも、今回の一件は中国国内の問題に過ぎずシステミックリスクには至らないとの大勢の見方は維持され、目先は神経質ながらも買いが優勢の展開となりそうだ。


FOMCも短期的な波乱になり得ることを懸念していたが、結果的には杞憂に終わった。パウエルFRB議長は記者会見で、11月にもテーパリングを開始し、来年半ばまでにそのプロセスを完了させる可能性を示唆。同時に公表された政策金利見通しでは、参加者18人のうち9人が22年の利上げを見込んでいることが示され、6月時点の7人から増加した。比較的タカ派色が強いとの印象だったが、相場はポジティブに反応した。


また、米10年国債利回りが7月半ば以来およそ2カ月半ぶりに1.4%台へと上昇してきた一方、期待インフレ率の指標とされる米10年物ブレークイーブン・インフレ率は横ばいで、市場はFRBのインフレへの対応を評価している様子。長期金利の水準も3月に付けた1.78%と比較すれば依然低く、上昇ペースが緩やかであれば相場の波乱要因とはならないだろう。


一方、自民党総裁選の投開票が29日に迫ってきているなか、その行方が混迷している。しかし、誰が総裁になるにしても、衆議院議員選挙に向けての党勢拡大を目的に積極的な経済対策が打たれる可能性は高く、こうした期待が相場を下支えしよう。海外投資家には改革色の強い河野太郎氏を好んでいる向きが多いとみられ、仮に河野氏以外の候補に確定した場合の相場反応は気になるが、上述した背景から大きな波乱になるとは考えにくい。むしろ、衆院選の投開票日に向けた株高アノマリーなども意識され、上値を試す展開が期待できそうだ。


他方、中国恒大問題をきっかけに中国経済の減速懸念が一層強まっている点には留意したい。中国経済に与える不動産業の影響力は大きく、今後の実体経済への影響を注視する必要がある。来週は中国で9月の製造業・非製造業購買担当者景気指数(PMI)も発表されるため、結果と市場反応を注視したい。そのほか、債務上限引き上げや財政支出を巡る米国政治の行方も気掛かりだが、現時点では大きな波乱要因になるとは考えにくく、連れ安する場面があれば押し目買いを狙いたい。


■為替市場見通し


来週のドル・円は底堅い値動きとなりそうだ。中国恒大集団の債務不履行(デフォルト)懸念は消えていないため、リスク回避的な円買いが強まる可能性は残されている。不動産大手の中国恒大集団は9月23日の社債利払いを履行したことでリスク回避的な円買いは縮小した。しかしながら、中国当局は地方政府に対し、中国恒大集団の経営破綻に備えるよう指示しており、同社の債務問題については予断を許さない状況が続いている。債務再編の可能性もあるが、問題解決についてはある程度の時間が必要になるとみられている。

ただ、パウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長は9月22日に行われた記者会見で、資産買入れの段階的縮小(テーパリング)を今年11月にも開始する可能性を示している。米量的緩和策の早期縮小観測は後退していないこと、利上げ時期は多少早まる可能性もあることから、リスク選好的なドル買い・円売りがただちに縮小する可能性は低いとみられる。来週発表される9月CB消費者信頼感指数や9月ISM製造業景況指数などが市場予想を上回った場合、ドル買い・円売りが強まるとの見方が多いようだ。なお、9月29日投開票の自民党総裁選は、事前の情勢調査から前政調会長の岸田氏と河野太郎規制改革担当相が他の2候補をリードしているもよう。両氏のどちらが勝利しても、経済活性化への期待が広がることから、リスク選好的な円売りが増える可能性がある。


■来週の注目スケジュール

9月27日(月):景気動向指数(7月)、米・耐久財受注(8月)、英・ベイリー英中央銀行総裁が講演など
9月28日(火):ジィ・シィ企画/ROBOT PAYMENT/デジタリフト/リベロの4社が東証マザーズに新規上場、米・S&P/コアロジックCS20都市住宅価格指数(7月)、米・消費者信頼感指数(9月)、決算発表:米マイクロンなど
9月29日(水):セーフィー/プロジェクトカンパニーの2社が東証マザーズに新規上場、米・中古住宅販売成約指数(8月)、欧・ECBフォーラム(最終日)(日銀総裁、FRB議長、英中銀総裁、ECB総裁がパネル討論会に参加)など
9月30日(木):鉱工業生産指数(8月)、小売売上高(8月)、住宅着工件数(8月)、東京など19都道府県に発令中の緊急事態宣言の期限、アスタリスクが東証マザーズに新規上場、中・製造業/非製造業PMI(9月)、中・財新製造業PMI(9月)、米・GDP確定値(4-6月)、米・2021会計年度末(10月1日からの政府機関閉鎖回避に向けた暫定予算案可決期限)、米・下院金融サービス委員会でFRBと財務省のパンデミック対応に関する公聴会など
10月1日(金):失業率・有効求人倍率(8月)、日銀短観(7-9月)、日銀金融政策決定会合における主な意見(9月21、22日分)、製造業PMI(9月)、自動車販売台数(9月)、欧・米・製造業PMI(9月)、米・個人所得/個人消費支出(8月)、米・PCEコアデフレーター(8月)、米・ISM製造業景況指数(9月)、中・株式市場は祝日のため休場(国慶節、7日まで)、香港・株式市場は祝日のため休場(国慶節)など



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