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為替週間見通し:ドルは下げ渋りか、日本の財政悪化に対する懸念残る

注目トピックス 市況・概況
*15:27JST 為替週間見通し:ドルは下げ渋りか、日本の財政悪化に対する懸念残る
【今週の概況】
■日本の財政悪化を警戒して円売り強まる

今週の米ドル・円は上昇。週前半は日本銀行による追加利上げを意識してリスク回避的な円買いがやや強まる場面があったが、「日本の来年度予算で一般会計の歳出総額は120兆円を超える見通し」と報じられたことを受けて日本の財政悪化を懸念した円売りが再び強まり、米ドル・円は底堅い動きとなった。米国金利の先安観は消えていないものの、日米金利差の段階的な縮小を想定した米ドル売り・円買いは拡大しなかった。

12月18−19日開催の金融政策決定会合で0.25ptの追加利上げが全会一致で決定されたが、中立的な金利水準は明示されなかったこと、日本銀行植田総裁の会見では利上げぺースの加速を示唆する発言は特になかったことから、金融政策決定会合終了後にリスク選好的な米ドル買い・円売りが次第に強まり、欧米市場で157円台後半まで円安ドル高が進行した。

19日のニューヨーク外為市場でドル・円は156円92銭まで売られたが、取引終盤にかけて157円78銭まで上昇した。片山財務相の円安是正発言を受けて円売りは一時縮小したが、ウィリアムズ米NY連銀総裁が「追加利下げの緊急性はない」との見方を伝えたことから、米長期金利の上昇に連れたドル買い・円売りが再び優勢となった。米ドル・円は157円75銭でこの週の取引を終えた。米ドル・円の取引レンジ:154円40銭−157円78銭。

【来週の見通し】
■ドルは下げ渋りか、日本の財政悪化に対する懸念残る

来週のドル・円は下げ渋りか。米雇用情勢は悪化しつつあり、米国経済の減速懸念は払しょくされていない。来週発表の7-9月期国内総生産(GDP)も4-6月期との比較で成長率は鈍化する見込み。ただし、米NY連銀総裁の発言を受けて来年1月開催の連邦公開市場委員会(FOMC)で追加利下げが決定される可能性は低下した。それでも経済指標が市場予想を下回った場合、リスク回避的な米ドル売り・円買いが多少強まる場面がありそうだ。

一方、日本銀行は2026年も利上げを継続する可能性があるものの、植田日銀総裁に利上げを積極的に推進する考えはないとみられ、リスク回避に絡んだ円買いは抑制されそうだ。日本の財政悪化に対する懸念は消えていないことも円買いを抑える要因となり、日米金利差の段階的な縮小を想定した円買い圧力がすみやかに高まる可能性は低いとみられる。

【米・7-9月期国内総生産(GDP)】(23日発表予定)
23日発表の米7-9月期国内総生産(GDP)は前期比年率+3.2%と、4−6月期の+3.8%との比較で成長率の鈍化が予想される。景気減速懸念が強まれば、米緩和観測によりドル売り要因になりそうだ。

【植田日銀総裁講演】(25日予定)
25日に日本銀行植田総裁は講演を行う予定。日銀は経済活動をしっかりとサポートしていく意向を伝えているが、講演で2026年も利上げを行う可能性について言及した場合は円買い材料になり得る。

予想レンジ:155円00銭−160円00銭




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