あい ホールディングス Research Memo(8):今期足元は好調な進捗、業績上振れの可能性も
[14/04/03]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
■決算動向
(2)2014年6月期予想
進行中の2014年6月期は、表のように売上高35,600百万円(前年比9.9%増)、営業利益6,000百万円(同20.6%増)、経常利益6,100百万円(同20.1%増)、当期純利益3,750百万円(同26.1%増)が予想されている。この予想は、期初予想(売上高35,250百万円、営業利益5,500百万円)から上方修正されたものだが、同社は常に達成確度の高い数字を予想として発表していること、また足元の状況(第2四半期実績)も好調に推移していることを考慮すると、この修正予想が達成される可能性は高く、さらなる上方修正も期待できそうだ。
会社はセグメント別の売上高、営業利益の詳細予想は公表していないが、主要部門については以下のような状況となっている。
●セキュリティ機器
依然としてマンション向けセキュリティ機器は好調である。通期の総導入件数は、3,800件(前期比300件増)、その内訳として新規獲得数は2,600件(同43件減)、自社更新分は1,200件(同343件増)を予想している。しかし前述のように既に上半期で自社更新分621件、新規獲得1,468件、総件数2,089件を達成しており、通常は下半期の売上高比率のほうが高いことを考慮すればこの期初目標が達成される確度は高い。したがって、この部門の売上高、営業利益も現在の予想より上振れする可能性は高いだろう。
●カード機器
今までは大きな伸びは期待しづらい部門であったが、最近では地方銀行などでキャッシュカード即時発行機の導入が始まっており、上半期には既に大手地方銀行、大手流通会社への大口納入があった。さらに今まで即時発行機の導入が遅れていたメガバンクでも導入の動きが出ており、2014年1月には某大手銀行向けへの納入(525台、約3億円)が決定した。実際の売上計上は来期(2014年7月以降)になるもようだが、メガバンクが動き出したことは同社にとって追い風だ。
●情報機器
伸びの中心となるのは、引き続きシルエットのコンシューマー向けカッティングマシン。コンテンツ会員数が順調に増加していることや、本体販売の増加に伴い消耗品やコンテンツ収益も着実に業績を伸ばしていることから、シルエットの売上高、営業利益は大幅増となる公算が強い。
しかし、一方でグラフテック(日本)の営業利益(上半期実績26百万円、前年同期比83.2%減)は通期でも大幅減となる見込みだ。主な要因は、来期以降具現化すると見られるグラフテックでの新しい事業のための研究開発費増や金型への投資によるものである。この結果、シルエットの増益分を一部帳消しにする見込みだが、部門全体としては大幅増益が見込まれている。
●設計事業
設計事業の営業利益は765百万円(同7.0%増)を予想している。需要は国の公共施設の耐震化対策から、法制定に伴い今後は民間の大規模建物の耐震診断へ移行していくものと予想される。しかし、技術者の数は限られているため、急速な伸びは見込んでいない。
主要部門の予想は以上のようであるが、各セグメントとも比較的控えめ、余裕のある予想(前提)のように思われる。同社<3076>が発表する予想は常に確度の高いものであることと合わせると、現在の予想が上振れする可能性は高く、今後の動向は大いに注目する必要がありそうだ。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇)
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