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アイ・エス・ビー Research Memo(3):モバイルで強みを発揮も売上高構成比はバランスが取れた構造に

注目トピックス 日本株

■会社概要

(2)事業の概要と企業グループ

同社<9702>は「情報サービス事業」という単一セグメント企業であるため、決算短信や有価証券報告書等でのいわゆるセグメント情報はない。しかし、売上高の分野別内訳を公表している。その内容は「携帯端末」「組込み」「モバイルインフラ」「検証」「金融」「情報サービス」及び「フィールドサービス」の7分野となっている。

分野別の売上高構成比はバランスがとれており、検証と金融がそれぞれ約6%となっているほかはいずれも15〜18%前後に程よく分散されている形だ。広義での携帯・モバイル関連で括ると携帯端末とモバイルインフラを足した約3分の1が関連分野となっており、歴史的に同社がモバイルで強みを発揮してきたことを反映したポートフォリオとなっている。

各事業分野別の採算性について、詳細は公表されていない。同業他社の動向や業界構造などを総合的に勘案して大きく、採算性を3グループに分かれると推測している。最も採算性が高いグループは、同社が高い競争力を有している分野で携帯端末、モバイルインフラ、及び組込みであると推測される。反対に採算性が低いグループは検証と情報サービスとみている。採算性が低いと思われる分野は、費用に占める人件費の割合が高く、また業界全体が過当競争の状況にあるため受注単価が総じて厳しいと推測されるためだ。

同社は、業務効率化やコスト削減の観点から、海外展開や地方展開に取り組んできた。現在は、国内4社、海外1社の連結子会社と、持分法適用会社1社からなる企業グループを形成している。エス・エム・シーは同社の子会社の中で最も古く、システムの開発や保守・運用、業務用アプリ開発などを手掛けている。アイエスビー東北と札幌システムサイエンスは、それぞれ、東北地区と北海道地区の担当であると同時に、都市部との人件費格差を活用してのソフトウェア開発拠点という性格も持ち合わせている。ノックスデータは通信系や自動車関連のソフトウェアに強みを有しており、2012年に子会社化した。ISB Vietnamは、同社の子会社の中では比較的古く、2003年に創立された。日本との人件費格差を活用してオフショア開発を担っているが、近年では、同社グループからの受注・売上が全体の60%程度に低下し、その他はグループ外からの受注・売上が占めるようになってきた。持分法子会社のGIOTは、主たる親会社はベリサーブ<3724>で、沖縄を拠点として検証サービスを行っている。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 浅川 裕之)



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